コンサルタンツ・EYE
『数字で考え数字で行動させる』 業績が低迷しているA社では、戦略の見直しと同時に営業力強化を方針に掲げ、受注力強化に取り組んでいる。営業パーソンの行動量アップを方針に取り入れたり、新規開拓を推進したりしたが、既存顧客中心の営業から脱却するには至らなかった。 そこでA社の営業課題を「量的」と「質的」の2つに分け、営業会議で検討することにした。 量的課題として総訪問回数・件数、見込み情報数、成約数、新規開拓発生件数が挙げられたことから、営業活動効率をチェックした。 優秀な営業パーソンは自分の行動を数字化しており、アポイント率(アポ実績/アポ取り活動)は20%、ヒット率(ネタ発生件数/訪問件数)は30%、成約率(成約件数/ネタ発生件数)は30%であった。これらを参考に各自、自分の実績に合わせた数字から1件成約するには1日何件訪問しなければならないか、1件訪問するには何件のアポ取り活動が必要かを逆算した。 週末にはミーティングを行い、次週のアポイント件数を確認し、少なければその場でアポイントを取らせるようにしていった。アポイントを取り、訪問するリズムを作ることで量的な課題はクリアできた。 質的課題としては有効訪問率や滞在時間効率、営業稼働率、新規開拓率が挙げられた。そこでなぜ効率が良いのか、なぜ効率が悪いのか、商談やアプローチのやり方を確認した。 受注を上げている営業パーソンは見込み情報のランクをしっかりと見極め、それに基づく営業活動を実践していることがわかった。さらにそれらの件数や金額、目標差額をしっかりと把握しており、受注ストーリーや差額を埋める対策を顧客別に描けている。 つまり、受注の先行管理を実践しているのである。 今まで、対目マイナス差額をどのようにカバーしていくかといった結果管理をしていた。しかしそれを止め、目標から見込みがマイナスにならないためにどう行動するかといった先行のやり方に改めた。 営業パーソンが先を見て行動し、お互いの情報を共有化するようになると必然的に全社意識は高まり、業績が回復傾向になってきた。幹部は、結果が悪いからとハッパをかけるだけではなく、数字の中身(プロセス)を押さえ、数字で考え数字で行動させることが大切なのである。
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