タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『仕組みだけでは組織は動かない』


 「企業は人なり」。この言葉はこれまで数多くの経営者からお聞きした。この言葉の真意には2種類あると筆者は考える。

1.戦力に足る人材が欲しい

 とくに中小企業では、限られた人材をいかに戦力として伸ばしていくかが会社の命運を握る。幹部であれば社長の考えを咀嚼し、部門経営する力が戦力であり、専門職であれば、顧客ニーズに足るプロフェッショナルな回答をする力が戦力である。

2.仕組みはあるが機能していない

 一方、中堅企業に多く見られるのがこのタイプである。100億規模に成長した会社には業績管理、原価管理、リスク管理、人事管理などのシステムがひと通り揃っているケースが多い。しかし、ルールがあってもその遵守状況が良くない。

 拠点経営をして久しい会社などは、拠点の顧客特性などを引き合いに出し、独自のマネジメントを展開したり、原価の操作を行っているケースも散見される。

 なぜそのような状況が起こるのか。多くの場合はトップと末端を繋ぐ幹部に起因する。「仕組みづくり段階」ではその必要性に賛成するものの、「仕組みのPDCA」段階では、自部門最適な判断を許容する。つまり、全社最適の目線を持ち合わせていない(見えていない)のだ。

 自部門最適な幹部の下で育った人は、長期的に見て会社の戦力と言えるだろうか。仕組みが決まっても遵守されない会社で育った人は、ルールを守れる人材になり得るだろうか。

 組織の本質は“統一”であり、統制機能の発揮なくして大所帯の足並みを揃えることは不可能である。“仕組み”を作る際には、それを自部門でどう展開するか(させるか)までを、部門長たる幹部に確認いただき、ぜひ“回る仕組み”の目線を合わせていただきたい。



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