経営支援徒然帖

赤字会社や店舗には共通点がある!!

(16/06/10)

 企業活動と会社の経営数値との密接な関係を理解できる能力を経営監理能力と言います。
 過去にとある経営会議に参加して、赤字店舗に一定の共通項があるのがわかりました。
 赤字店舗の経営数値を見ていくと以下のような共通項がみられます。

【1】赤字店舗の方が原価率が高い。
【2】一定の売上規模がないと赤字になる。
【3】売上÷(社員・バイトの月間労働時間)=1人あたり時間売上が一定金額以下だと赤字になる。
 【1】の赤字店舗の方が原価率は高い点ですが、売上が小さな店舗の方が、一定の品ぞろいのために起こる廃棄ロスや賄い原価の占める割合が高いこともあり、どうしても原価率が高くなります。
 原価率の高い原因の3大項目は、1に商品の横流し、横領、2に廃棄ロス、仕入ミス、3に賄い消費だと考えられます。対策として考えられるのは、1に内部牽制組織づくりです。2.毎日の実地在庫棚卸による日次原価率の算出です。
 【2】の一定の売上規模がないと赤字になる理由は簡単です。 
1店舗には、絶対的固定費というものがあります。代表的なものは、家賃と水道光熱費等の基本料金と1人分の人件費です。原価は売上と比例させることはできます。
しかし、家賃は売上と全く連動しません。毎月20万円の家賃と最低人件費、給与+通勤費+法定福利費 40万円 その他固定経費 50万円の店舗であれば、売上0円でも110万円は絶対に必要です。
 原価率30%ととして、売上は最低でも160万円は必要です。
160万円−原価48万円−固定経費110万円= 2万円。原価率や人件費の削減といっても最低売上がなければ、リストラのやりようがありません。
 【3】の1人あたりの時間売上ですが、人件費水準にもよりますが、時間売上が最低400円〜4500円はなければ黒字経営は難しいのではないでしょうか。
時間4000円の店舗を想定してください。人員3人として、4000円×3人×160時間(最低営業時間)192万円の売り上げとなります。
 月間売上でモデル事業計画を考えてみましょう。売上192万円−原価3割57万円−人件費最低1人20万円として60万円−固定経費2割として38万円−家賃は売上の1割として20万円=17万円 というシュミレーションができます。
 事業はこんな簡単なことはないでしょうが、経営数値で考えていくことは重要です。 商売や新規出店をされる場合は、原価率、地代家賃、最低人件費を勘案しながら、見込める売上を希望値の8割程度で考えていく慎重な判断が求められます。
 絶対・最低売上を割り込めば、ビジネスモデルは成立しません。事業から撤退を決断する勇気が必要です。めに第一義に働いているのです。光秀は疲れたのです。