タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『リーダーに求められる部下指導力』


 企業経営者、教育担当者が自社の幹部に期待するレベルアップテーマとして、「部下指導力の強化」がある。これより、研修を通じて「指導性(主張性)」が向上した事例を紹介したい。

 その会社は年商80億を超える機械部品メーカーで、激変する外部環境でも柔軟に対応できる経営体制をつくるべく、多能工化の推進を行っていた。しかし思うように進まず、社員アンケートやヒアリングを行った結果、中堅リーダークラスの指導力に課題を見出すことができた。

 彼らに、タナベ式性格能力判定テストを受けていただいた。その結果を見ると、言うべきことを伝えて指導しきる特性(指導性)の項目が一様に低い。そこで指導性の強化・向上を目指した6回コースの研修を実施した。

 筆者は、部下指導力を次に挙げる5つの構成要素からなる“総合力”と考えている。

 1. 自覚…部下を持つ身、指導者としての自覚(役割意識)がなければ、指導自体しようとしない

 2. コミュニケーション力…進んで話しかける姿勢と、自身の意を的確に伝え、理解・納得してもらう達意力が必要

 3.評価能力…部下一人ひとりの特性と、能力レベルを正しく把握し評価する力

 4.指導力…わかりやすく伝え、やってみせ、やれたかどうかを確認し、アドバイスする力

 5.育成計画立案力…部下のキャリアアッププランを描ける力

 これら各要素を鍛える体験型カリキュラムを中心とした研修を実施し、6回の研修終了後に再度テストを実施したところ、参加者16名のうち7名に指導性の向上が見られた。

 幹部の指導性が低いのは、実は多くの会社に見られる傾向である。要は自分に自信がないから言うべきことも言えないのだ。前述した各要素を鍛えることも必要だが、その前提は「どのようにしたら自信を持てるか(持たせられるか)」である。

 それは成功体験の積み重ねである。どんなに小さい成功体験でも、積み重ねていけば自信が持てるようになる。そしてその成功体験を、周囲が認め誉めることで、さらに自信を深めることができる。

 これからも激変するであろう経営環境に負けないよう、自信を持って部下指導できるリーダーを育てていただきたい。

以 上



本レターの内容につきましては万全を期しておりますが、ご利用によって被ることのある損害に対しましては責任を負いかねますのでご了承ください。掲載された記事の著作権は、すべて(株)タナベ経営および原著作者にあります。


(1) 上記コンテンツは、
タナベ経営 メールマガジン『マネジメントレター(無料)』より掲載しております。
詳しくはこちら


□発行・編集 (株)タナベ経営 ネットワーク本部
□〒532−0003 大阪府大阪市淀川区宮原3−3−41
         URL  http://www.tanabekeiei.co.jp
         MAIL nw@tanabekeiei.co.jp