1. 社会保険改正の概要(短時間労働者に対する適用拡大)
平成28年10月1日から、特定適用事業所に勤務する短時間労働者は、新たに厚生年金保険等の適用対象となります。
■特定適用事業所の要件
同一事業主の適用事業所の厚生年金の被保険者数の合計が、1年で6カ月以上、500人を超えることが見込まれる場合は、特定適用事業所として短時間労働者の適用拡大の対象となります。
■短時間労働者の要件
勤務時間・勤務日数が常時雇用者の4分の3未満で、以下の①~④の全てに該当する方が適用の対象となります。
①週の所定労働時間が20時間以上であること
②雇用期間が1年以上見込まれること
③賃金の月額が8.8万円以上であること
④学生でないこと
※法施行日後の4分の3基準や上記の①~④を満たしていない場合であっても、法施行日前から被保険者である方については、法施行日以降も引き続き同じ事業所に雇用されている間は、被保険者となります。
短時間労働者の算定基礎届・月額変更届等における支払基礎日数は、各月11日以上の勤務日数があるかどうかで判断します。 |
■厚生年金保険:標準報酬月額の下限に等級追加
平成28年10月1日より、厚生年金の現在の標準報酬月額の等級表に新たな等級(第1等級:88,000円)が追加されます。
改正前 | 改正後 |
等級 | 標準報酬月額 | 報酬月額 | 等級 | 標準報酬月額 | 報酬月額 |
| 1 | 88,000円 | | ~ | 93,000円未満 |
1 | 98,000円 | | ~ | 101,000円未満 | 2 | 98,000円 | 93,000円以上 | ~ | 101,000円未満 |
2 | 104,000円 | 101,000円以上 | ~ | 107,000円未満 | 3 | 104,000円 | 101,000円以上 | ~ | 107,000円未満 |
3 | 110,000円 | 107,000円以上 | ~ | 114,000円未満 | 4 | 110,000円 | 107,000円以上 | ~ | 114,000円未満 |
・・・ | ・・・ |
30 | 620,000円 | 605,000円以上 | ~ | | 31 | 620,000円 | 605,000円以上 | ~ | |
※短時間労働者の適用拡大の詳しい内容等については、日本年金機構のホームページをご覧ください。
日本年金機構:http://www.nenkin.go.jp/
2. 社会保険改正によるシステム対応
給与の処理月「11月」(社会保険の徴収が「当月分(特別)」または支払日の特別処理が「翌月日付(特別)」の場合は処理月「10月」)以降、会社選択時に厚生年金保険の等級追加メッセージを表示し、当該従業員の厚生年金保険料等を更新、および、システム内部の厚生年金保険の料額表を新料額表に切り替えるよう対応します。 (平成28年分データのみ)
・システムでは、短時間労働者の自動判定は行いません。手動で判定していただき、従業員情報の「健康保険区分:あり/なし」 「厚生年金保険区分:あり/なし」を見直す必要があります。
・末締末払、社会保険の徴収:前月分(通常) で10月末日に退職した場合、保険料は9月分・10月分の2カ月分を徴収する必要がありますが、システムでは新旧料額表により自動計算することができません。このような場合は、上書きで保険料を修正してください。
・月額変更届における短時間労働者の支払基礎日数(各月11日以上の勤務日数)の判定は、2016年11月以降にリリースするバージョンで対応する予定です。 |
3.その他のシステムの対応内容
厚生年金保険料、雇用年金保険料について、標準データの初期設定を最新の料率に変更します。 |