タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE

『トーナメント戦を勝ち抜く営業』

(2016.06.27)

 筆者は、現在の営業環境を「トーナメント戦」と捉えている。トーナメント戦は勝てばさらに強い相手と戦うことになり、勝ち残るのは選ばれし企業1社のみである。縮小市場における限られたパイの取り合いはまさしくトーナメント戦であり、今までの成功パターンは通用しない。

 そこで、トーナメント戦を勝ち抜ける営業に変わるための課題を「営業ギャップ」と定義し、その課題をクリアするためのポイントを述べたい。

 営業ギャップを一言で言えば「思考しない営業」である。プロセス管理を導入することにより営業プロセスは“見える化”され、管理レベルは上がる。しかし、それと営業の思考力が上がることとは違う。

 多くの場合、プロセス目標であるKPI(重要業績評価指標)を設定し、決めた事を確実に実行することで確かに成果は上がる。しかし、このレベルではトーナメント戦には勝ち残れないと考えている。

 目指すのは「思考する営業」に変わることで、「常に進化する営業」になることだ。進化するためのポイントは、「戦略構築力と実行力の高い人材を育成する」ことである。

 戦略構築力の高い人材とは過去の成功体験からのパターン思考、マニュアル思考ではない。「あるべき姿」とのギャップを明確にし、そこに対するロードマップを描ける人である。

 これを描けるようになるためには、過去から現在までの成長要因、顧客基盤、商品基盤を客観的に分析し、今後5年間の楽観、ベース、悲観のシナリオを予測する。そして、トーナメント戦に勝ち残るためにはどうあるべきかという視点で、「あるべき姿の設定」することだ。

 実行力が高いとは「あるべき姿に到達するために検討した戦略を磨き上げ、成果を確実に出す力」と定義できる。磨き上げるとは「仮説−実行−検証」のサイクルをしっかり回すことで高まる。重要なのは、このサイクルを回すことで仮説思考を定着させることである。それにより、確実に進化する人材と仕組みを定着化させることができるのだ。


以 上



本レターの内容につきましては万全を期しておりますが、ご利用によって被ることのある損害に対しましては責任を負いかねますのでご了承ください。掲載された記事の著作権は、すべて(株)タナベ経営および原著作者にあります。


(1) 上記コンテンツは、
タナベ経営 メールマガジン『マネジメントレター(無料)』より掲載しております。
詳しくはこちら


□発行・編集 (株)タナベ経営 ネットワーク本部
□〒532−0003 大阪府大阪市淀川区宮原3−3−41
         URL  http://www.tanabekeiei.co.jp
         MAIL nw@tanabekeiei.co.jp