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『不易(企業理念)を守ることへのこだわり』 “約束を守る”ことは当たり前ではあるが、この当たり前のことがなかなか出来ないものである。 それは、約束をした相手と約束をした人の姿勢によって大きく異なる。 一番易しい約束は、日本の国(法律)との約束を守ることであろう。次に企業同士の約束であり、その次は会社との約束、上司との約束、同僚との約束、友人との約束、家族との約束、子供との約束、配偶者との約束。最後に、最も難しいのが自分との約束である。 自分に遠いほど、約束を守れなかった時の周囲への影響力は大きくなる。例えば、国との約束を守れなかった人は法律違反となり警察に拘束される。自分で律することが出来ない人は、他人に拘束されて周囲に迷惑が及ばないようにするためだ。 企業で言えば銀行管理会社であり、自分で管理できないから銀行に管理されている。 最近の国際的例で言えば、ギリシャがEUからの約束を守れず、EUが管理下におくことを進言し「自国の債務は自国で管理すべき」と反論したそうである。しかし、それが信用できないから「管理してあげます」ということなのだが、このような考えでいる以上、ギリシャは良くならないと断言できる。 国の破綻も企業の破綻も、全く同じであることが手に取るように理解できる。要は国自身が、企業自身が、自分自身が、どれほど「約束を守れるか」ということに尽きる。 われわれが生きているこの地球は、共同社会である。その共同社会で末永く存続していくには、自己を主張しながらも周囲との調和を大切にし、社会(皆)が幸せになることを優先した姿勢と行動に徹することであろう。そのキーワードが“約束を守る”である。 約束を守ることにこだわり、妥協しないところにわれわれの成長の芽が生まれる。自分で決めたことを守ろうとするならば、最終的には自分の哲学や理念、生き様にこだわることである。企業で言えば、企業理念にこだわることである。 “不易と流行”という言葉があるが、不易(変えてはならないこと)は企業理念であり、流行は経済環境に適応させるべき事業であり、マネジメントであり、手段・方法である。 不易にこだわり、環境変化に適応することでエネルギーが生まれ、企業も人も育つのである。
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