経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第207号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『経営者・経理担当者のための「融資の知識」』
 経営・税務・・・ 『輸出物品販売場制度』
 経理・財務・・・ 『経営者の悩みは過去ではなく未来の会社の姿』
『マイナンバー制度 従業員への通知文』
『ネット銀預金量が10兆円超に!』





 今月の特集

経営者・経理担当者のための「融資の知識」
〜現金は嘘をつかない!!現金は正直である〜

1.融資資金の使途

融資資金の使途は大きく分けて「運転資金」と「設備資金」に区分されます。

(1)「運転資金」

「運転資金」とは事業を継続するにあたって通常必要な資金です。必要運転資金は次の算式で求められます。

売掛金+受取手形+在庫−買掛金−支払手形

近年クレジットの普及により、売掛金を何ヶ月も持つ業種は減少しています。飲食業・小売業等では、現金かクレジット回収が大部分を占めて、儲かっている店舗等は上記の算式から見てもキャッシュが残るはずです。

売掛金−(現金・クレジット売上)−買掛金=必要運資

上記計算を行うと仕入資金は貯まるはずです。ですから、これらの業種は金融機関から「運転資金」の融資がほとんど受けられません。
飲食業が最も倒産率が高いのは現金回収、掛け仕入であり、運転資金が枯渇するのは(1)赤字経営である。(2)お金がどんぶり勘定で経営者等が私的に使用か、迂回融資による投資資金になっていると金融機関は見ます。現金は嘘をつきません。現金は正直です。飲食業・小売業の経営者・経理担当者の皆さんは、現金・預金をしっかり管理することです。
具体的には、月次決算の励行と消費税・源泉税・借入金返済資金等を別口座でもいいですから貯蓄をしておくことです。
もし、自信がないと思われる経営者がおられたら、すべて現金仕入、アルバイトの日払い、源泉税の納期特例ではなく、毎月納付も考慮してください。
現金を余分にもたない、余分な現金=即儲けの仕組みを創ってください。

(2)増加運転資金

「増加運転資金」とは、業務の拡大により売上が増加していく場合に必要となってくる運転資金のことです。
前述した、必要運転資金の算式、売掛金+受取手形+在庫−買掛金−支払手形を見ますと、飲食・小売業の売上増加は通常現金の増加となり、運転資金を必要としません。卸業・建設業・人材派遣等のサービス業・製造業・情報産業等は売掛金の増加分が増加運転資金となります。売上の増加、会社の成長に併せて金融機関と日頃から情報交換をして、資金調達の財務活動をしておかなければなりません。
そのためには「内部留保」「自己資本」を積み上げておく必要があります。
融資審査にあたって、金融機関が一番注意して見るところの一つが「自己資本」です。経営者保証ガイドラインでも自己資本比率20%が一応の目安となっています。
では「自己資本」を大きくするにはどうすればいいのでしょう。
1.利益を上げ、税金を支払う。税金を支払った残りが 自己資本の源泉です。
2.出資を増やす。株主から資本金を増資するのが自己 資本の源泉です。

増加運転資金を必要とされる会社は、以下の点に留意することです。
1.利益を出し、税金を支払い、現金を残す。
2.売掛金の実在性を証明する発注書・請求書等を金融機関に確認してもらう。
3. 商品在庫・仕掛品・未成工事支出金等の妥当性・実在性を証明する原資証憑を金融機関に確認してもらう。
4.売掛金の早期回収、買掛金の支払期日の延期等に努める。
5.損益計画と資金計画を作成する。金融機関に融資の予定を打診しておく。
6. 月次決算を励行し、実績・予定資金繰り表を毎月作成して、お金の先行管理を行う。必要があれば、随時予定実績資金繰り表を金融機関に提出する。

(3)融資しやすい「賞与資金」

初めての金融機関でプロパー、直接融資が通りやすい融資に「賞与資金」があります。
1.資金使途が「賞与」と明確である。
2.「賞与」を支払えることは業績が好調である。
3.半年間の折返し融資となり、破たんリスクが低い。
公庫・保証協会付融資の枠を保全しておきたい、金融機関からの直接融資を受けたい企業にとって取り組みたい融資です。

(4)「設備資金」

店舗を出すための保証金や内装資金、工場の機械設備、営業のための車両等事業遂行に欠かせない設備を購入するための資金を設備資金といいます。
留意点は2つです。
1.減価償却の耐用年数を見ながら可能な長期返済交渉をする。
2. 土地は減価償却しないので、自己資本の範囲で購入するか、土地価格の1.5倍で購入することになることを留意して長期資金繰り表を作成する。
3.運転資金と設備資金を明確に区分して、運転資金で設備を購入しないこと。
  固定長期適合率〔固定資産÷(自己資本+固定負債)=〕を絶対に100%以上にしないこと。



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輸出物品販売場制度

輸出物品販売場制度

現在、訪日外国人旅行客は年々増えております。
2014年の訪日外国人旅行客数は1,000万人を超えており、10年前と比較すると約2倍にも増加しているのです。そして、2020年のオリンピック開催国として日本が決定したことにより、今後さらに外国人旅行客の増加が予想されています。
こうした背景により輸出物品販売場制度が平成26年10月1日より改正が行われたのはご存知でしょうか。
輸出物品販売場制度とは輸出物品販売場(免税店)を経営する事業者が、外国人旅行客などの非居住者に対して通常生活の用に供する物品を一定の方法で販売する場合には、消費税を免除して販売できるという制度です。この制度が改正により消費税の免税対象物品の範囲が拡大されました。改正前は家電・バッグ・衣料品などに限られており消耗品は消費税の免税の対象ではありませんでしたが、改正により食料品・飲料品・医薬品や化粧品等の消耗品も消費税の免税の対象となりました。この改正により、外国人旅行客の土産品などの購買力促進が期待されております。


また、平成27年4月1日から手続き委託型輸出物品販売制度が創設されたことによりその販売場において販売する物品の免税手続きの免税販売手続きを行う事業者に代理させることができるようになり、商店街や物産センター等で外国人対応や免税手続きに不安のある店舗でも免税店になることが可能となりました。

輸出物品販売場(免税店)の魅力

現在、日本の消費税率8%であり海外に比べると、そこまで税率は高くありません。
しかし、今後2017年4月から消費税率は10%に増税される予定ですし、東京オリンピックなどの影響により海外からの観光客もさらに増えてくることが予想されます。そこで、今のうちに「免税店」の看板を取得しておくことで他の店舗との差別化を図ることができます。

主なメリット
(1)外国人観光客への集客効果や宣伝効果につながる。
(2)他の店舗との差別化戦略ができる。
(3)国内が不況でも海外では景気が良い時もあり日本の景気に左右されにくい。


下記の項目に当てはまる事業者の方は輸出物品販売場の許可を受けることの検討をしてみてはいかがでしょうか。



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経営者の悩みは過去ではなく未来の会社の姿

中小企業の経営者は戸板1枚の下は荒波という危機感と覚悟を持って経営されています。その経営者の危機感と覚悟に応えることが会計人の絶対条件ではないでしょうか。

いくら時間をかけても過去の数字は変わりません。過去の数字は未来のためにあるのではないでしょうか。過去と未来の数字を結合させ、会社の来月、再来月、3ヵ月後、半年後、1年後の数字(売上予測、利益予測、税金予測、資金繰り)を見ることができれば、戸板1枚の経営者にも安心を与えることができます。
そのような未来を検討する場に、顧問税理士がいてくれることが経営者に安心を与えるのではないでしょうか。また、様々な経営課題について数字のプロである税理士が、利益と資金について見通しを示してくれることを経営者は求めていないでしょうか。
「経営会議」はそのような場をつくる仕組みです。
【経営会議】とは聞き慣れない言葉かもしれませんが、定義はいたって簡単。
月次予算を作成した会社が、毎月正しい決算を行い、経営会議や役員会で、計画が達成されたか否か、予算・実績比較し、経過月実績+未経過月予算に基づき、毎月予想決算、予想・実績資金繰り表等を確認しながら経営を管理していく仕組みです。


経営会議の場で、利益の予測をしながら、どの程度の資金を用意しておけばいいか、余剰分はないか、繰り上げ返済する必要は、資金不足はないか、金融余力は、資金調達の方法は、なぜ利益が出ているのに資金不足か、毎月利益と資金の見通しと対応策・経営改善策を検討し、実行していく体制づくりが経営者に安心感を与えます。



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マイナンバー制度 従業員への通知文

会社から従業員にお配りする通知文の例を作りました。参考にして下さい。

従業員の皆様へ ご協力のお願い
マイナンバー制度について

(1)マイナンバーとは何でしょうか?
平成28年1月より開始されるマイナンバー制度は、赤ちゃんから大人まで国民1人1人に12桁の個人番号が振られ一生使用するものです。重要な個人情報ですので外部に漏れないよう管理してください。

(2)何に使うものですか?
社会保障、税、災害対策の分野で使われます。平成28年1月以降、源泉徴収票や健康保険等、社会・労働保険、税金の手続きの際、関係機関に提出する書類に従業員の皆様や扶養親族の個人番号を記載します。

(3)自分の番号はどのように知るのですか?
10月から11月にかけて、市区町村から皆様に簡易書留で「個人番号の通知」が送られてきます。送付先は住民票登録をしている住所地です。住民票異動が必要な場合は事前に手続きをしておいて下さい。個人番号の通知が届かない場合でも、住民票で確認する事が出来ます。

デイリーコラムより



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新たな形態の銀行

新たな形態の銀行

金融庁の銀行分類の用語に「新たな形態の銀行」というものがあります。文字通り、都市銀行や地方銀行など伝統的な銀行にない新たな形態の業務を行う銀行を指します。
主な業態としては、「インターネット専業銀行」「商業施設との連携を主体にする銀行」の2つがあります。

ネット銀行は預金量10兆円超に!

インターネット専業銀行(ネット銀行)は、店舗を設置せず、インターネット取引に特化した銀行です。店舗を持たず、預金通帳が発行されない「無通帳取引」を行うなど運営コストを削減することで、手数料が安く、預金金利が高いことが特徴です。
インターネット上の資金決済が広がる中、27年3月決算では、ネット銀行6行の預金量は10兆円を超えることになりました。


取引はネットバンキングで行い、提携している他行やコンビニATMで入手金を行うこととなります。

小売主導のセブン銀行・イオン銀行

商業施設との連携を主体にする銀行にはセブン銀行(コンビニATM)とイオン銀行(ショッピングセンター利用者が主な対象)があります。

デイリーコラムより



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