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1.中小企業における生命保険の利用目的・契約形態の概要


 中小企業(法人)が生命保険を法人契約で利用しているケースは多い。ここではまず,その利用がどのような目的で行われているのかを整理し,その観点から契約形態などについて概観してみたい。この概観の目的は,中小企業が生命保険をどのような目的で利用しているのか,あるいはできるのかを概ね理解,整理するためである。

 その整理に沿って,次章以降それぞれの利用目的を確認しながら詳細をみていくことにする。全体を通じて,「個々の企業が,その置かれた状況において有効に生命保険の評価や利用を考えることに資する」ことが本書の目的である。


1)中小企業における保険利用の整理の方法

 そこでまず論点整理の方法として,中小企業における保険の対象者で区分して整理してみよう。大きく「経営者・役員層」と「一般従業員」に分けられる。区分の理由は,保険利用の目的が相違するためである。

 単純化すると,一般従業員を対象にその企業が保険を利用するということは,概ね従業員の弔慰金や見舞金制度など福利厚生的な意味合いを目的としたものが中心である。

 一方,対象が経営者となった場合には,事業の継続のためのリスク対策や経営者本人・家族の退任後の生活保障など,目的の範囲が広がることになる。

 このような理由から,保険の対象となる人=被保険者を,「経営者・役員」と「一般従業員」とに区分してみていくこととする。



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