経営支援徒然帖

成功を持続する企業の3大条件
(15/08/10)

 企業を成功させるノウハウは多々言われています。

 しかし、成功を持続させるノウハウはあまり言われていません。今回成功を持続する条件を3つに絞って提言しましょう。唐の太祖の言葉ではないが、創業は難しい…しかし、守成もまた困難です。

 職業がら多くの経営者にお会いする機会が多くあります。優れた経営者は決して多くはないですが、成功された経営者の多くは以下の3大条件をみごとにクリアされています。

1.まず"成金人間"にならないこと

 成功して、これまで持っていなかった金を使えるようになると人が変わるタイプが多くいます。傲慢になり、いつの間にか自分が辿った試練や苦労も忘れ、他人を蹴落とすことが平気になる単純なタイプです。金の力でついてくる人は、本当の支援者ではありません。金の切れ目が縁の切れ目となるものです。 また、得意先と仕入先とで大きく態度が変わったり、退職者の悪口を言い続ける経営者がいます。このような会社は早晩破綻してしまいます。人間の関係は日々変化しているのです。仕入先が得意先となったり、いつ世話になるかも分かりません。また、退職者の悪口を聞かされる残った社員は、そんな経営者を尊敬したり、ついてくるでしょうか?そんな程度の想像力さえ持てない会社など、いずれメッキが禿げるのです。

2. 自尊心が強く、うぬぼれ、自信家になりすぎて、"ワンマンから独裁者になるタイプ"にならない

 企業の規模が大きくなっても裸の王様です。「自分がいなかったらどうしようもない」「できの悪い社員ばかりで困る」と対外的にいう経営者がいますが、企業の継続性がその経営者の自然的年齢に負っている企業は果たして企業といえるのでしょうか。企業化とは、まず"創業者や現経営者に何があってもびくともしない会社を創ること"ではないでしょうか。『企業が継続するにふさわしい後継者の育成。』これが社長のもうひとつの大きな仕事なのです。この仕事はギャンブルではありません。常日ごろからの配慮の中にこそある真実なのです。

3.事業で得た資金や利益はその事業へ還元することが大切である

 バブルの崩壊で多くの企業が倒産しましたが、資産価値が減少した途端に日本経済がガタガタになったように見えます。しかし、バブル期も本業を磨き、更に専門化し、会社の借入金を最小にして自己資本の充実を図った企業も数多くあるのです。事業本来の精神を忘れ、金融利殖で儲けるといった不純な意思こそ企業を倒産に追いやった原因そのものではないでしょうか。それは経営に対するビジョン・信念・情報の欠如であったと言えます。

 創業時の初心を忘れず、しっかりと大地を踏みしめて経営の舵取りをしていただきたい。