タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『幹部に求められる“演出力”』


 「演出力」というと、受注をとるためライバルと競い合う各種コンペ、あるいは企画の社内承認を得るための役員陣に対するプレゼンテーションといったイメージを持つ方が多いと思う。

 もちろん上記のような場面での演出力は幹部の必須能力である。しかし最も必要な演出力といえば、自部門の方針を部下に伝え、その方針をやりきらせるという演出こそが幹部に求められる能力である。今回はこの方針を伝え、やりきらせる演出力の3つの着眼について述べる。


1.わかりやすく自分の言葉で伝える

 ある会社で、社長が策定した経営方針書をそのまま読んで伝え、「今期も頑張ろう」とはっぱを掛けておられた幹部がいた。後でその部下にヒアリングしたところ、大まかな意味は理解していたものの、具体的に何をしなければならないのかということがわかっていなかった。これでは意味がない。

 しっかりと部下の目線で考え、実践できるレベルまで伝えなければ、部下の行動を導くことはできない。また、単なる方針書の棒読みだけで自分の言葉が入らないとなると、決して想いは伝わらない。想いが伝わってはじめて人は頑張ろうと意識するものである。その幹部には翌日、自分の言葉でもう一度しっかりと部下に方針を説明してもらった。


2.自ら率先して動く

 部下は幹部の言動に注視している。どんなにカッコいいことを言ったとしても、幹部自身が動かなければ「口だけか・・・」と思い、部下のやる気は半減してしまう。幹部はこのことを肝に銘じ、誰よりも早く動かなければならないのである。


3.ヒーローを作り伝播させていく

 例えば、高校野球などでヒーローが誕生したとする。そしてそのヒーローが起爆剤になり、トントン拍子に優勝してしまうという光景を見たことはないだろうか。これと同じである。通期あるいは半期でヒーローを作り、そのヒーローをキーパーソンとして、方針徹底に向けたムードづくりをしていく演出が必要である。

 上記3つの着眼を最大限活用し、あなたの会社の方針徹底を図っていただきたい。



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