相続手続き事例
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付言事項があったからこそ
(2011/10/31)

 長期入院をしているBさんから、「長男は、家を出て行ったきり親の面倒を見ることもなく、連絡すらろくにせず、金銭に困ったときだけ頼ってくる。遺言をつくりたいのだが、どうすればいいか」という相談を受けました。

 このような場合、Bさんが請求すれば、「推定相続人の廃除」という方法で、家庭裁判所が審判によって、その推定相続人の相続権を失わせるという方法がありますが、Bさんはそれをしても、あと後兄弟がもめることになるのは、絶対に避けたいという強い思いをお持ちでした。

 そこで、公証人に出張をしてもらって、「公正証書遺言」を作成することになりました。

 内容は、「次男にすべて」というものでしたが、Bさんの一番の強い願いである「兄弟は助け合って、いつまでも仲良く暮らしてほしい」という付言事項をつけました。

 その後、ほどなくしてBさんは亡くなりました。

 葬儀に出席した長男が、「今回の相続できっちり財産を半分はもらうから」と言いましたが、次男がBさんの作った公正証書遺言を見せました。

 すると、長男はしばらく遺言書を眺めた後、「わかった。それなら仕方ない。それが父の思いならそのとおり相続していい」と言って帰っていきました。

 その後、兄弟が争うことなく、Bさんの遺言どおりに相続が行われました。

 法律的な事だけでなく、付言事項を書くことにより、「兄弟仲よく過ごしてほしい」という、Bさんの願いが、長男にも充分につたわったのだと思います。




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