2)退任の際の慰労金準備を考える
経営する企業の資金の状況や,仕事の中期的な状況などから考えて,経営者が退任する際の準備にはさまざまなものがあるだろう。特に後継者の育成は重要だ。
さらに,後継者が決まり経営を引き継ぎ,自身が退任するとした場合,それまでの事業が,社長の個人資産の上で経営が成り立っているような場合には,社長が退任(この退任は生存の場合,死亡の場合,両方あり得る)した際の本人や家族の生活資金準備は必須である。
社長退任後の本人や家族の生活のために,それまで事業の用に供していた資産が事業には利用できないというような事態を避けるという意味でも,これは事業承継の裏づけともなるものだ。
退職慰労金の観点では,その退職慰労金を払った際の会社への影響や税務,それを受け取った社長個人の税務を含めた影響,税控除後の実質受取額などを考慮して設定する金額を検討することとなる。
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