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山本篤廣(やまもと・あつひろ) 東京都出身。アパレル業界、ラジオの広告代理店&高級住宅街向けフリーペーパー立ち上げに携わり、DMに強い広告代理店にて通販会社のプロモーション活動に従事。2005年12月アドブレイブを立ち上げ、ダイレクトマーケティングに特化したビジネスを展開。つまらないと思うことには努力できないタイプのため、日々面白い仕事を追求し続ける。 【3つのキーワード】 1.最大のやりがいは、結果が評価されお客様から信頼されること 2.クライアントの成功ありき 3.誰かの役に立つと思ったら、進んで情報を共有しよう 【起業の頃について】
――起業のきっかけは。山本: 勤務していた会社が広告事業を止める事になりまして、私が抱えていた事業を元にして立ち上げました。仕事があるから立ち上げたというのが本当のところです。 ――では当時苦労されたことは。 山本: 転職するか起業するか悩んだ末に、会社を立ち上げるという決断をしたわけですが、気持ちを起業に向けるための心の葛藤が結構ありました。実はそれが一番大変でした。 起業については、いろいろな人の意見を聞きました。ある先輩経営者から、「今のお客さまに会社を立ち上げても付いてくるかどうかを聞けばいいじゃないか。みんな付いてくるのなら売上も見えるから」と言われ、実行しました。あるお客さまから「会社ではなく私は山本さんと付き合っているつもりですから」と言っていただいて、帰りの電車で泣くみたいな(笑)。 ――社員はどうされたのですか。 山本: 前の会社から一人ついてきてくれました。もう一人、女性で総務・経理担当を採用して、三人でスタートしました。 ――起業時の資金は。 山本: 会社を立ち上げた瞬間から仕事が始まるので売上は立つのですが、逆に支払いが結構出てくるため、最低必要な金額を考えて、自分のお金と、両親を多少持ち上げまして(笑)。 それだけでは足りなかったので、まずは国金にかなりリアルな受注明細を作って持っていきました。最低限絶対に売り上げる金額を持っていったら、すんなりと融資がおりました。 また、友人が勤めている信用金庫で、資本金の払込証明書の作成をしてもらった関係で、その信用金庫で融資も同時にお願いしました。売上の資料を見て、「これは間違いないだろう」ということで、信用金庫からも融資を受けることができました。
【経営について】――現在の事業内容は。 山本: 弊社は「ダイレクトマーケティングに特化した広告代理店」です。 現在、ダイレクトマーケティングはどの業種にとっても命題になっています。広告に関して「費用対効果」という概念がかなり強く入っています。 弊社は現在、通販会社を中心にサービスを展開していますが、今後は他の業種においても、ダイレクトマーケティングの需要が高まっていくでしょう。そうした潜在的な成長要因、時流にうまく乗っていけると考えています。 ――御社の強みは。 山本: ダイレクトマーケティングで結果を出すための圧倒的なノウハウがあります。 通販会社においては「広告イコール営業マン」です。すなわち、一般の会社における営業マンの人件費や販売店の固定費に代わる費用が広告費なのです。広告をしなければ売上が立ちません。弊社がその広告を成功させた場合には、絶対にリピートしていただけます。 テレビCMで大金を使い、良かったか悪かったかというのはあいまいになりがちで、正確にその議論ができないのです。リサーチ会社に頼んでグループインタビューをしても、売れていないのに結構ポジティブな意見が出てきたりして結局意味がありません。 それに対して、通販は全て結果です。「売れたか売れないか」、「売れたら良い、売れなかったら駄目」、それだけです。厳しいですが、売れる方向に導いてあげたときには評価されます。そこが最大のやりがいです。 ――コンサルティング業務もなさっていますね。 山本: はい。「なかなか売上が上がらないがどうしたらいいのか」というご相談を多くいただきます。今実際に何をされているのか、それで成果を出しているのか出していないのか、目指している目標はどこなのか、などをヒアリングした上で、効果的な広告を作り、最適な媒体に出していきます。 その他、顧客フォローの提案や諸々のコスト削減などのアドバイスもします。 その結果、今まで売上が上がらずに困っていた会社がうまくいくと、絶大な信頼をいただけるのです。それが実は一番やりがいがあります。お客様と共に大きくなっていけたら、これはうれしいですね。やはり「クライアントが成功すること」ありきです。 ――今後の事業展開について。
山本:今までどおり、BtoC通販業務におけるダイレクトマーケティング業務を極めたいと思っております。 さらにBtoBにおけるダイレクトマーケティングの成長性に期待しています。現在、企業では、今までのイメージ広告から、ダイレクトマーケティングのような集客効果がわかりやすい広告へとシフトしてきています。売上が見えるのであれば、こちらを中心にやっていくというような流れが非常に出ています。今後は、BtoBの仕事も増えてくると思います。 ――マネジメントについて。どんな人材に来てほしいですか。 山本: 仕事に対してポジティブな人ですね。 ガミガミ言ってやらせるというのがあまり好きではありません。社員には、仕事が好きになってほしい。好きなものに関しては、どんなに突き詰めて考えても苦ではないですから。 好きになるポイントは、どこでもいいと思います。例えば営業ならば、売上の数字が積み重なっていく過程が好きという人もいると思いますし、人と会ってコミュニケーションして褒められるのが好きという人もあるでしょう。「仕事が好きだからポジティブにできる」という集団にしていきたいと思います。 そして、そこを評価してあげるということが大切です。社員のモチベーションを高める仕組みを作っていきたいと思います。自分から目覚めてやっていくような社員を育てるにはどうすればいいか、日々考えています。 ――組織風土について。 山本: ささいな情報でも皆で共有することを大切にしています。 例えば、お客様から聞いたことが、自分の今の仕事には生かされないけれども、隣の事業部の誰かに教えてあげると、それが役に立つかもしれない、ということがありますね。もしかしたら既に知っていることかもしれないし、おせっかいと思われるかもしれない。でもそれをあえて、「今日お客様にこういうことを聞いたのだけど」と教えてあげる。それがヒントになって、仕事の発展につながるかもしれません。弊社では、全員がそうしたアウトプットをするように常日ごろから心がけています。 ――外部の専門家は活用されていますか。 山本: 法務に関しては、法務的な書類が増えてきたこともあり、顧問弁護士にお願いしています。 会計については、もちろん会計事務所にわからないところを相談しています。とても良い先生で、いろいろと教えて頂いています。 また、社労士の先生にもアドバイスをもらうこともあります。
【会計について】――会計事務所に期待することは。 山本: 評価軸といいますか、一般的に他社はどうしているのか、という話が一番ためになりますね。他社の良いところをまねする、とか。 また、正しい会社に導いてくれることをお願いしています。 税金も、最初はあまり払いたくないと思っていました。しかし、結局、税金を払わなければキャッシュは残らないので、これも必要経費だと割りきっています。先生が最初からそういう指導をしてくれなければ、私もそういう気持ちにならなかったかもしれません。そこは非常にありがたく思っています。 ――今後の資金プランは。 山本: 投資がほとんどいらないビジネスですので、外部からの資本は入っていません。今後、投資が必要になったときにはどうするか考えますが、現状は借入で行く予定です。IPOを目指すのであれば、資本を入れるのは意味があると思いますが、投資がそれほどいらないのであれば、銀行からの資金調達でよいと思っています。 【パーソナル情報について】 ――好きな言葉は。 山本: 「仕事は楽しく」です。 楽しい事は飽きないので一生懸命やります。また、そんなに楽しくないと思っている仕事も、仕事を覚えうまくいく過程で達成感を感じ、面白くなっていきます。「仕事=楽しい」を皆で共有できる会社にしたいと思っています。
山本: 尊敬する人は大勢いますがあえて一人というと坂本龍馬です。 ものすごく困難なことを実際に実現した行動力は本当にすごい、なかなかできないことだと思います。日本最初の商社・亀山社中を立ち上げ、国策にも携わっている。自分たちよりも大きい存在を相手に立ち回り、偉業を成し遂げたところに憧れますね。 ――お薦めの本は。 山本: 1冊目は、『ブルーオーシャン戦略』です。新しいものを生み出そうと思っている弊社としては、ここを考え続けないといけないと思います。 2冊目は、『とことんやれば必ずできる』。マクドナルド原田社長の本です。自分の考えに非常に近く、社員全員に配りました。 ――今日はお時間をいただいて本当にありがとうございました。 山本: こちらこそありがとうございました。 |
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とても誠実で実直な印象の山本社長。ダイレクトマーケティングという、結果がシビアに問われる世界で、常にお客様の信頼を勝ち得ていくためには、並大抵ではない努力が必要なのではと推察いたします。同時に、仕事を楽しむことの大切さを教えていただきました。起業時に、お客様にも恵まれ、資金の調達もスムーズにできてしまい、起業の苦労話を期待していた私としては、少々拍子抜け(?)する一面も。 これからも、お客様の成長とともに、ますます成長・発展されることをお祈りしています。 取材:2007/09/03
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