タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『目的を共有し、手段を共に考える』


 「目的は何か」「何のためにやるのか」を考えた上で行動する。これは当たり前のことのように聞こえるが、「できているか?」と問われると筆者も多くの失敗を思い出す。

 先日、あるクライアント先の経営会議にて「部下に指示していたが、資料がまだできていない」といった発言があった。よく内容を聞くと、指示していたことが上手く伝わっておらず、必要な資料が完全に揃っていないとのことであった。

 普段、皆さんは部下に対してどのように指示しているだろうか。「いつまでに○○をやってくれ」という指示の出し方をしているケースが多くはないだろうか。

 もちろん部下としては上司の指示の目的を理解し、どこに着地点があるのかを理解した上で実行することが望ましい。全ての部下が言わずとも理解し、行動してくれるのは理想的ではある。しかし現実にはここでつまずき、期日になって慌てることが少なくないように感じる。

 また「ああしろ」「こうしろ」といった“手段”を中心とした指示命令だけでは、部下はどうしても“やらされ感”が大きくなり、モチベーションの低下にもつながる。

 自ら考えて工夫する余地が仕事を面白くするとも考えられ、目的を共有し、手段を部下に考えさせることがやらされ感をなくし、かつモチベーションを上げることにもつながる。さらには、高いモチベーションが想定以上の成果に結びつくこともあり得る。

 目的を共有するに当たっては、“目的”と“目標”を混同してしまわないように注意していただきたい。例えば顧客開拓件数○○、コストダウン○○%・・・というように、目標とは目指すべき状態であり、そこには「なぜその目標を目指さなければならないか」といった意味が抜けている。この意味(何のために)が目的に当たる部分であり、それが抜けていては元も子もない。

 目的と手段はセットであるが、特に目的をきちんと理解して成果イメージを描けているかが、結果に大きく影響する。指示を出す場合には目的を共有し、手段を共に考える姿勢を心がけたいものである。



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