タナベマネジメントレター


コンサルタンツ・EYE
『中期的な組織・人材計画を作成しているか?』


 中期経営計画は、“企業のバックボーン”となる経営システムの幹になるものである。3〜5年後のわが社のあるべき姿をデザインし、そこへ向かって今後、経営資源をどのように配分していくかということがポイントである。

 事業別の戦略に基づく売上・利益のシミュレーション、また投資計画、経費の増減シミュレーション、そしてそれらをB/S(バランスシート)・P/L(損益計算書)・C/F(キャッシュフロー計算書)に組み上げていく。それらの検討は、経営トップと幹部陣が一体となって組み上げることがベストであろう。

 しかし戦略の詳細や数値計画を組み上げ、中期の数値計画を詳細に作成している企業でも意外に出来ていないのが、中期の組織・人材計画である。100億ビジョンや100店舗出店計画など、戦略の骨子は出来ているのだが、計画として不十分なことが多いのは組織・人材計画である。

 例えば、現在10店舗の外食店が5年後100店舗になるためには、今後5年間で最低でも90人の店長を育てなければならないということである。また、その時の全社組織図がどのようなものになっているか? ということも重要である。

 10店舗規模の時には必要なかった、地域のエリアマネジャーやブロックの統轄機能、またマーケティング部門や品質管理部門が必要になるかもしれない。そこにはすべてリーダーとなる管理職人材と、それぞれのスタッフが必要になる。

 そしてそれらを全体でとらえた時、戦略に合った最も効率的で機能的な組織の形はどのようなものなのか? 必要人員数は把握していても、戦略的な組織として組織図に落し込まれていないケースが多い。

 また最大の課題は、その組織を実現するための人材をどのように育成していくのか? ということが考えられていないケースが非常に多いことである。先の例で挙げたように5年間で90人の店長をつくるには、どのように採用し、どのような教育をして、どのような評価システムで評価し昇進させていくか? ということを計画しなければならない。

 中期ビジョン実現のためには、組織・人材計画(戦略)を具体的に落し込むことが必要なのである。



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