コンサルタンツ・EYE
『“未来検討会”のススメ』 われわれが生きている現環境は、まさに時代の転換期だ。地球レベルではエネルギー革命が問題視されている。化石燃料の枯渇対策に加えCO2削減に本気で取り組まなければ、人類はおろか生物全体の存続に係わりかねない。 世界レベルでは米国ドルの下落、欧州のソブリンリスク、新興国の台頭など、米国一極集中型から世界役割分担型経済へ移行している。日本は少子高齢化・人口減少などの構造的問題に加え、東日本大震災以後、政治も経済も大きく変わりつつある。 このような時代に、過去の延長で物事を考えるやり方は役に立たない。予算づくり、方針づくり然りである。では、会社の道筋を描く中期経営計画は必要ないのだろうか。答えはNOである。企業は、顔も年齢も性格も育った環境も違う他人の集まりである。その他人集団である企業が一つの方向に向かうには、地図となる中期経営計画が必要である。 筆者は10年先を予測・検討することをお勧めしている。このような転換期に10年先は誰も見えない。しかし見えるものもある。例えば人口だ。人口はすでに始まっている未来と言われる。 消費の主役を務めてきた団塊の世代は現在63〜65歳であり、あと10年経つと73〜75歳になる。60代と70代では生活の仕方が大きく変わるだろう。 衣食住の嗜好も変わるし、買い方も変わる。介護市場も否応なく拡大するであろう。要は消費の主役の属性が変わるのだ。ここにビジネスチャンスがある。 筆者は、10年先のわが社を取り巻く環境を検討する「未来検討会」をクライアント先に勧めている。10年先の近未来を予測し、顧客の不満や不安、不信、不合理など「不」を探し出すのだ。そしてその「不」をビジネスモデル化する方法を検討し、中期経営計画に盛り込む。「過去」の延長ではなく、「未来」を創るための計画だ。 先を見る目を養い、「未来」を創るための夢を描いていこうではないか。
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