経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第205号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『相続手続きの基礎知識』
 経営・税務・・・ 『生命保険の賢い活用』
 経理・財務・・・ 『キャリア形成促進助成金』
『国税庁「決算期別の普通法人数」決算期は何月がよいか?』
『ピケティの資産課税とマイナンバーと富裕税』





 今月の特集

相続手続きの基礎知識

相続は人の死亡によって当然に始まります。しかし、相続手続は何度も経験するものではありません。ですので、手続きは何が必要で、どうすればいいのか、費用はどのくらいかかるかなど分からなくて当然なのです。
しかし、手続には期限が限られているものがあり、知らなかったばっかりに損をしてしまうこともあります。また、よく相続トラブルになるのは、遺産の分割の問題です。「相続が争族になる」のを防ぐには「遺言」や生命保険の活用・相続時精算課税の選択による生前贈与が有効な手段です。

相続手続きの流れ

(1)死亡届出を市町村らに提出

人が死亡したときは、まず死亡届を役所に提出します。届け出を出さないと、火葬や埋葬の許可が下りません。期限は死亡の事実を知った時から、7日以内となります。
また、添付書類として「死亡診断書」が必要です。
入院中の死亡であれば、病院が作成し、事故死などの場合は検死にあたった医師が「死体検案書」を作成します。届け出は、死亡者の同居の親族などが死亡地の市区町村役場に提出します。

(2)相続人の確定

[1]相続人

相続人とは、故人の財産を引き継ぐ人のことであり、その範囲と順位が民法で定められています。これを法定相続といいます。

・配偶者は、常に相続人となります。(内縁の配偶者には相続権はありません)

・第一順位は、子です。
被相続人より先に子が死亡している場合には、孫がいれば孫が相続人となります(代襲相続)。養子も実子と同順位で相続人となります。なお普通養子の人は、養親と実親の両方の相続人になります。胎児にも相続権があります。
ただし死産の場合は、その胎児は初めからいなかったものとされます。
再婚した配偶者に連れ子がいた場合、その子は相続人にはなりません。しかし、生前に養子縁組をしていれば、連れ子も相続権があります。

・第二順位は、直系尊属です。
第一順位の人(子や孫など)がいない場合に初めて相続人になります。父母、祖父母などで親等の近い者が優先します。父母のどちらかが健在ならば、祖父母までは遡りません。

・第三順位は、兄弟姉妹です。
第一順位、第二順位の人がいない場合に初めて相続人になります。兄弟姉妹の子(甥や姪)までは 代襲相続が認められます。


[2]相続人の確認

被相続人の現在の戸籍謄本等を死亡から出生まで遡ってそろえます。
相続人であることの証明とともに、他に相続人がいないかを確認します。

被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本か除籍謄本から遡って、出生当時の戸籍謄本までつながるように取り寄せます。

・被相続人の死亡の記載のある住民票除票または戸籍の附票を取り寄せます。

・相続人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明を取り寄せます。

なお、市町村によっては、戸籍謄本は「全部事項証明書」という名称に変わっています。



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生命保険の賢い活用

事業にはさまざまなリスクが伴います。代表者に万が一のことがあった場合や、経営悪化により資金繰りが悪化するなど様々です。生命保険はこれらのリスクに備えるほか、勇退時の退職金原資確保等の役割も期待できます。損金性があって、かつ、解約返戻率の高い定期保険は、将来のリスクや資金不安に備えつつ、利益を繰り延べ、かつ、簿外で資金を留保する効果も期待できます。
利益を将来に繰り延べること(含み資産の形成)により、将来事業上大きな損失が発生した場合や、退職金の支払いが発生した場合などに、簿外で積立されている生命保険の解約返戻金を活用することで利益の平準化が図れます。
以前は「土地」や「株式」によって「含み資産」を形成することが可能でしたが、バブル崩壊以降、「土地」「株式」は「含み損」を抱えた状態のものが多くなっています。現在では、生命保険だけが確実に「含み資産」を形成することができる商品だと言えます。
生命保険といえば「営業がしつこい」とか「自分が死んでからお金が入っても使えない」といった理由から生命保険が嫌いな経営者が少なくありません。とはいえ、自分に万が一のことがあった場合に備えて、残された社員や自分の家族の為、会社の借入金の関係や仕事上の付き合いといった事情で、たいがいの経営者は多かれ少なかれ何らかの保険に入っています。
あまり前向きなイメージではない生命保険ですが、商品の性質と税務通達(税務当局が処理方法を明文化したもの)を理解した上で活用すると、合法的で安心・確実な含み資産を形成する手段となります。

1.生命保険の種類
生命保険の種類は、大きく分けると養老保険、定期保険、終身保険の3つです。図解(図1)すると次のとおりです。

図1

2.生命保険の税務
生命保険金の受取人の相違により、支払保険料を損金算入すべきか資産計上すべきかといった経理処理上の違いがあるので、下表(表1)にて一覧表示します。
定期付き養老保険、定期付き終身保険などの組合せ保険商品は、各々の保険ごとに区分して経理処理することになります。
同じ保険商品であっても、死亡保険金や満期保険金の受取人を替えることによって資産計上か、損金算入か、もしくは役員・従業員の給与となります。

表1



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人材育成担当者様に耳より情報!キャリア形成促進助成金

厚生労働省・都道府県労働局では、労働者のキャリア形成を効果的に促進するため、職業訓練などを段階的かつ体系的に実施する事業主に対して助成する制度が用意されています。

支給額(Off-JT制度抜粋)

事業主様が負担した費用について、若年・成長分野等の対象者1人1訓練コースにつき、コース訓練経費の半額までと、1時間800円換算で受講時間分の賃金が助成されます。(なお支給限度額は1事業所1年度で500万円です。)

【例】パソコン会計セミナ−/5日間(30時間)/受講料200,000円(税込)
このコースを2名で受講すれば・・・
(10万円×2人)+((30時間×800円)×2人)=24万8千円の助成金支給が受けられます。

助成金を活用できる事業主
(1)中小企業で雇用保険適用事業所の事業主
(2)事業内職業能力開発計画及びこれに基づく年間職業能力開発計画を作成・周知している事業主
(3)過去6ヶ月にわたって解雇等をしたことがない事業主
以上の様に計画的に社員育成を行おうとしている中小企業が対象となります。

訓練の対象となる労働者の要件
(1)若年人材育成コース:採用後5年以内かつ35歳未満の若年労働者
(2)一般訓練型コース:若年人材育成コース対象外の労働者
以上、事業に携わる社員の方が対象となります。

助成対象となる訓練
(1)Off-JTにより実施される訓練であること。
(2)1コースの訓練時間数が20時間以上であること。
1年間の職業訓練計画を作成して申請します。
Off-JT(研修受講など通常の業務を離れて行う職業訓練)について支給されます。

例

集合研修を組み合わせて20時間以上の訓練コースを作ります。それに準じるカスタムメイド研修も対象です



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国税庁「決算期別の普通法人数」決算期は何月がよいか?

H25国税庁「決算期別の普通法人数」
国税庁が毎年公表する「統計情報」には「決算期別の普通法人数」が掲載されています。
平成25年度の統計では、年1回決算の全法人数(259万社)のうち1番多い決算月は3月の50.7万社(19.6%)で、次いで9月の28.3万社(10.9%)、12月の25.9万社(10.0%)、6月の25.0万社(9.6%)と「3の倍数」の月が並んでいます。


大企業は圧倒的に「3月決算」が多い
ただ、皆さん、想像がつくとは思いますが、大企業だけ取り出してみると「3月決算」の法人がさらに多くなります。
資本金10億円超の会社(5,190社)では決算月3月が68.0%、次いで12月が14.7%、2月が4.2%となります。上場企業だけならば、7割が3月決算となります。
大企業が「3月決算」が多い理由としては、(1)公的セクションの決算時期と合わせていること、(2)総会屋対策(横並びで開催)、(3)税法など法令が4/1から適用されるものが多いこと、(4)新卒社員を4月に受け入れるため区切りが良いなどが挙げられます。
また、12月決算は外資系企業などでは多くみられます。2月決算が多くなっているのは、大手の流通業の決算が多いからと言われています。棚卸を代行する「棚卸専門業者」の繁忙期もこの時期であるそうです。

デイリーコラムより



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ピケティの資産課税とマイナンバーと富裕税

ピケティの提唱

ピケティの「21世紀の資本」は世界中で爆発的な売れ行きを示しています。
ピケティは、資産格差を拡大させないよう、累進的なグローバル資産課税を提唱しています。個々人が持つ資産を全世界的に把握し、資産総額に応じて課税したうえで、税収を関係国間で配分するというものです。

資産課税への日本の制度化準備

わが国でも、資産総額への課税制度創設の準備は進んでいます。
今年の税制改正事項として、従来の「財産債務明細書」を改変し、国外国内を問わないもので、且つ「国外財産調書」と同じように運営する「財産債務調書」制度が創設されます。懲役刑を含む罰則をもつ「国外財産調書」制度の施行に引きずられての見直しのようにも見えます。

デイリーコラムより



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