タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『組織から曖昧を排除しよう』


 儲からない会社には、必ず体質的な問題点がある。以下にコンサルティングの現場でよくあるケースを取り上げたので、自社でそうした特徴が見受けられないかチェックしてみていただきたい。

□社員の発言が抽象的である
 報告の際に「たぶん○○と思います」「だいたい△△です」といった言葉が使われ、受け手が黙認している

□決めたことが長続きしない
 推進役となるリーダーが不在、または当事者意識に欠けており、実行徹底のチェックが不足している

□会議が多い、もしくは時間が長い
 日常の報連相やコミュニケーション不足を会議で補完しており、決定事項や議事録がないことも多い

 一見、業績とは無関係のようだが、これらが判断の遅れや行動のムダにつながっており、結果として収益力低下に影響している。ケジメと締まりのない社風が、赤字の種になると認識すべきだ。このような組織をどう変えていくかが、収益体質改善の第一歩になる。

 まずは組織にはびこる「曖昧」を排除すること。ポイントは以下の3点である。

1. 根拠は数字で示す・・・日頃から数字で表現する習慣をつける。客観性や説得力が高まり、スピーディで正しい判断につながる

2. 行動に期限を切る・・・決定事項や指示は、いつまでに実行するのかを明確にする。さらに上司のチェックにより期限を守らせる

3. 結論から話す・・・これは報告の基本でもある。仕事は結果がすべて。最初に結論を言い、次にその原因そして対策を述べる

 日本には「以心伝心」や「あうんの呼吸」といった表現があるように、曖昧は伝統文化であり、相手の真意を読み取るコミュニケーション能力にもつながる。しかし、現代企業にはあまり好ましい慣習ではない。曖昧を排除することで、組織の実行力は確実に上がる。

 ただし、これはあくまでもビジネスの場に限る。家庭やプライベートでは多少の曖昧も潤滑油であり、やり過ぎは人間関係を悪化させる恐れがあるのでご注意いただきたい。



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