タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『ライバルとの差別化を推進する』


 企業の業績が伸びなくなると、組織に「負け癖」がついてしまう場合がある。そのような組織にいると、自分が果たすべき役割について無意識で、惰性で仕事をする社員が増えてしまう。

 これは、社員が組織から孤立してしまい、相談相手もなく仕事も悩みも抱え込み、「何とか踏ん張って勝たなくては」と考えられなくなってしまうことから発生する。そういった社員をいかに減らすかが鍵になる。

 毎日、出社が憂鬱という状況では、持てる力を発揮できるわけもなく、企業の戦闘能力は高まらない。当然ライバルとの差別化など図れない。

 社員を前向きな気持ちにさせるには、失敗を恐れない、失敗しても責めないという風土にしていくことが重要だ。社内の風土が「ノープレイ・ノーエラー」では、新しいことなどには到底チャレンジできない。

 「やればできる」「頑張れば何とかなる」という可能性があって、初めてやる気になるのだ。前向きな気持ちを持たせる仕組みが会社になければならない。信賞必罰が機能し、笑顔を生み出す仕掛けがないと、組織の雰囲気は良くならないのである。

 組織は個人の集合体であるが、連携がなければ組織である意味がない。「自分さえよければ」という考えはなくしていく。ご承知の通り「まわりに気を配る」というのは、周囲の人間の仕事ぶりをチェックすることでも、ましてや批判することでもない。

 完全無欠の人間などいない。さまざまな個性を持った人間が、長所を活かし、短所をカバーし合うことが組織の良さだ。好調な時もあれば、不調な時もある。「自分でなければ」という自負も必要だが、「他人に任せられない」でも困る。

 与えられた役割(責任と義務)をどう精一杯やり遂げるか、お互いの信頼や尊重を意識できているか、改めて考えていただきたい。

 ドラッカーが指摘した「人と組織でしか差別化できない」の本質を追求することが、重要な時代となってきているのだ。



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