タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『幹部は評価項目を具体化せよ』


 ある部品加工の製造業で人事制度を一新した時の話である。そもそも評価の目的とは、人事方針に基づき社員すべてが公平に納得性をもって評価され、仕事を通じて社員に報いるためだ。

 評価は通常、業績・態度・能力面でそれぞれ評価項目があるが、難しいのは能力面である。

 能力面の評価は、各職種に求められる仕事に必要なスキル・知識・発揮度合いを評価するものであるが、標準がないと上司の性格・部下の見方・接し方(厳しい・甘いなど)によって評価が変わってしまうものである。

 そこで能力面の定義を「各職種に求められる仕事に必要なスキル・知識の習得、発揮度合いを評価する」と決めた。下記は一般社員における評価項目の主な考え方と評価ポイントである。

【部門:○○】
  主な考え方 評価のポイント
知識 会社が当人に期待し求めている知識
(習得しなければならない内容)
・担当する仕事に必要な原理原則を知っているか
・法令、諸規則などの内容を正しく把握しているか
・業務に関わる専門知識は十分にあるか
技術 会社が当人に期待し求めている技能 ・正しいやり方でしていたか
・ムダ、ムラのないやり方であったか
・標準や基準どおりであったか
・クレーム情報は持ち込まれなかったか
・設備、機械、器具などを正しく使用していたか

 次に、部門別階層別の一般知識、専門知識、技術・技能、安全、その他の標準を作っていった。部門によって求められるものは当然違う。そのため次のような表を作成し、各部門別階層別に必要な能力は何かを整理していったのである。

【部門:○○】
  一般知識 専門知識 技術・技能 安全 その他
執行役員          
部長・次長          
課長          
係長          
主任          
一般社員          

 例を挙げると、「自工程の品質を判定するための専門知識」、「品質に対する工程監査ができる」、「品質問題の真因が追及でき対策書にまとめられる」など。

 このように評価項目を具体化していくことが公正な評価につながり、さらなる社員の能力開発・活用が可能となる。ぜひ実施していただきたい。



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