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コンピュータシステムの導入の提案・コンサルティングを通じ、お客様の満足、感動を創る
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内部統制の確立と情報漏えい防止ソフト
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| 驚異の業務システム設計・開発ツール |
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樋山証一(ひやま・しょういち)
新潟県出身。燕市という町の小さな金属関係の工場を営む家族のもとに生まれ、長男であったため、小さい頃から『将来は実家の工場を継ぐのかな…』と、漠然と考えていたが、父に『将来は自分の手で、自分で出来ることを考えろ。』と言われ、開放感と共に自分の進路について真剣に考え、新潟のコンピュータの専門学校に進学。そして卒業後、東京にて4年間プログラミングやシステムエンジニアとしての修行を積み、1991年、故郷の新潟で起業。ニッチにこだわり、他社との差異化を徹底追求し、ビジネスを軌道に乗せた。2003年度 新潟県経営品質賞県知事賞受賞。
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【3つのキーワード】
1.WeING=現状にとどまらず常に進化しよう
2.いい会社の条件とは、社員が誇りを持てる会社
3.独自性とは、会社の価値であり社員一人ひとりの価値
【起業の頃について】
――起業のきっかけは。
樋山:
ウイングは、実は2つ目の会社なのです。
東京のソフトウエア会社に勤務後、新潟に帰りソフトウエア開発会社を起業しました。幸い6年間で社員も25名ほどに増え、営業・財務・技術と、私1人では見きれなくなりましたので、私より年配の人に入社してもらいました。
その頃、アシックスの鬼塚喜八郎さんの本を読み、鬼塚氏が会社をつくったときに、これは自分の会社ではないからと、株を社員に無償で分け与えたことを知りました。感動した私は、年配の3人に対して株を分け与えたのです。
ところが、しばらくしてそのうちの1人から「おれたちのほうが3人合わせると株が多いので、社長を降りてくれ」と言われました。方針や意見の相違があったわけでもなく、突然のことです。1月の雪の降る日でした。結局、3月末に会社を離れることになりました。
その時、中堅社員4人が、「会社をやめるならおれたちを連れて行ってほしい」と来てくれたのです。私は、「おれは金がない。今の会社で頑張りなさい」と一度は追い返したのですが、「どうしても社長と一緒に働きたいから会社も辞めてきた。給料はいらないから一緒に働かせてくれ。」と言うのです。それならと、急いで5月につくったのが現在の会社です。
――WeING(ウイング)の社名の由来は。
樋山:
ソフトウェア会社が数多くあるなかで、差別化していきたいと考えました。ITというのはどんどん変わっていきます。現状にとどまらず、進化していこうという気持ちを込めて「WeING(ウイング)」としました。
――経営は順調だったのですか?
樋山:
会社をつくったものの、ちょうどそのころバブルが崩壊したあとで、全国のソフトウェア会社の仕事は一気になくなりました。また受注の単価も6割ぐらいに下がり、仕事のやりくりが大変でした。
その時に私たちはどうしたかというと、人の2倍仕事をしました。それだけです。朝から夕方まで、これはほかの会社がやる一人分の仕事です。そのあと、夕方から深夜まで、もしくは土曜に出て来て、文字通り人の2倍やりました。
なぜ人の2倍やれたのかというと、やはり最初のコアになるメンバーに、こういう会社にしたいという思い、団結する気持ちがあったからだと思います。給与がいらなくても仕事をしたいという、そういう人たちがコアになっていたからだと思います。
――会社が飛躍するきっかけはあったのですか?
樋山:
そのころは、汎用大型コンピュータやオフコンのソフトウェア開発の仕事が中心で、NEC、富士通、IBMなどから仕事が出てきます。しかし、先輩企業はそこに列を作って待っていますから、私たちが一番後ろで「仕事をください」と言っても、回ってこないのです。
そこでどうしたかというと、列の最後尾で仕事を待つのはやめ、逆を向きました。パソコンを使うエンドユーザー向けに、業務ソフトを作ったのです。そのうちにダウンサイジングの時代、オフコンからパソコン、そしてインターネットの時代になりました。列の最後尾にいた私たちが、振り返ってみたらパソコンのソフト開発においては新潟の中では先頭にいたのです。
【事業内容について】
――現在の事業内容について教えて下さい。
樋山:
現在、3つの事業があります。
1つ目は、ソフトウェアの受託開発です。金融機関の債権督促業務にノウハウがあり、10年間やっています。営業は一部上場会社に依頼し、リース会社や金融機関などのソフトウェア開発を請負っています。
2つ目は、『ALLWatcher』という製品の開発販売です。いつ誰がどのパソコンで何をしたかという履歴情報を記録するソフトウェアです。
きっかけは「子どもが部屋でインターネットで何を見ているのか心配だ」という新聞記事でした。6年前に開発し、ビジネスで社員がちゃんとまじめに仕事をしているかを管理するソフトとして発売しましたが、はじめはなかなか売れませんでした。
ところが2〜3年前に、情報漏洩が社会問題になり、個人情報保護法の施行に伴って、現在では爆発的に受注をいただき、20万本以上、1000社ほどでご導入いただいております。
さらに、日本版J−SOX法の施行を目前に控え、企業の内部統制上、きちんと決められた手順で仕事をしているかを管理するシステムとして、現在、各方面から大きな期待を寄せられています。
また、海外市場に向けた展開もしていきます。現在、中国へは日系企業を中心にコンピュータメーカが販売をしています。
――価格はどのくらいですか。
樋山:
1つのパソコンに入れるのに7,200円です。インベントリ情報はオプションですが、オプションを入れて9,800円です。
弊社製品の優位性は、機能がほかの製品より充実している点と、他社より長年やっていますので、使いやすさがほかのものより優れているという評価をいただいています。
――アプリケーションソフトとも連動できますか。
樋山:
これ1つの製品としても使えますし、このエンジンをほかのソフトウェアにくっつけて、そのソフトウェアが動くタイミングで、画面を全部記録しておきますので、画面も再現できます。
――個人情報保護にしても内部統制にしても、こういう仕組みがあることが、つまりは企業と社員を守ることになりますね。
樋山:
全てデータベースに蓄積されますので、そのデータベースからどのような切り口でレポートするか、企業の状況や目的に応じた使い方ができます。例えば、夜8時に1人で会社にやってきてパソコンを使い始めた場合、これは仕事を頑張っているとも言えますが、8時に1人でというのは少し危ないとも取れます。ですから例えば、8時以降1人で使うとレポートを出す、ということもできます。
もう1つは、ホワイトカラーの生産性向上に役立つのではないかと考えています。1日のうち社員がどんな仕事ぶりをしていたのかがわかりますので、効率よく仕事ができる人とできない人の差は何かが検証できるわけです。例えば、メールを1日に何十回もする人というのは、仕事をしているのかしていないのか。弊社でも、営業はずっとパソコンの前にいるのではなくて、外へ行くべきだろうと(笑)。
3つ目は、『GeneXus』という業務システム開発ツールです。
販売管理や会計などの企業業務システムを開発する際に、要件定義を入力し、言語・データベース・OSを選択するだけで自動的にプログラミングしてくれるツールです。このソフトに出会ったときに、「うちの会社はなくなるのではないか」と(笑)。
まずは弊社で確認しながら1年ほど使ってみて、やればやるほどすごいということがわかってきました。今では、弊社が日本で一番このソフトを販売していますし、これを使った開発でも、弊社には一番ノウハウがあります。
実は、50歳以上のSEは、最新のITに疎くなったりしてソフトウェア会社から肩たたきにあう人も多いのです。しかし経験豊富なSEは、お客さまと話ができるし、業務を知っていますから、このシステムを使ってプログラムが作れます。わざわざ中国にオフシェア開発で出さなくてもいいのです。実際に、弊社でも50歳以上の人の採用をすすめています。
【マネジメントについて】
――社員の方から意見やアイデアが出てくる風土はいかにしてつくられたのでしょう。
樋山:
採用時には、まず企業理念を理解してもらうことが重要です。
あとは、自分たちの価値を作ろうということです。独自性とは、ほかの会社と違うことをやる、ほかの会社が簡単にできることはやらないということです。独自性は会社の価値でもあります。また、会社の中の一人一人も価値ある人間です。社員には、あなたたちは価値ある人間なのだから、価値というものを創って増やしていかないと駄目だと言っています。
また、会社の経営に参加してもらう取り組みをしてきました。
――2003年に日本経営品質賞を受賞なさいましたね。
樋山:
はい。私が考える、「いい会社の条件」は次の2つです。
1つは、「社員が自分の会社を誇りに思っているか」。やりがいを持てているか、ということです。例えば、会社の利益はちゃんと出していても、その人が家に帰って奥さんに会社の愚痴を言ったり、友達と飲んで会社の悪口を言ったり、そういう会社は本当にいい会社なのでしょうか。社員が外へ出たときも誇りを持てる会社が、いい会社の条件であると考えています。
もう1つは、「お客さまが喜んでくれているか」。もっと言うと、弊社の社員の仕事に対して、お客様が感動したり感激してくれる会社でありたいと考えています。
――社員の方には、どのようなことを言っていますか。
樋山:
「失敗はチャレンジして積極的に動いている証拠。積極的に失敗しよう」ということです。失敗したときに何が問題かというと、失敗をそのままにしてしまうことと、失敗でくじけてしまうことなんですね。ですから、早くリカバリングしてまた次の行動に移るということを、いつも言っています。
――会社がそのような風土になっていることが大事ですね。
樋山:
そうですね。風土プラス仕組みです。例えば、弊社では、グループウェアで情報を共有して、失敗したら「失敗談コーナー」に載せましょうということもやっています。
【会計について】
――資金繰りについて気をつけていることは。
樋山:
売上や利益が安定して増加しているときの運転資金と、独自性を打ち出すための設備投資資金がありますが、運転資金については資金繰りをよくするためには、入るものをはかってそれ以上の出費はしないということを、きっちり管理することだと思います。
――資金調達についてはどのようにお考えですか。
樋山:
株主については、今のところまだほとんど役員社員だけですが、今後は、弊社の独自性のある事業を、いろいろな方と一緒にやっていきたいと考えており、お取引のあるところに少しずつ出資をお願いしたいと思っています。
投資については、費用対効果をきちんと確認して、まず小さめな金額でプロモーションや製品開発をすることです。お金というのは、あると思うと結構乱雑に遣います。限られた予算の中でどのようにしたらやれるかという、工夫やアイディアを出していかないといけないですね。
資金調達においても、独自性があるかどうか、社会貢献ができるかどうかが大切であり、それを大きくPRしています。幸い、日経BP社をはじめ各社の雑誌で、毎月のように弊社製品がとりあげられており、また、講演の依頼もありますので、そうしたところでアピールしています。
【パーソナル情報について】
――好きな言葉は。
樋山:
『ピンチはチャンスなり』です。
いつも社員に言っているのですが、ピンチだと思ったようなことでも、それは見方を変えればチャンスになります。人間は切羽詰まったときに、変われるのです。
例えば、10のものを11、12ぐらいにしなさいというと、同じような方法で時間を余計にかけようとします。ところが、10のものを100にしなくてはいけないとなると、今の方法では駄目ですから、別の方法、つまりレールを変えるということが必要になってきます。
また、チャンスのときこそ破竹の勢いというのがもう少し欲しいところです。ですから、もうひとつには、『チャンスはチャンスなり』ですね(笑)。
――尊敬する人は。
樋山:
1人は、陽明学者の山田方谷です。もう5〜6年前に読んだ本ですが、大政奉還の文章を書いた人と記憶しています。小さな岡山の藩の財政を立て直しました。
もう1人は、直江兼続です。上杉謙信の晩年のころの上杉改革を支え、豊臣秀吉や徳川家康に対抗しながら上杉家を守りました。また、上杉謙信の死後、二人の子どもが仲たがいをして分裂していた時に、武田勝頼や北条などが攻め込もうとするのを見事に防ぎながら越後を統一した立役者です。
――お薦めの本があったら是非教えて下さい。
樋山:
これも歴史書ですが、司馬遼太郎の『峠』です。
幕末の長岡藩士河井継之助が主人公ですが、やはり男というのはこれぐらいでないと駄目だという、スケールの大きい人です。藩の財産を売って、当時日本に3つしかなかったガトリング砲のうちの2つを買うんですね。官軍などが10倍ぐらいの軍隊で長岡を攻め込んで来たときも、何回も軍隊を追い払いました。もし生きていたら、坂本龍馬よりもどえらいことをやっていただろうと言われた人です。
――今日は大変勉強になるお話をありがとうございました。
樋山:
ありがとうございました。
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