タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『情報発信・受信の理想形』


 教育・コンサルティングに従事にしていると、「コミュニケーション」は心底難しいと感じる。「コミュニケーション」とは、双方の理解が伴って初めて成立するものである。

 しかしながら、相手が理解できるように物事を伝える達意能力(情報発信側に求められる能力)、また、相手の伝えたい意図を読み取る理解能力(情報受信側に求められる能力)、相互の能力ギャップにより、往々にして行き違いが生じる。社内において「言った」「言わない」のトラブルが起きるのも、この2つの能力ギャップに起因する。

 だからこそ、筆者は研修であれコンサルティングであれ、出来る限り“図とグラフ”を使うように努めている。その理由は以下のとおりである。

<情報発信側の3つの利点>

1.受信者へ理解を促すための長時間の説明や分厚い資料が不要になる
2.収集した情報・事実を整理・分析する力が高まり、視点が増える
3.整理・分析した情報を要約して伝える力(達意力)が高まる

<情報受信側への3つの利点>

1.長い文章や数字が羅列された表より解り易く、読解する必要がない
2.受信側のレベルに関係なく、短時間で伝えたい内容の理解を促せる
3.会社・職場における情報・事実分析への新たな視点を提供できる

 したがって、必然的に購入する書籍も図やグラフが多いものになり、読み入る箇所も文章ではなく、図やグラフである。上場企業のIR用資料などは、「分析の切り口」「情報の伝え方の新たな視点」を収集する材料として、大いに参考にさせていただいている。

 「説明不要で見れば解る」、この状態こそ情報をキャッチボールする発信側・受信側の理想形なのではないかと感じる。熱心に伝えても伝わらない一方通行の聴覚系コミュニケーションより、視角系コミュニケーションのツールである図やグラフの方が、意思疎通の手段としては有効ではないだろうか? 当然、図・グラフを作成するにも経験やセンスが必要になるが、それは作成した分だけ磨かれる。

 さて、皆様の会社・職場・業務の中には、どのくらい図やグラフがあるだろうか? 「言った、言わない」「全然解っていない、浸透しない」「話が長い、資料が多い」と悩むより、一枚の「図」や「グラフ」を作成することをおすすめする。



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