社会福祉法人の会計・経理Q&A


Q25
 ペイオフ解禁に伴い、額面1億円(@100.30)、経過利息63千円の国債を購入しました。この会計処理について、とくにプレミア部分の仕訳はどうなりますか。また、この場合予算措置は必要ですか。



A25

 ここでは、有価証券の取得を長期保有目的で行ったものとして、プレミア部分の仕訳を示すと次のとおりです。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
固定資産 <B/S> 流動資産 <B/S>
その他の固定資産 300 現金預金 300
投資有価証券 預金

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
<その他の活動による支出> <C/F>   <C/F>
投資有価証券取得支出 300 支払資金 300
投資有価証券取得支出  


 この資金収支計算書の「投資有価証券取得支出」の計上を行うにあたり、予算措置が必要です。

 国債は、満期償還されれば、国によって保証された元本が返還されることになっていますので、このプレミア部分については、償還までに償却を行う必要があります。ここでは5年償却を行うものとして期末時の処理は次のようになります。


(総勘定元帳系列の仕訳−損益計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
<サービス活動外増減による収益> <P/L> 固定資産 <B/S>
受取利息配当金収益 60 その他の固定資産 60
受取利息配当金収益 投資有価証券

(資金収支元帳系列の仕訳−資金計算)
借方科目 金額 貸方科目 金額
  <C/F>   <C/F>
仕訳なし   仕訳なし  
   


 このプレミア部分の300千円は、利息の前払いと考えられるため、「受取利息配当金収入」で会計処理を行います。一見すると、奇妙な仕訳に思われますが、プレミア発行の場合には、その分半年毎に受け取る利息の利率が高く設定されています。
 国債を購入する場合には、利息の表面利率からプレミア部分を加味(控除)した実質利率を検討して、購入の判断を行う必要があります。