経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第201号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『個人・法人の知っておきたい税制改正』
 経営・税務・・・ 『あって便利!我が社の勘定科目表』
 経理・財務・・・ 『「ニセ税理士」にご用心』
『所得税法における貸倒損失』
『青色事業専従者給与の支給状況』





 今月の特集

個人・法人の知っておきたい税制改正

日本の税制は個人単位課税 原則は所得税
日本の税制は「個人単位課税」であり、例え親兄弟、株主であれ、個人か法人へ資産が動いたら原則として課税されます。
通常生活に必要な資産、配偶者の特別控除、110万円までの贈与、相続税の基礎控除等々、税制は例外として課税しないと決めています。
お金は無論、会社の株、不動産等々財産(金目のものすべて)を移転する場合は必ず税理士等の専門家にご相談ください。

現在の税制改正の流れは法人税減税 所得税増税 贈与税減税 相続税増税
単位課税という人の一生の税の流れは、法人税があり、法人から給与・配当を受け、あるいは個人事業により所得税が課され、課税後の個人資産を子・孫に移転する際に贈与税が課され、残余の財産に相続税が課税される流れになっています。
ご存知のように、現在の税制改正の流れは、法人税を減税して海外からの投資を拡大させよう、格差是正のために高額所得者の所得税負担を重くしよう、高齢者が60%以上の資産を保有しているから、子・孫へ財産移転(贈与)を促進して消費を拡大させよう、死亡することで最終的な資産に重税を課すことによって、機会の平等を守ろう、等々の理由で改正されています。

(1)法人税減税
1.中小法人等の800万円の軽減税率15%
平成28年度末まで適用期限が2年間延長される。800万円までの利益に住民税+法人税で実効税率25%。税金を支払っても600万円が会社に残る。歴史的な低水準の税負担です。

2.商業・サ−ビス業等活性化税制の延長
(適用期限が2年延長され、平成29年3月31日までとなりました)
具体的には、青色申告書を提出する中小企業等で経営改善に関する指導及び助言(下表(1))を受けたものが、平成25年4月1日から平成29年3月31日までの間に、その指導及び助言を受けて行う店舗の改修等に伴い器具備品及び建物附属設備の取得等をして指定事業の用に供した場合には、その取得価額の30%の特別償却とその取得価額の7%の税額控除との選択適用ができることとされます。
ただし、税額控除における控除税額は当期の法人税額の20%が限度とされ、控除限度超過額は1年間の繰越しができます(所得税も同様)。




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あって便利!我が社の勘定科目表

経理処理で悩むことの1つは、【勘定科目を何にすればいいのだろう】ではないでしょうか?

勘定科目は、会社の取引を勘定科目というボックスに整理・整頓し、会社の財政状態、経営成績を正確につかむためのものです。

経営に役立つ経理とは、まず経営者に毎月正確な月次決算を報告し、「経過月の実績+未経過月の予算」から会社の決算期の姿・見通しを経営者に伝えることです。そのためには、実積の勘定科目と予算の勘定科目が一致していなければなりません。

また、経理担当者が勝手に勘定科目を決めてしまうと経営陣は正確な経営情報がつかめません。

そうならないためにも、「どういった支払いは、何科目で処理する」といった『勘定科目表』をできるだけ具体的にまとめておくと便利です。これがあると、経理処理が誰でもできますし、月次予算を作成する経営陣と経理処理する経理担当者とが異なっていても、同一性が保たれます。




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「ニセ税理士」にご用心
確定申告書に税理士の署名・押印がありますか?

「ニセ税理士」という言葉ですが、いわゆる税理士の資格がない人のことです。
決算書に税理士の署名・押印がありますか?また、税理士の事務所に訪問したことがありますか?担当者は税理士事務所の職員ですか?いわゆる名義借りとして印鑑だけをもらっているのではありませんか?
いまだ「ニセ税理士」に会計や税務を依頼している個人、法人は少なくありません。税理士以外の人が、税務相談や税務代理、税務書類の作成などを行うことは、報酬をもらっていようが、いまいが関係なく違法です。
近年では厳しい実刑判決も出ています。
彼らは、何の責任もとりません。結果、デタラメな経理、決算をして納税者=依頼者が大損することになります。
税務相談や決算業務に関わること自体が「違法」ということが前提ですが、いくら安くできるからといって、ニセ税理士に依頼することは最終的にはマイナス面の方がはるかに大きいと思います。

税務調査の問題が発生します
税務調査には税理士しか立ち会うことができません。
悪質性がない場合、通常であれば会社に連絡がいく前に顧問税理士に連絡がいきますが、決算書や確定申告書に税理士の署名捺印がないと直接会社に連絡がいきます。
経理が把握できていないまま税務調査に来られた場合、通常の調査対応でも大変なのに、ニセ税理士に決算書を作ってもらっていたと言うことも出来ずさらに対応に困ることになります。
「ニセ税理士」は決算書、申告書に責任を持ちません。税務調査があれば関係ないとして逃げ出します。

資金調達などの金融機関対応
お金を借りたいと思って銀行や公庫などに行くと必ず過去の決算書の提出を求められます。
その時に顧問税理士の署名・押印がない場合、その信頼性は税理士がいる場合に比べてどうでしょうか。
会社にとってお金の流れは血液循環とも言われています。万が一の輸血である資金調達で少しでもマイナス要因になることはやめておいた方がよいでしょう。 近年では、公庫、保証協会等では、「中小企業会計チェックシート」「同意書」等で、税理士が決算書に責任を持っている証明が必要となりつつあります。
そして、経理や税務が不安なら税理士に依頼しましょう。
ニセ税理士に依頼していたお客様の毎月の報酬をお伺いすると、ほとんどのケースが本物の税理士の報酬より金額を高く支払っていました。
これまで出会った、ニセ税理士のパターンとしては以下のようなものがありました。

1.元の事務所の有資格者が亡くなって無資格だけで事務所運営している。
税理士の平均年齢は60歳を超えていますので全くない事情ではありません。
跡継ぎに税理士がいればいいのですが、有資格者がいない場合もありそのまま運営しているパターンがあります。



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所得税法における貸倒損失

事業的規模か?業務的規模か?
相続によって引き継がれるのは、プラスの財産だけではありません。
所得税法における貸倒損失は、その回収不能となった債権が事業的規模の業務により生じたものなのか、事業的規模に至らない業務により生じたものかにより処理の仕方が異なります。
個人事業が事業的規模である業務に係る債権の貸倒れに係る損失は、その債権が回収不能となった年分の必要経費とされます。
一方、事業的規模に至らない業務に係る貸倒れについては、(1)売掛・未収債権(収入金額に計上されている債権)であるか、(2)貸付金債権・立替金等の元本債権であるかの別により取扱いが定められています。

業務的規模で売掛債権が回収不能の場合
その個人業務に係る各種所得の収入金額としていたものが回収不能となった場合(売掛金や未収入金に貸倒れが生じた場合)には、その所得の金額のうち回収不能となった部分は、貸倒れの生じた年分の必要経費とはなりません。
その発生した年分の「収入がなかった」ものとみなされるのです。
「貸倒れでも、収入がなかったでも、同じことではないのか?」と感じられるかもしれませんが、遡及処理を行うという点で両者の処理は異なります。
すなわち、その年中に売掛・未収債権が貸倒れとなった場合には、その年の収入から、除外すればよいだけなのですが、過年度に計上されている売掛・未収債権は、その収入計上した年分に遡及して、その所得が「なかったもの」とされるのです。
この場合、その事由が生じた日(貸倒れが発生した日)の翌日から2ヵ月以内に更正の請求(後発的事由に基づく更正の請求)を行うことになります。
なお、この取扱いは業務用の債権にとどまらず、譲渡所得や給与所得の収入金額が回収不能となった場合にも適用されます。

デイリーコラム



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青色事業専従者給与の支給状況

青色専従者を有する事業所得者は48%
国税庁が公表している統計(平成24年分申告所得税標本調査)によると、青色申告を行っている事業所得者のうち48%、不動産所得者のうち13%の方が、青色事業専従者給与を支払っているそうです。

(人) 青色 青専従有 割合
事業 91.0万 43.8万 48%
不動産 67.4万 8.8万 13%

この統計では、「事業者の合計所得階級別」に「専従者数」と「専従者給与額」も公表していますので、「専従者給与額」を「専従者数」で割れば、各所得階層の1人当たりの平均額が求められます。

青色専従者給与(事業)の平均は約215万
事業所得者が支払う青色事業専従者給与の1人当たりの平均額は約215万円、不動産所得者は約179万円となっています(全所得階層)。
ただ、内容を見てみると、事業所得者の支払う専従者給与の1人当たりの支給額はこの事業者の所得階層に応じて「ピンからキリまで」ということがわかります。
例えば合計所得階層の最下位の区分である「合計所得70万円」の方の1人当たりの専従者給与支給額は約121万であるのに対し、「合計所得が3,000万円超5,000万円以下」の階層では約704万円となっています。
統計表の中には「合計所得20億円超50億円以下」の方が1人いらっしゃって、専従者1人に対して3,600万円の支払いがあることが記されています。
青色事業専従者給与として支払うとなると「労務の性質」「提供の程度」「類似同業者の平均支給額」なども考慮しなければなりませんので、この方が一体どのような職務に携わっているのか気になるところです。



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