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4)定期保険の法人契約と課税関係

 このような性格の定期保険であるから,保険期間中保険事故がなく終期を向かえれば,なんら返戻する金額なく保険期間が終了する。したがって,積み立てをしていたわけではないから,保険料は最終的に損金になるはずである。

 しかし,先にみたように,保険期間や保険金の設定によって期間の中途段階では,かなりの責任準備金が積み上がる。当然解約返戻金もそれだけ上昇してくる。ここに「課税の繰り延べ」効果が発生する余地がある。保険料の税務もそこを考慮して規定されている。

 保険期間や被保険者の年齢などから,定期保険を「定期保険」と「長期平準定期保険」とに区分し,その区分で保険料の税務が規定されているのである。

 下表がその内容である。※

定期保険
の区分
区分要件 保険期間の
経過期間
税  務
定期保険 下記以外 全期間 損金
長期平準
定期保険
保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え,かつ,当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるもの 前半6割期間 1/2資産 1/2損金
後半4割期間
(1) 6割期間の資産計上分を後半4割期間で取り崩しながら損金
(2) 当該年度の保険料を損金
※ 契約者=法人 保険金受取人=法人
※ 当該表には逓増定期保険は含まれていない。

 次章では,上表で整理した長期平準定期保険について,一般の定期保険をみた上で,その内容と課税関係を考慮した場合の効果をみていくことにする。



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