タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『5S力を磨いて“できる”社員になろう』


 5S活動とは、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の頭文字をとった業務改善活動で、仕事の進め方の基本を示したものだ。その直接的な効果は職場環境の美化、従業員のモラール向上などが挙げられるが、その本質的な目的は「仕事の成果を高めること」と筆者は考える。

 しかし5S活動の現場では、まだ単なる「清掃活動」「モラールアップ」としか認識されていないところも多い。5Sの中でもとくに整理・整頓・清掃の3Sが重要であるが、仕事の“できる”社員は、この3Sが自然と身についているものである。“できる社員”の特徴と3Sを照らし合わせて考えてみよう。

1.整理

 整理とは、モノや仕事を「要るもの」と「要らないもの」に分けて、「要らないもの」を捨てることである。5Sの現場では、「捨てる日」を設けて一斉処分することも多い。そもそもモノや仕事を「捨てる」際には、それ自体が重要であるどうかの判断が必要だ。

 仕事のできる要件の一つに「価値判断力」がある。“できる”社員は日々の業務の中で的確な状況判断をして、不要な仕事やモノは常に処分している。

2.整頓

 整頓とは、「整理」して残った重要なモノや仕事をあるべき場所に格納しておくことである。これにより、いつでも誰でも必要なモノが必要な時に取り出せるようになる。その効果は仕事の着手スピードに表われる。着手スピードとは、仕事を始めるときに必要なモノを揃えて、段取りする力にかかっている。

 “できる”社員は頭の中も整頓されている。必要な書類、人、ノウハウを瞬時に段取りできるので「業務処理スピード」が早い。

3.清掃

 清掃とは文字通り、常に掃除をして職場をきれいに保っておくことである。きれいな職場はそれだけで気持ち良いが、清掃の目的はそれに留まらない。その効果は「異常の発見を早める」というところにある。

 普段、何も置かれていないデスクの上にメモが置かれていれば、見た人はすぐに気づく。乱雑なデスクでは見落としてしまうかもしれない。異常の発見が早いと問題の解決も早い。“できる”社員の3つ目の条件は、「問題解決力」である。

 たかが5Sと侮るなかれ。その本質を究め、“できる”社員になって仕事の成果を高めよう。



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