経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第214号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『資金繰りの7原則』
 経営・税務・・・ 『中小企業・創業者の資金繰りを支援する「信用保証協会」とは』
 経理・財務・・・ 『経営者・経理担当者のための平成28年度税制改正』
『ふるさと納税の最有効限度額の算出』
『マイナンバー勤務先に副業は知られるか』





 今月の特集

資金繰りの7原則
 中小企業の経営者は損益計算と資金繰りの区別がよくできていないケースが多く、利益が出ているのにお金は何処に消えたという疑問をもたれる方も多いかと思います。「勘定合って銭足らず」となってしまってからでは手遅れです。利益が出ていて、仕事がたくさんあっても、金融機関が資金を融資してくれなくなれば黒字倒産ということもあり得ます。
 以下の内容は、その資金繰りのためのポイントですので、経営者や経理担当者はしっかりと把握致しましょう。
1.資金繰りの7原則
  1. 売掛金や未収金といった掛け売りを減らすこと。商売の基本は現金取引
  2. 材料、製品、商品、仕掛品、未成工事支出金等といった在庫はできるだけもたない
  3. 買掛金や未払金といった仕入債務の支払条件を1日でも延すこと
  4. 仕事の前に手付金、前金をできるだけもらうこと
  5. うまい話に絶対のらない。本当の儲け話は他人には話さない
  6. ムダな税金を支払わないこと。お金の出ない節税対策を徹底すること
  7. あれば使う経営者は破産・倒産間違いなし。ケチと言われて一人前
2.設備投資の資金判断3つの原則
  1. 営業収支の範囲で投資する
    減価償却費と税引き後利益のうち、社外流出である配当金・役員賞与を除いた利益留保金の範囲内で設備投資を行うことが原則。
  2. 増資の範囲で投資する
    増資とは,資本金を増加することだが、この資金は実際の資金が集まる有償増資であれば、企業の現預金の増加をもたらします。しかもその資金は返す必要のない資金ですので、投資に向けても安全です。
  3. 固定負債の範囲で投資する
    増資とは、資本金を固定資産は固定負債と自己資本(資本の部)で賄うのが原則です。これを短期の資金で賄うようなことがあれば「自転車操業」のようになり、資金の工面が難しくなっていきます。
    特に土地購入は要注意です。土地は減価償却しないので、費用化できず、土地の返済資金は税金を支払った残りのお金で返済することになります。1億円の土地が実際は1億円+税金分の合計、約1億4千万円で購入したことになるのです。
3.仕事は代金回収で終了することを社員に徹底化する
営業熱心で、販売しておいて、売掛金が積み上がっている会社がたまに見られますが、このような会社は請求書を送付して仕事が終わったと思っているのです。
仕事は代金を回収して初めて終了します。これは、会計や経営管理、資金繰りのイロハです。では、売上債権の回収にはどのように取り組めばいいのでしょうか?
経営管理方法としては、営業会議、役員会、経営会議等で入金管理をしっかりすることです。
この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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中小企業・創業者の資金繰りを支援する「信用保証協会」とは
 中小企業が金融機関から融資を受けるに当たって信用保証を求められることは少なくありません。信用保証制度を上手に利用するために、理解しておきたい「信用保証協会」についての基礎知識を紹介します。
 上記の損益分岐点は、下記の手順で導きます。
●信用保証協会とは、そもそもどんな組織なのでしょうか?
 信用保証協会とは、信用保証協会法に基づき、大企業に比べて担保力や信用力が劣る中小企業や創業者などが金融機関から「事業資金」を調達する際に、保証人となって融資を受けやすくなるようサポートする公的機関です。
 業歴が浅い、決算の内容が芳しくない、保証人の資産背景が弱いなどの理由で、金融機関からプロパー融資(信用保証協会等の保証の付かない金融機関独自の融資)を受けられない企業に対して、信用保証協会がその信用を保証し、資金調達を円滑にさせています。
 全国51箇所に設置されており、中小企業の約37%が信用保証協会を利用し、その9割は従業員数が20人以下の小規模企業です。
 利用には、原則として、各信用保証協会の管轄区域で事業を営んでいる(もしくは創業予定である)必要があり、事業実態があることが条件です。また、当然ですが事業経営に必要な資金が対象です。
●信用保証協会を利用するには
 通常、金融機関に融資の申込をすると、利用に必要な申込書等を用意してから説明していただきます。そのうえで保証申込の事務を行ってくれます。都道府県・市区町村などの自治体による制度融資の場合は、自治体や商工会議所、商工会等を経由しての申込が求められることもあります。
 信用保証協会は、申込内容等を審査し、保証の諾否を決めます。審査の結果、適当と認められる場合には、保証承諾が金融機関へ連絡され、金融機関は、保証内容に基づいて中小企業に融資します。融資が実行される際に、企業は金融機関を通じて信用保証協会を支払い、融資条件に基づいて金融機関に元金返済と利息支払を行うことになります。
 なお、直接信用保証協会に信用保証を申込み、承諾をもらってから金融機関に融資を申し込むことも可能ですが、珍しいケースのために金融機関も戸惑ってしまう可能性もあります。あくまで実際に融資をするかどうかの判断は銀行や信用金庫などの民間の金融機関です。
●信用保証協会はどこまで保証してくれるのか
 平成19年10月1日に「責任共有制度」が導入され、信用保証協会が100%保証するわけではなくなりました。
 「創業関連保証に係る保証」等一部を除き、信用保証協会が保証するのは融資金額の80%です。残りの20%は金融機関がリスク負担することとされたのです。このため、以前のように、信用保証協会の保証付き融資だからといっても金融機関は安易に融資をすることなく、厳しく審査をする傾向となりました。
この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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経営者・経理担当者のための平成28年度税制改正
 大きな改正はありませんでしたが、中小企業の経営者・経理担当者が注意すべき主な改正項目は以下のとおりです。改正された内容を見ると、依然として、個人所得税増税、法人税減税、贈与税減税、相続税増税が税制の流れであることです。
 また、社会保険加入調査が厳しくなっているため、節税のための法人から社会保険加入義務のない個人事業者に戻ろうとする方も増加しています。さらに、税務調査による修正申告や脱税に対する罰則が年々厳しくなっています。なお、増加する空き家対策に3,000万円控除適用が可能となりました。
 個人・法人・贈与・相続税のトータルな視点で税理士にご相談されることをお勧めします。
1.法人税率の引下げ
 現行の法人税率23.9%が以下のように引下げられます。
 平成28年4月1日‐平成30年3月31日の間に開始する事業年度 23.4%
 平成30年4月1日以後に開始する事業年度:23.2%
2.減価償却制度の見直し
 建物附属設備、構築物の減価償却方法は、定率法が廃止され定額法だけとなります。
 【適用開始時期:平成28年4月1日以後に取得する建物附属設備および構築物】
3.生産性向上設備に係る固定資産税の軽減措置
 平成28年3月4日から平成31年3月31日までの間に。「認定経営力向上計画」に基づき160万円以上の機械及び装置(販売管理から10年以内のもの、かつ生産性が旧モデル比で1パーセント以上向上するもの)を新たに購入した場合、3年間に限り固定資産税が50%減額されます。
 法人税の減税でなく固定資産税の減税のため、赤字中小企業にも設備投資のメリットが受けられます。
4. 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
 地方公共団体に対する寄附金は全額損金算入ですが、地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対して寄附を行った場合に、更に法人事業税、法人住民税の税額控除が認められます。
この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

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ふるさと納税の最有効限度額の算出
ふるさと納税と所得税住民税の寄附金控除
 都道府県及び区市町村に寄附することを「ふるさと納税」といいます。ふるさと納税額の2,000円超部分が所得税の所得控除としての寄附金控除の対象になるとともに、住民税の税額控除の対象になります。
 所得税で所得控除とされるふるさと納税額には、所得の多寡に応じた5〜45%の税率(その上に復興税率2.1%)が乗じられ、その算出額が寄附金控除税額となります。
 住民税は、税率が一律の10%なので、まず寄附金控除対象ふるさと納税額の10%が税額控除されます。
 次に、その税額控除前の住民税額所得割の20%を限度に(残りの税率)を乗じた額が税額控除されます。
限度内の控除税率は100%
 寄附金控除対象ふるさと納税額に掛けられる税率は、所得税で(5〜45%)×102.1%、住民税でまず(10%)、そしてさらに住民税で(残りの税率)が掛けられ、掛けられる税率は合わせて100%になります。
これは、本人の納税額の一定限度を、都市と地方の税収の格差是正を目的に、納税者が選択する自治体に回せるようにしようとの制度趣旨を実現する仕組みの意味するところのものです。
マイナンバー勤務先に副業は知られるか
よくある質問 就業後のアルバイト
   マイナンバーに関しての質問で多いものの1つに「会社に内緒でアルバイトをしているのがばれる事は無いでしょうか?」というのがあります。
 マイナンバー制度は役所等法律で決められた機関に対しての手続にしか使用できません(カード方式で身分証明書にはなるようですが)。役所等から勤務先に対してアルバイトをしている事を連絡するとはまず考えにくい事です。
 アルバイトが勤務先に知られる可能性としたら勤務先が住民税の特別徴収を行っている場合、副業をしている社員が同じ賃金の社員と比較して住民税がかなり違っていたり、それに気づいた担当者が給与から住民税を算出してみたりして大きな差が出ると言う事でも無ければすぐには分かりにくいものと思われます。
 税金の申告から見ると本人はアルバイト分を確定申告し、その報酬分の住民税は分けて支払う方法もあるようです。



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