経営者・経理総務担当者向け 実務月刊誌ビジネス支援 第200号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『経営計画と予算実績管理・経営計画は会社経営の要』
 経営・税務・・・ 『平成27年度税制改正大綱』
 経理・財務・・・ 『儲かる会社、潰れる会社 ここに注目!』
『相続放棄と生命保険』





 今月の特集

黒字経営の第一歩
経営計画と予算実績管理・経営計画は会社経営の要

小企業では経営計画の未作成の会社はまだまだ多くあり、その理由としては、経営者が「そんなものを作っても、計画通りにいかない」「作っても役立たない」「決算書や会社の数字を見てもよく分からない」「会社の数字は経理に任せている」等々と思っているからではないでしょうか。

しかし、計画と実績の差が出るのは当たり前です。目標を明確に定め、懸命に努力した結果を月次の決算書でどうなったかを確認するのです。「今後計画通りに会社の業績が推移すれば決算書はどのようになるのか」「銀行の評価はどのようになるのか」「納税はいくらになるのか」「資金は廻るのか」等々を考えながら経営するのが正しい経営ではないでしょうか。

頭の中で漠然と考えていることを計画として紙に書きだすだけでも大きな違いがあります。頭で考えているだけでは、大きな矛盾や経営課題、ムリ・ムラ・ムダが見えません。建物を建てる前に設計書が必要です。それは、設計書がないと建物が作れないからです。会社の経営も同じではないでしょうか。計画を数字に置き換えることによって、経営者の会社経営のイメージが具体化されます。そして、どのような行動により経営計画を実現できるのか、思考力が磨かれます。

さらに、資金計画まで作成すれば、資金繰りの不安から解放されます。社員も会社としての目標があり、それが社員にも還元される仕組みがあるとすれば、苦しいことも乗り切ることができるでしょう。計画を達成するためにどうすればいいのか、創意工夫することで社員の創造力が活性化されます。

分厚い経営計画書はいらない
「経営計画書」と聞いて分厚い書類を想像される方もおられます。しかし、最初は、損益計画と資金計画の2枚だけでもいいのです。経営者は一円単位で会社の数字を見る必要もなく、数字も千円単位で充分です。一般的な経営計画を作成する場合、目標売上や損益分岐点売上から設定します。例えば、前期売上が3.5億円であった場合、今年は4億円を目標にするという具合です。しかし、経営計画書は活用しなければ何の意味もありません。経営者の単なる希望観測値や社員へのプレッシャーのためだけでは経営計画書は無い方が良いでしょう。活用するための経営計画書とは、検証可能・実現可能なものである必要があります。

簡単な経営計画書の作成手順
(1)月次損益推移表を用意します。
(2)販売費及び一般管理費の異常値を取り除き、概算の経費を千円単位で作成します。



この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

月刊「ビジネス支援」定期購読申し込み
(送料・購読料は一切無料です)





  経理・税務 ページのトップへ

平成27年度税制改正大綱

平成27年度税制改正が発表されました。
今回、特に中小企業、経営者の方にとって重要と考えられる項目を中心にお伝えします。

法人課税編
平成27年度の税制改正は、法人税改革が中心です。その特徴は、法人税実効税率の引下げに伴う財源不足は同じ法人課税の枠内で調達する、というものでした。しかし、改正項目の多くは資本金1億円超の大法人を対象としたものとなり結果として、先行減税となる改正案です。以下に主な改正項目を概観していきます。

●法人実効税率の引下げ
法人税の実効税率(標準課税ベースで34.62%)を平成27年4月1日開始事業年度から2.51%、平成28年4月1日開始事業年度ではさらに0.78%引下げ、以後数年で20%台まで引下げるとするものです。なお、中小法人等の軽減税率15%は、2年間延長されることになっています。

●欠損金の繰越控除の見直し
改正案は、中小法人等を除く資本金1億円超の大法人のみの見直しとなっており、控除限度額は、平成27年4月1日開始事業年度からは所得の65%(現行所得の80%)、平成29年4月1日開始事業年度からは所得の50%に縮減するものです。なお、新設法人や再生計画の決定等があった場合には、一定の期間までは所得の全額を控除できるものとし、上場や再上場等の場合、以後の事業年度は対象外となります。

●欠損金等の繰越控除の延長
現行の9年から10年に延長です。これに合わせて帳簿書類の保存要件も10年に延長されています。この改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生じた欠損金額から適用です。

●所得拡大促進税制の拡充
給与等支給額の増加要件を緩和し、中小法人等については、平成28年4月1日以降に開始する適用年度について3%以上(現行5%以上)とし、それ以外の法人については、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する適用年度について4%以上(現行5%以上)としています。


●自己株取得による資本金等の額の見直し
自己株式取得等によって資本金等の額が、資本金と資本準備金を加えた額を下回る場合、当該金額(資本金+資本準備金)を資本割の課税標準とし、また法人住民税均等割の税率区分の基準とする見直しがなされています。これにより、自己株式の取得による減税に制限がかかることになります。



この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

月刊「ビジネス支援」定期購読申し込み
(送料・購読料は一切無料です)





  経営・財務(1) ページのトップへ

儲かる会社、潰れる会社 ここに注目!

儲かっている会社、潰れていく会社には多くの共通点があります。
今回はそのような観点からそれらをまとめてみました。
心当たりのある経営者の方はチェックして今後の自戒にしていただきたいと思います。

何業か明確ではない会社
定款や謄本を見て、何業か分からない会社があります。宝石・毛皮の販売、健康食品、医療用器具、不動産管理、産業廃棄物処理、飲食、金融等…30以上のあらゆる業種が記載されている謄本を見たことがありますが、こんな謄本を見せられたら取引や融資の際、戸惑う人が多いのではないでしょうか。
謄本に「こんなこともしてみたい」という願望をいくつ記載しても費用がかからないということもあるのかもしれませんが、第三者が見た場合、すぐに信用を得られるとはまず考えられないでしょう。
何よりも会社を設立するのは単なるお金儲けではなく、社会に貢献する、役立つ、必要とされている、等の観点がなければ多くの利害関係者の支持を得られないのです。そのような観点が無い会社の場合、社員や取引先、金融機関等と関係を築くことができず、経営を持続させることはまず難しいでしょう。
バブルの頃、多くの経営者は儲け話に乗りましが、今はほとんど破綻してしまいました。何業かを明確にし、本業を愚直に固執した経営者の会社だけはしっかりと生き残っています。

裏表がある会社
会社を訪問して、経営者が会社に居る時と居ない時では大きく雰囲気が違う会社があります。
経験上ですが、経営者が居る時は仕事をしているフリをしており、経営者が居ない時では仕事をしていないのでは、と疑ってしまう会社は、ほぼ100%倒産しています。
それは不自然であり、社員が会社に対して帰属意識や頑張ろうという意識が無いことを示しています。私見では、このような会社になるには幾つかの原因があるように思えます。

(1)社長が物事の本質を見ることができず、表面的なことで判断する
(2)社長が見栄張りで、形式、しきたり、礼儀等に口やかましい

(3) 社長の公私混同、私利私欲が社員に分かってしまい、何をきれい事言っているのか、という社風となっている
(4)経営陣と社員間の剥離があり、役員が嘗められている



この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

月刊「ビジネス支援」定期購読申し込み
(送料・購読料は一切無料です)




  経営・財務(2) ページのトップへ

相続放棄と生命保険

生命保険金は相続財産ではない
相続によって引き継がれるのは、プラスの財産だけではありません。
例えば、被相続人に借金があれば、借金も同時に引き継がれることになります。借金の方が多い場合は、『相続放棄』をすることもできますが、ここで気になるのは、相続放棄をした場合、被相続人の生命保険の保険金を相続人が受け取ることはできるのかと言うことです。
結論から言えば、生命保険金の受取人が相続人の場合、相続放棄をしても、生命保険金を受け取ることはできます。つまり、保険金請求権は相続人にあり、被相続人の財産ではなく、相続人の財産とみなされるため、相続放棄をしても生命保険金を受け取ることは可能なのです。
しかし、ここで注意しなければならないのは、生命保険金は相続財産には含まれませんが、相続税の対象になることです。次に、生命保険金の税法上の取り扱いについて説明したいと思います。

相続放棄した場合の税金計算
生命保険金は、相続財産ではありませんが、相続税の計算上は「みなし相続財産」として相続税の対象となります。つまり、相続財産ではないが、相続税は支払わなくてはならないのです。
財産放棄して生命保険金を取得した場合でも、相続税の計算に際して基礎控除(5,000万円+(1,0000万円×法定相続人の数)や配偶者控除(配偶者の相続分が1億6,000万円までは相続税は課税されません。)を受けることはできます。しかし、生命保険金にかかる「非課税枠」は適用できないので注意が必要です。

デイリーコラム



この続きは月刊「ビジネス支援」本誌にて…

月刊「ビジネス支援」定期購読申し込み
(送料・購読料は一切無料です)



バックナンバーメニューへ戻る


Copyright 著作権マーク PROFIT CORPORATION 2015, All rights reserved.
Copyright 著作権マーク SEIKO EPSON CORPORATION 2015, All rights reserved.