タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『戦略実行における決断力』


 リーダーが為すべきことの一つに「決断」がある。それとよく似た言葉に「判断」や「決定」といった言葉がある。

 それぞれ辞書で調べてみると、次のように記載されている。

 ◎「判断」・・・自分の考えを定めること
 ◎「決定」・・・物事をはっきり決めること

 そして「決断」を辞書で調べてみると“意志をはっきりとすること”と記載されている。したがって、「判断」や「決定」は「決断」するまでのプロセスであり、「決断」という強い意志こそがリーダーシップそのものと言える。

 ある老舗企業の後継経営者は、過去の成功体験との断絶(過去の主力商品や主力取引先からの撤退)をしている。つまり過去収益を上げていたが、現在では不採算になっている商品や取引先とのしがらみを絶つ「決断」をしたのだ。

 このように、社内の誰もが「やめたほうが良い」と思っていながら、なかなか過去のしがらみにより撤退できず、ズルズルと継続しているケースはよくあることだ。

 しかしながら、戦略を実行していく上での最も重要な「決断」とは、“やめる・やらないという意志をはっきりさせること”、すなわち「強い意志を持って撤退する」ということである。

 戦略実行の第一ステップは「撤退」である。ここで言う「撤退」は、もちろん「やめる」ことが目的ではなく、「新たな戦略を推進していく上での経営資源をフリーにしておく」ことが目的である。

 中堅・中小企業は経営資源に限りがあり、撤退することなくして新たな事業・新たな商品を増やし続けると、必ずどの事業も中途半端になるという“分散病”に陥る。

 『撤退して集中する。集中して拡大する』という撤退・集中・拡大の3つのステップは、中堅・中小企業における戦略実行の大原則なのである。

 リーダーの皆さまはこの大原則を外れることなく屈強な意思を持ち続け、成功体験を積み上げていただきたい。



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