タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『リーダーとしての責任』


 業績の悪い会社に訪問すると「私は目標達成しているが、あの人がやっていない」、「私は目標達成しているのですが、部下がやらないのです」、「○○さんが仕事をしない」などという声をよく耳にする。

 自分のことしか見えていない状況であり、責任を他人に転嫁したり指摘はするが、そのような人に限って自分は行動しないといったケースが多い。

 多くの場合、何を重点にすべきなのかが不明確で、目的を達成するためのチーム・個人の役割と責任が曖昧になっている。

 この場合、現状を打破するために「何を(What)」するのかを決めることが必要である。

 「何を」(戦略・方針)が間違えば、誰が(Who)、いつ(When)、どのように(HOW to)をいくら正しく実行しても、良い成果は出ない。

 次に全体の業績(目的)を達成するため、チーム・個人の役割と責任を明確にし、行動することが必要である。そして、各個人が「何を」(戦略・方針)すべきかをどのように受け取ったのかを確認し、考え方を理解させなければならない。

 考えを変え、行動を変え、成果を変えるステップをスムーズに踏んでいきたいところだが、各個人の考えが変わるには時間がかかる。残念ながら考え方(思考)は強制できないが、行動であれば強制できる。まず行動させ、小さい成果を上げながら考え方を腹に落とし込んでいく。走りながら考える体質にしていくのである。

 そして、今期・今月・今週・今日と最大限の成果を出すために最も大事なことは何か、個人成果の把握と反省を踏まえ、行動の重点を決めて実行するといった“成長するリズム”をつくらせるのである。

 そのためにリーダーに必要なのは、仕組みの構築と人材育成である。多くのリーダーはプレイングマネジャーであり、部下が多ければ多いほど一人当たりに割ける時間が短くなる。毎日、一人ひとりにアドバイスをするのは難しい。

 週・月・四半期におけるマネジメントサイクルを明確にし、誰が実行してもブレないような仕組みを構築した上で、自分の代わりに行動の実行状況をチェック・アドバイスできる人材を育てることが必要となる。

 “実行なくして成果なし”である。企業が進化し続けるためには、結果を管理するよりも行動を管理すべきである。リーダーは率先垂範し、組織の運動能力を高めていただきたい。



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