コンサルタンツ・EYE
『自らのノウハウで仕事を進化させよう』 今から35年以上前だが、ある食品メーカーのTVCMで「私作る人、僕食べる人」というキャッチコピーが一部で「女性蔑視ではないか」と批判され、話題になったことがあった。女性蔑視という意味ではないが、このキャッチコピーを思い出させるような現象が、企業の内部でよく起こっているように感じる。 会社の中には、新しいやり方やノウハウを生み出している人もいれば、全くその気がない人もいる。後者は誰かが生み出したノウハウを使って仕事をしていながら、当然のような顔をしている。これはまさしく「あなた作る人、私使う人」である。 筆者が知る限り、業績が低迷している企業では、後者のタイプが圧倒的に多い。果たして皆さまは、どちらのタイプだろうか? 今までのやり方に疑問を持たずに従い、誰かが生み出したノウハウを使うだけの人は、遺産に頼って生活しているようなもので、いずれはその遺産を食い潰してしまう。会社の未来への責任を果たしておらず、自立した企業人とは言えない。 筆者がコンサルティングの現場で使うノウハウも、創業者をはじめとする先輩方が築いてきたものが中心である。だからこそ、「それに新しい価値を付加して磨き上げるのが義務だ」と、常に自分に言い聞かせている。 具体的なポイントは以下の3点。 1.ノウハウは現場から生まれる 仕事の品質とスピードに徹底的にこだわり、その中から新たなノウハウの種を見つけて整理していく。 2.マニュアルは既に陳腐化している 業務マニュアルは、時流にあわせたアレンジや独自の発想をプラスし、常に改良を加えていく。 3.ムードづくりも大事 他者のノウハウを使う代わりに自分のノウハウも公開し、お互いに刺激し合い、組織で作っていくという意識を高める。 企業の成長とは、新しさを生み出すことでもある。新陳代謝がなければ、組織は老化の一途を辿り、その兆候は社員の仕事に対する姿勢にあらわれるものだ。 どんな仕事でも、取り組み方しだいで価値を高めることができ、本来はクリエイティブなものである。もし、マンネリやワンパターンに陥っていたら危険信号だ。 ぜひ、自らが「作る人」になって仕事を進化させ、「私もあなたも作る人、あなたも私も使う人」である企業風土を築いていただきたい。
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