コンサルタンツ・EYE
『小売業における“ぶれない経営”』
(2016.06.06)
カジュアルファッションの店舗を20店舗ほど展開している会社のA専務(商品部担当役員)は、小売業の経営において独自の視点を持ち、「ぶれない経営」を実践している。A専務がどのような視点を持っているか、以下に紹介する。
- 小売業は空間創造産業である。
店舗、商品、社員の三位一体となった空間創造が重要。
- お客様に「良い店」という印象を与えるには、全体が平均点の店をつくるより、どこにも負けない絶対的に強い分野を持つことが重要。
- 信頼は商品、価格、利便性、サービス、雰囲気の提供価値の創造により創られる。
- 売上とはお客様からの「預かり金」である。
お客様が次回来ていただいた時に提供する商品・サービスの原資となる。 再来店していただいたお客様に新しい商品・サービスを提供し、感動していただいた時にまた新しいサイクルが発生する。
- 規則はできるだけ作らないようにしている。
人材が育つコツは規則を作らないことである。
- バイヤーは、不必要なストック商品(バックヤードにある商品)に対して怒りを覚えなければならない。真剣に仕入れていればいるほど怒りが湧いてくるはずである。
- バイヤー(仕入担当者)は以下のような心構えが必要。
1. | バイヤーは仕入れることが仕事で、時に難しいと思っている。 本当は仕入れないことの方が難しい。
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2. | 「自分が仕入れなければお客様は買うことができない」という仕入の重要性を心に留めておく。
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3. | バイヤーは売り場をつくるために商品を仕入れる。 売り場、売り方を提案するのがバイヤーの仕事である。 商品を仕入れるだけではバイヤーと言えない。 |
- 顧客接点の積み重ねが企業価値を決める。お客様との接点において、各店舗のメンバーの行動がわが社のイメージをつくる。
A専務は「何にこだわるのか」ということを明確に持ち、それを社員へメッセージとして常に発信している。明確なメッセージを受け取った社員は何を感じるであろうか。「ぶれない経営」とは、社員に自信と安心を与える経営でもあるのだ。
以 上
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