知行合一〜頭だけでなく行動も伴うこと
株式会社ランドピア
ユニークなコンテナ事業を全国展開
 
スペースプラス
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プロフィール
吉田 篤司(よしだ・あつし)

1961年東京生まれ。大学卒業後、印刷機械、ゴルフ場経営会社を経て、家庭用ゲームショップや中古ゴルフショップ等で独立開業し、1998年より顧客のニーズに沿う用地の開発を行う土地リースに事業転換。2001年よりコンテナを改良して物置として提供するコンテナ事業を開め、現在は直営・フランチャイズ等を合わせて全国200ケ所以上の場所でこのユニークなコンテナ事業を展開している。事業用地は全て借地で調達するなど、同社の強みである土地開発能力を最大限活かした事業展開。「不動産の有効利用を通じて、活力ある経済社会の実現に貢献する」を企業理念とし、事業を推進することで、地主、また借り手である企業の繁栄だけでなく、社会全体が潤うことを望んでいる。



   
【3つのキーワード】
 
1.会社は公器
2.持たざる経営
3.利他の心
 
 
【起業の頃について】

――起業のきっかけは。

吉田:
 父がゴルフ場経営の事業に失敗しまして、私が将来起業して挽回したいと思っていました。ただ大学を出ていきなり起業できるわけでもないので、まず営業を覚えようと2社ほど就職して学びました。
 その後独立し、はじめはショップ経営などをしていましたが、いずれは不動産業界に進出したいと漠然と考えていました。
   
 
――今の事業をはじめたきっかけは。

吉田:
 日経新聞の小さな記事で、京都の会社が“農地を転用してトラック駐車場にするビジネスを展開している”というのを見たのがきっかけです。やはり、常にアンテナを張って情報収集することが大切ではないかと思います。
 その会社で、緩やかなFCのような形で加盟募集をしていたので、研修に行ってノウハウを勉強し、平成10年4月から今の事業をスタートしました。

 
――そのころ一番大変だったことは。

吉田:
 それほど大変とか苦しいということはなかったのですが、事業そのものというより、“これだ!”といった決まった目標や突き進むものが気持ちとして掴めていなかった時、ジレンマが随分とあったように思います。


――不動産にかかわる仕事をしたいというのはあったのですね。

吉田:
 父親がゴルフ事業で失敗したり、ちょうどバブルが崩壊し、不動産が悪のように思われていた時期でしたので、なにか不動産で挽回してやろうと思って。社名も変更して「ランドピア」にしました。「土地&ユートピア」ですね。


――新しい事業をやるにはお金も人も必要ですね。

吉田:
 設備投資は地主さんにしてもらえばいいので、それほど多額の資金は必要ありません。ショップ経営等から、徐々に事業をシフトしていきました。また、新規事業への進出ですので、助成金も大いに活用しました。

 
【経営について】

――現在の事業内容は。

吉田:
 1つは、土地リース事業です。企業や地主さんから土地を借りて、建設業や流通業などの大手企業へ、駐車場や資材置き場として転貸しています。
 2つ目は、コンテナ事業です。弊社は土地を持たざる経営ですので、土地を借りて地代をお支払いし、そこにコンテナを設置して管理・運営しています。
 

――コンテナ事業ではフランチャイズ展開もしていますね。

吉田:
 はい。土地を持たない方には、土地を探してきて、管理・運営をすべて教えるという形でやっています。
 土地を持っている方は、診断させていただいた上で、良ければそこでやっていただきます。できるだけ街道沿いに設置しますが、所有地があまり目立たないところにある場合でも、弊社が街道沿いに土地を借りて、小さくてもいいからやりましょうとご提案させていただきます。そこがいっぱいになると、地主さんの土地に誘導できますから。
 従って、コンテナを単に販売するだけではなく、地主さんがお持ちの土地を有効活用するお手伝いができるわけです。


――なぜ土地を持たない経営を。

吉田:
 借地でやっても回るビジネスですから、持たないほうが気軽でいいわけです。もし万が一その土地が使えない、相続等で売却しなければいけないとなったときには、賃借については他の場所に移すことができます。そうすれば、今の賃料収入を損なうことなく移せます。
 

――新規事業については。

吉田:
 今年から毎年新卒が入社してきますので、不動産の有効活用といったキーワードで、どんどん新規事業には取組んでいく予定です。


――マネジメントについても伺います。人を採用するときに、どんな人に来てほしいですか。

吉田:
 大手にどっぷりいたような腰の重い人は駄目ですね。
 ベンチャー企業では、様々な体制がまだ十分に整っていません。不備を見つけたら自らそこを穴埋めしてくれるような人、一人二役も三役もこなしてくれるような腰が軽い人がいいですね。


【会計について】

――どのように会計の勉強をしてきましたか。

吉田:
 顧問税理士さんにいろいろと教えてもらったり、自分で本を読んだりしました。当初は、税務と企業会計の違いに少々戸惑いました。
 現在、株式公開の準備を進めていますが、時間もお金もかかりますね。


――株式公開の目的は。

吉田:
 まずは、優秀な人材の採用です。今は売り手市場であり、新卒・第二新卒でも大手が採用を増やしていますので、中小企業は皆採用が厳しいのが現状ではないでしょうか。
 次に、信用・知名度です。全国展開していくには、やはり名前も知らない会社では難しい。上場しているか否かで信用も大きく違います。
 また、情報収集の面でも、現在は土地の情報なども自ら探しに行くのですが、上場していればそうした情報も集まりやすいといいます。
 株式公開で違ったステージに行くことにより、現在の事業をより多くのお客様に提供していきたいという思いがあります。


――今後はどのようなことをやっていきたいですか。

吉田:
 コンテナ事業では海外展開も視野に入れています。そうしたことも含めて、まだまだやるべきことはあります。
 「持たざる経営」を徹底しながら、一歩ずつ進んでいきたいと思っています。


【パーソナル情報について】

――好きな言葉は。

吉田:
 『知行合一』です。
 頭だけではなく、実行も伴うことを心掛けています。知るだけではだめで、できるだけ行動してみないと。

知行合一
 中国の明時代に王陽明がおこした陽明学の命題のひとつ。論語の「先ず其の言を行い、而して後にこれに従う」が元となっている。王陽明は、知って行わないのは未だ知らないことと同じであると、実践重視の教えを説いた。


――尊敬する人は。

吉田:
 京セラの稲盛和夫さんです。
 稲盛さんの説く「利他の心」が事業においても大切ではないでしょうか。理念がないまま会社を経営しても、結局私利私欲に走ってしまい決してよくないですね。ましてそこで働く社員は、そんな人に使われるために生まれてきたわけではありません。父の会社が、同族経営で公私混同されていたのを見てきたこともあって、私は、会社は公的なものにしたいと思っていました。できるだけ稲盛さんのおっしゃられることを徹底していきたいと思いますね。


ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則 ――中小企業の社長さんにお薦めの本は。

吉田:
 ベンチャーでこれから伸びていくような人には『ビジョナリーカンパニー2』ですね。
 いかにいい人材をそろえるかが大事だと思います。いい人をそろえていけば、「考える会社」になっていきます。最初のころはまだわからないですが、そこからさらに上に行くためには、お金を出してでもいい人を採るべきです。この本が当てはまるぐらいのステージの人であれば、そういう方向で行ったほうが会社は伸びると思います。
 あとは、稲盛さんの本はすべてお薦めです。経営者として何が大切か、大変ためになると思います。


――私も、『生き方』や『稲盛和夫の実学』は愛読書です。稲盛さんの文章はわかりやすいですね。本日はありがとうございました。

吉田:
 ありがとうございました。

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税理士 内田麻由子
インタビュー
内田麻由子会計事務所
税理士 内田麻由子
 
取材後記 もの静かな中にも事業への強い責任感・使命感が伝わってきて、大変に有意義なお話しをお伺いしました。
 お父様の事業の失敗を反面教師として、会社を公器として不動産事業で社会に貢献していきたいとの熱い思いに感銘しました。
 「クレド」を作り経営理念を社員と共有する体制も徐々に整えつつあるとのこと。今後の会社の成長を心よりお祈りしています。

取材:2008/02/05