相続手続き事例
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自筆遺言による相続の停止
(2012/01/30)

 亡くなったAさんには配偶者と長男、長女の子供が2人います。

 配偶者のBさんは施設に入所していて車椅子で生活しています。長く、長女のCさんがBさんの生活面の支援をしていますが、長男のDさんは殆ど顔を見せることもなかったようです。

 Aさんが亡くなった後で自筆遺言が見つかりました。なんと4通もです。

 Aさんの遺産は預金と不動産です。遺言の内容は4通を組み合わせると長女のCさんに総てを相続させるというものです。しかし不動産の中には長男のDさんとの共有の土地も含まれており、遺留分の減殺請求を心配した内容の遺言も含まれていました。

 しかし、最後の1通にはCさんも困惑するような1行が記されていました。

 すべてこの相続は配偶者のBさんが亡くなってからとする。遺言で相続を止められるのも困ったものですが、Aさんの遺言には配偶者のBさんと長女のCさんへの思いと、長男のDさんへの恨みが込められたものでした。

 今回の手続は検認だけで終わってしまいましたが、両親の近くに住んでいなくても育ててくれた親の恩を忘れてはいけないという教訓のような遺言でした。




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