決算報告書入門
 決算書は経営情報の宝庫だ!! 前へメニューへ次へ

決算書は経営情報の宝庫だ!!

●決算書は税務署のために作成するのではない!

 経理担当者にとって決算は1年に1度の大変な作業です。そのため、決算書ができるとそこで全ての仕事が終わったかのように錯覚する人がいます。利益が出て儲かったか儲かっていないかの一点で一喜一憂し、税金の支払額に驚き、慌てて資金繰りを心配するという話をよく聞きます。もちろん決算書をつくる目的のひとつに、利益の把握と税金計算があるのは事実です。ただ残念なのは、経理担当者の多くが決算書を単に利益の把握と税金計算のためだけと考え、そこで仕事を終わらせてしまっていることです。決算が終わって、利益や税金の支払額に一喜一憂することは、ちょうど自分の健康診断が終わった後に一喜一憂するのと同じです。健康診断は、体重や身長を測ることが目的ではありません。病気の兆候を検査し、尿や血液を採取し、体に異常がないかを調べることが目的です。

 決算書でも同じことが言えます。決算書は会社の損益を計算し、税金の支払額を計算することが目的ではありません。決算書は、経営上の問題点を知る宝庫なのです。

 会社の経営状態を検査し、経営状態に異常がないかどうかを探るのが本当の目的です。異常が見つかれば原因を探り、経営危機の兆候があれば早めに手当てをする。それが、決算書の本来の役割なのです。

 では、経営の問題点というのは、決算書のどんなところに現われるのでしょうか。それを知るには、決算書を見るべきポイントを押さえておくことがとても重要です。


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