タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『新たな柱〜固有技術を掘り下げる〜』


 筆者のクライアントに大手メーカーの下請け企業が数社ある。共通しているのは主力得意先からの受注が減少しており、今こそ新たな柱を構築する必要がある、ということだ。

 筆者は下請け体質の企業に対して「脱A社(=脱・主力得意先)」とは掲げない。「A社に継ぐ柱を創る」とこだわりを持って言い続けている。A社があってこそ自社が存続している。そのお陰もあり、技術やノウハウが磨かれたことも事実である。だからこそA社にも認められる中で、A社に継ぐ柱を構築することが必要なのだ。

 その展開に必要なのは自社の固有技術である。その固有技術に気づいていない企業が多くある。クライアントに「自社の固有技術は何か?」と聞くと、多くの人は「印刷技術です」「生産技術です」「これまでの歴史です」と返答する。

 その技術をもっと掘り下げることが必要であり、「日本に400万社以上ある企業の中で、なぜ他社でなくわが社に受注をしてもらえるのか」「わが社がなくなると顧客は何に困るのか」を明確にすると、固有技術が見えてくる。

 固有技術を明確にできれば、A社以外への展開も可能である。当然だがそのまま他社へ水平展開するのではなく、営業担当者を変える、生産ラインを変える、受注する工程を変えるなど、固有技術を軸としたまま「やり方」を変える必要がある。

 同時に重要なのが、一発逆転を狙ってA社と同等の受注量を他社に期待しないことである。小ロット体制・生産管理体制を構築し、固有技術を軸として新たな得意先・市場へ営業活動を実施すること。待っていても受注は来ない。

 ぜひ固有技術を掘り下げ、生産体制の強化と新規受注活動の推進で“新たな柱”を構築していただきたい。



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