小さな会社の簡単経理
 お金の借り方には順番がある! 前へメニューへ次へ

お金の借り方には順番がある!

【ポイント】
(1)自己資金300万円〜1,000万円固定資産部分は用意しよう
(2)お金の借り方には順番がある
(3)絶対してはいけない街金と親族・友人からの借入

 会社を設立するときは、最低300万円〜1,000万円程度の自己資金を用意しましょう。それでも、設備投資や売上の増加に伴う売掛金の増加等で資金が枯渇します。その場合どうしても金融機関からお金を調達する必要があります。資金調達には借りる順番と絶対に借りてはいけない借入先があります。

 資金調達の順番として第1位は、日本政策金融公庫です。無担保融資は最高2,000万円程度で、金利は2%前後です。第三者連帯保証人が出せない場合金利が上乗せになります。国家の機関で、様々な融資制度があり、まず最初に相談すべき機関です。

 第2位は、都道府県の保証協会付き融資の中で、市町村の利子補給制度の活用です。これは保証協会融資に市町村、区などが小企業のために利子補給をしようとする制度で、1,000万円程度しか融資を受けられませんが、一番安い金利ですのでぜひご活用されてはいかがでしょうか。しかし、財政悪化で停止中の区市町村も増加しています。

 第3位は、都道府県の保証協会付き融資です。銀行に借入依頼をすれば、銀行が保全のために都道府県の保証協会付きの融資をするもので、保証料は平成18年4月から会社の財務内容で変動します。これとは別に銀行の金利が上乗せとなります。最高8,000万円程度無担保枠が企業の規模、状態によって資金借入可能です。

 第4位は、各銀行の無担保ローンです。銀行によって様々な商品名があり、企業の決算状況によって、金利・返済期間・貸出金額等が違ってきます。

 第5位は、過去の主流であった担保付融資です。主に定期預金・不動産担保ですが、この融資を受ける銀行は、保証協会付き融資や無担保ローンを利用していない銀行の利用をお勧めします。担保評価も銀行の一方的なもので、担保は最後の資金調達手段として活用したいものです。

 最後に絶対借りてはいけないのは、商工ローンと呼ばれる高金利のお金です。これらの融資を受けている会社には、公庫や保証協会、銀行は一切融資しなくなります。それらの融資に手を出す前に税理士・弁護士に相談され、会社整理・廃業も考えてください。冷静に考えれば、10%〜20%以上の金利を支払って成立するビジネスなどありはしないからです。

 また、親族・友人からの借入も避けるべきです。会社が倒産・整理・廃業しても商売上の不義理、迷惑はお互い覚悟の上でしょうが、人としての信頼を担保にしたお金で迷惑をかけたら償いようがないのです。


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