タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『顧客に高付加価値を与える営業』


 パソコンやスマートフォンの普及により、顧客(消費者)は情報を手軽に得ることができ、その利便性からネット内で商品を購入する人が増え続けている。楽天がネットスーパー(食品や日用品の宅配サービス)に参入するなど、供給側の競争も激化している。

 また、法人を対象とした企業においてもスピード化が加速し、時間短縮のためにメールでのやり取りで済ませてしまうことが増えていると筆者は感じる。そういった中“営業パーソンが訪問する価値”というものを、今一度考えてみたい。

 自社の概要を説明し、パンフレットやサンプルを広げて「検討して下さい。見積もりだけでも・・・」とお願いする営業パーソンを度々見かける。会社や商品・サービス情報の大部分は、ネットで得られるであろう。わざわざ時間を割いた顧客は、はたして価値を感じるであろうか。

 顧客は“現状以上の付加価値”を求めているのだ。付加価値とは、営業パーソンが提供する“一工夫”にあると筆者は考える。ここで事例を紹介しよう。

<想いを込めた提案書で顧客のハートを掴む>

 Aさんは口数が少なく、見積提出・行動の件数を見ても他の人と比べて少ない。傍からから見ると、営業に向いていないのではないかと思える。しかし、営業成績では常に上位に入っているという。

 「営業=ガツガツしている」と想像しがちだが、Aさんはそのようなタイプではない。誰よりも商品知識があり、マニュアル的・事務的な提案書でなく、その会社のことを想い、お客様が実際に使用している風景を自然にイメージ出来るよう工夫を凝らした提案書を作り、プレゼンを行っている。妥協せずに作り込み、その想いが顧客に伝わりハートを掴む。そのような営業スタイルがAさんの真骨頂だ。

 そこでAさんに聞いてみた。

筆者「なぜ、いつも提案書にそこまでこだわるのですか?」
Aさん「自分が提案する商品で、お客様を驚かせたいのです」

 顧客に商品を売り込みたいのではなく、驚かせたいというのがAさんの本音であった。そういった圧倒的な想いが感動を与え、今日の業績を作っているのだ。

 パンフレットを見せる、見積を出すといった作業的なことに終始していては、顧客の想いには答えられない。圧倒的な愛情表現、つまり“一工夫”をして顧客に高付加価値を与えることが、営業パーソンの使命だ。

 「今日は忙しいからメールしておいて」、「わざわざ来てもらわなくてもいいから」などと言わせないような“一工夫”で顧客の心の扉をトントンと叩き、その扉を大きく開かせていただきたい。



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