タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『プロジェクト成功の鍵』


 新規事業開発や新商品開発、社内ルールづくりや生産性向上など、コンサルティングの現場ではさまざまなテーマのプロジェクト(以下PJ)を預る。

 PJマネジメントの体系であるPMBOK(Project Management Body of Knowledge)の定義によれば、PJとは「独自の製品、サービス、所産を創造するために実施される有期性の業務」とされている。つまり通常業務とは一線を画し、特定の目的の達成を、特定の人員で、期限までに実行しきることがその意義である。

 では、PJの成功条件とは何か。

 ある建設業では、ブランド力と営業力の強化を目的としたPJを走らせている。ここではリーダーが中心となり、決まったことが即実行に移されるため、PJの進行や軌道修正が極めて速い。その上、メンバーからは“次のテーマ”が矢継ぎ早に出てくる。PJの目的を常に見据えているからだ。

 またある製造業では、監督者強化を目的とした生産改善PJを実施。成果を残しているチームでは、目標差額を埋めるための手段が次々とチームメンバーから出てくる。目標達成してもミス・ロスが発生しないよう予防・啓発・教育にも積極的であるため、“連敗”がない。

 一方、機能しないPJの特徴は何か。以下にその共通点を列記する。

 ■ 総論賛成各論反対の風土
実務に追われて今以上の業務負荷はNGというスタンス

 ■“根回し”という言葉が横行し、目的が雲隠れ

 ■個人能力は高いが“爪を隠したままの鷹”で、戦闘力そのものを失っている

 ■ プライドが高く恥をかくことができない上に不勉強
その場でモノ言わず、後になって相談する

 ■これまでの人間関係から脱却できず、会議の席でしか厳しいことが言えない

 ■数字だけ要求して、指示が抽象的

 ミッション(目的と期限)がある中で、上記の症状が見られる場合は早急な治療が必要である。

 多くはリーダー自身に原因がある。従ってPJ成功のポイントは『PJの目的を全員が押さえており、誰よりもリーダーの本気度が高い』ことだ。成果が出ないPJリーダーは、ぜひ目的を再確認し、組織パワー発揮の方法を考えていただきたい。

以 上



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