タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『自社のOJTは機能しているか?』


 OJT(On-the-Job Training)とは企業内で行われる社員教育の一つであり、多くの企業が導入している。ところがこのOJTが機能しているかというと、残念ながら機能していないのが実情だ。ではなぜうまく機能していないのか?

◆指導する側の時間的余裕ゼロ

 企業は生産性を上げるために採用を抑え、最小人員しか抱えてこなかった。それにより一人当たりの役割や業務量が増え、部下を指導する時間が取れなくなってきている。

◆指導ではなく放任

 部下育成に効果があるということでOJTを導入したものの、運用の仕組みもなければ指導する側への教育も不十分なため、具体的にどのように教えたらいいのか、違う世代にどのように接すればいいのかわからず、指導というより放任してしまっている。

 OJTを成功に導くポイントは、以下の3点である。

○現状把握

 現状のOJTを診断・共有化し、いかに機能していないかを知らしめる。

○指導する側への教育

 一人ひとり長所も違えば短所も違い、教え方は何通りもあるのでそう簡単にはいかない。これを解決するために、OJT担当者の行動分析をおすすめする。

 教え上手な担当者のやり方をプロセス毎に分析し、それぞれ効果の上がる指導方法を導き出すのである。その方法を共有化できれば、全てうまくいくとまではいかなくても、効果を上げることはできるはずだ。

○仕組みの導入

 具体的にはOJTシートやOJT面談などを導入するのである。指導する側と指導される側がしっかりコミュニケーションをとることができればOJTは機能する。

 厳しい経営環境だからこそ、一人ひとりの力を最大限に引き出すことが求められる。公益財団法人日本生産性本部が発表した調査結果によると今年の新入社員に「この会社でずっと働きたいか」を聞いたところ、30.8%が「定年まで働きたい」と回答した。

 安定を求める気持ちもあるのだろうが、就労意識については96.1%が「社会や人から感謝される仕事がしたい」と回答している。新入社員に限らず同じ思いを抱く人も多くいるはずだ。あなたはこの結果をどう見るだろうか。

 貴重な人材力を埋もれさせてはいないだろうか。「埋もれまい」と踏ん張る人に手を差しのべ、人も企業も成長・発展させることは、企業の重要な責務である。



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