会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第193号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『確かな資金繰り表作成が会社を強くする!!』
 経営・税務・・・ 『簡易課税制度のみなし仕入率の改正』
 経理・財務・・・ 『経営革新等支援機関を活用する!!』
『長寿企業とはどんな会社か/拡充したトライアル雇用奨励金』





 今月の特集

確かな資金繰り表作成が会社を強くする!!

(1)資金は会社の血液である

 資金は会社にとって血液のようなものです。会社は、資金の循環によって、生産・販売を繰り返して成長しますが、この資金が枯渇してくると会社は貧血を起こし、最悪の場合には死亡(倒産)してしまいます。

(2)利益と資金繰りは別である

 資金の源泉は基本的には利益と資本によります。しかし、急成長する会社では売上の拡大に伴って売掛債権や在庫が増加しますし、新規設備投資が必要となり、利益や買掛金・未払金等の支払債務の増加だけでは賄えない資金需要が発生します。

 そのため、売上・仕入・経費等の損益計画とは別に、回収・支払・借入等の資金調達計画およびその返済計画といったような資金の流れを主眼とする資金計画が必要となります。

(3)資金の滞留を防止する必要がある

 売掛債権の回収が遅れていたり、過剰在庫があるとそれだけ資金が眠ってしまうことになります。

 すなわち、売掛債権の回収の促進や、生産または仕入・販売の調整による在庫の縮小等により貸借対照表をスリム化することが、資金が循環していく上で重要な問題となります。

(4)資金繰りは事前管理が重要

 経理実務はほとんどの場合、事後処理より事前処理のほうが大切です。

 資金繰りも同じで、事前に資金計画をたてておかなければ、とんでもない事故をおこす危険性があります。


3種類の資金繰り表を活用しよう〜1年・3ヶ月・1ヶ月〜

 昔から、〔勘定あって、銭足らず〕という言葉があります。売上も増加、利益もそこそこにあげているのに資金が足りない。その都度、資金の工面をしなければならない。まだ会社の現預金に余裕のある時は問題ありませんが、なくなると借入金に依存せざるを得なくなります。これが高ずると、返済不能の状態となり倒産ということになります。すなわち、黒字倒産です。企業の経営診断を通じてよくこんな事例にぶつかります。

 これは、発生主義的な損益計算と現金収支が一致しないことから起こる現象です。それは、売掛や買掛、手形などの信用取引があるからです。特に、季節変動の大きい会社、売上金の回収期間と仕入や経費などの支払期間が違う会社、設備投資や借入金限度額を決めなければならない会社などは、この資金繰りの管理が重要になります。



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簡易課税制度のみなし仕入率の改正

 ご存知の通り平成26年4月1日より、消費税率が8%に引き上げられました。さらに、平成27年10月には、消費税率が10%まで引き上げられることが予定されています。消費者の関心が絶えない消費税ですが、この度、中小企業又は個人事業者には馴染みのある消費税の納付額の算出方法のひとつである、簡易課税制度について改正が行われました。

 そこで、今回は簡易課税制度についてお伝えします。


簡易課税制度とは?

 消費税の納付額を簡単に計算できる特例制度です。中小事業者の事務負担を軽減することを目的として作られました。

 消費税の納付額は、原則、売上に係る預かった消費税から仕入れに係る支払った消費税を控除して算出しますが、簡易課税制度では実際の仕入高を集計することなく、売上に係る預かった消費税額にみなし仕入率を乗じた金額を仕入に係る支払った消費税とみなして納付額を計算できます。

 つまり、消費税額は『売上に係る預かった消費税−売上に係る預かった消費税×みなし仕入率』で、計算できることになります。


簡易課税制度の適用要件

 簡易課税制度は、全ての事業者が選択できるわけではありません。以下の2つの要件を満たしていることが必要となります。

1) 「簡易課税制度選択届出書」を簡易課税制度の適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに提出していること

2) 法人の前々事業年度、又は個人事業者の前々年の課税売上高が5,000万円以下であること


みなし仕入率

 みなし仕入率は、事業の種類によって異なります。下の図で、みなし仕入率をご確認ください。なお、今回の改正でこのみなし仕入率が一部改正されています。





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経営革新等支援機関を活用する!!

経営革新等支援機関とは?

 平成24年8月30日に中小企業経営力強化支援法が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。経営革新等支援機関は税務、金融及び企業の財務に関する知識や経験を有した、中小企業支援者です。

 税務、金融及び企業の財務に関する専門的な知識や実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関を国が経営革新等援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備しています。認定支援機関の≒2万機関、80%が会計事務所と言われています。

 中小企業の皆様は、認定経営革新等支援機関の関与を受けることにより、様々な中小企業支援施策を利用することができます。支援措置として、政府系金融機関による低利融資制度・信用保証の特例・各種税制措置等が利用できます。

経営革新等支援機関を利用するメリット

1.認定税理士からアドバイスを受けると税額が減る!

産業活性化税制

 この制度は、中小企業者等が、税理士などのうち認定経営革新等支援機関として経済産業省が認定した機関から経営の改善に関するアドバイスを受けて設備を取得すると、その設備について30%の特別償却か、7%の税額控除を受けることができるという制度です。

商業・サービス業・農林水産業活性化税制

 60万円以上の「建物附属設備」や30万円以上の「器具及び備品」を取得した場合に、取得価額の30%の特別償却か取得価額の7%の税額控除の適用(資本金3000万円以下の法人のみ)を受けることができます。

【支援の内容】

1)取得価格の30%の特別償却又は2)取得価格の7%の税額
控除のどちらかを選択適用できる原則7%税額控除が有利です。
適用期間:平成25年4月1日〜平成27年3月31日詳細は中小企業庁のホームページをご参照ください。



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長寿企業とはどんな会社か

永く続く企業とは

 企業にとって大切な事とは何でしょうか? それは「継続する」という事ではないでしょうか?

 顧客にサービスや商品を提供し喜んでいただく、社員を雇用し、その家族も幸せにする。納税や地域社会に貢献しながら存続し続ける、それは理想の姿かもしれません。

 しかし企業が存続し続ける続けることは容易ではありません。経済変化や企業間競争、有力取引先の消失、災害、不祥事の発生等様々なリスクが付き物です。

 こうした中、永く営業を続けている企業もあります。その96%は中小企業であり、日本で創業100年以上の企業は2万6千社(帝国データバンク調べ)と言われ、世界最古の企業と言われる西暦578年創業の寺社建築の金剛組と言う企業も日本にあります。

長寿企業の8割が明治時代に創業

 明治時代は殖産興業の政策の下、工業化、近代化が進んだ時代です。業種的には製造業と卸・小売業が多く、少ないのは建設、運輸、金融、保険、不動産、サービス業等で昔は物を作って売ることが主流だったからでしょう。製造業の中でも食品・酒関連が多く、金物卸、繊維衣類も多い方です。また、地場で家族中心の小売業が半数近くです。



拡充したトライアル雇用奨励金

トライアル雇用とは?

 職業経験の不足等から就職が困難な求職者をハローワークから雇い入れ、3カ月間の試行雇用する事でその適性や能力を見極めてから常用雇用へ移行することを目的とした助成金です。

 今まで紹介元はハローワークが紹介した人が雇われた場合が支給対象者でしたが2014年3月からは一定の要件を備えた職業紹介事業者や大学の紹介による場合も支給対象者とされることになりました。

 民間職業紹介事業者は「雇用関係給付金の取り扱いに係る同意書」を主たる事務所(本店等)の所在地を管轄する労働局に提出しておくと、その取り扱いを行うことができます。

支給対象者の拡大

 以前の支給対象者は主にニート・フリーターや母子家庭の母等でしたが、それ以外に学卒で未就職者や育児等で離職後キャリアブランクのある人も対象とされました。次のいずれかの要件を満たしたうえで、紹介日に本人がトライアル雇用を希望した場合に対象となります。

1)紹介日時点で就業経験が無く職業に就くことを希望する者
2)紹介日時点に学校卒業3年以内で卒業後安定した職業に就いていない
3)紹介日前2年以内に2回以上就職や離職を繰り返している
4)紹介日前において離職期間が1年を超えている

5) 妊娠・出産・育児を理由に離職し、紹介日前の時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超えている
6)就職支援をするのに特別な配慮が必要な一定の該当者



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