タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE

『経営のバックボーンを前提とした方針策定の要諦』

(2016.05.18)

 多くの後継者・後継経営者とディスカッションする中で、「方針は策定しているが、徹底しきれない」「方針徹底のために仕組みを変えたい」といった声を多く聞く。方針によるマネジメントを前提にした、いわゆる「組織経営」を推進することは、後継者・後継経営者の成功するマネジメント手法の一つであるといえる。
 しかしながら、方針推進・方針徹底について課題を抱えている企業が多いのが現実である。そのような企業には、経営のバックボーンシステムを確認するようにアドバイスしている。
 経営のバックボーンシステムとは、「経営理念・ビジョン→経営目標→経営方針→組織体制→年度計画→アクションプラン→PDCA→成果→評価→分配」までの項目について、軸が通っている状態をいう。これを縦に並べると背骨(バックボーン)にように見える。
 人も企業も、健全な成長には背骨が重要である。人の場合は少し背骨がずれるだけでも痛くて歩けなくなるが、企業の場合は背骨がずれるどころか、ひどい場合には背骨の一対が欠落しているケースも見かける。  企業は、考え方や育った環境、年齢、性別まで異なる他人の集まりである。その企業が一つの方向に向かって成果を上げていくには、企業が何を目指すかという目的や目標、そのためにどういう路線を進むかという方針の明示と浸透、それを達成するための役割分担(組織)、末端社員の日常業務レベルまでの方針の落とし込み(計画化)が重要である。
 さらに実行状況の管理と、その結果を人事処遇制度にリンクさせて「やった者に報いる」ことも不可欠である。
 後継者・後継経営者が、試行錯誤しながら方針マネジメントを進めているが、経営理念・ビジョンを前提にした経営目標がなく、経営目標がないから策定している方針も中途半端になってしまう、という企業が多いのではないだろうか。
 経営のバックボーンの各項目は、それぞれ有機的に結びつく。一つの項目だけが突出して秀でることはない。逆に、レベルの低い項目に足並みが揃う特性をもつ。弱点はどこか。そこが経営のバックボーンのネック工程である。
 ぜひ、貴社における経営のバックボーンシステムのどこにネックがあるのかを再確認し、そのネック工程を改善した上での方針マネジメントを実践していただきたい。

以 上



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