タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『異業種に学び、社内でアレンジせよ』


 「違う業界の事例ではなく、私達の業界でモデルになる企業や事例を教えて下さい」

 このような言葉を聞くことが、コンサルティング現場でよくある。そのような時には、一応その業界でモデルになる事例を紹介する。ただし、その後には必ず次のように答えている。

 「業界の良い事例を真似することは悪いことではありませんが、それだけでは安定的な業績向上は望めません」

 中には不機嫌になる経営者や幹部もいるが、さらに「簡単に真似の出来ることは、業界内ではどこでも出来ることです。それ故、大きな差別化にはなりません」と付け加える。

 先日もクライアント先のプロジェクト会議で、幹部の一人がその言葉を発したのである。上記の通り、それ自体は珍しいことではないが、その後に他の幹部メンバーの多くが同意したのである。

 早速、今までのプロジェクト会議の進め方を見直した。異業種の成功事例を調査させ、それを社内で実践するためのやり方を徹底的に考えさせた。仮説を立て、社内で検証させていくスタイルに変更したのだ。その後、プロジェクト会議は活発になり、今では当初の予定以上の成果が期待できる内容となっている。

 また、そのメンバーはプロジェクト以外の業務でも異業種の事例をもとに自ら考え、行動する習慣が身についたようだ。社内の改善活動を進めるなど積極的に行動するようになり、業績向上に大きく貢献している。

 小さく限られたエリアだけで商売をするのであれば、業界内の成功事例だけを真似していても業績を上げることは可能である。しかし、ある程度の規模の企業になれば、業界内の成功事例の真似だけでは継続的な成長発展は望めない。

 学ぶべき事例は異業種にある。それを、自社でどのようにアレンジすれば良いのかを常に考えているトップと幹部が揃っている企業が、継続的に成長発展していることは疑う余地もない。



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