会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第191号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『中小企業こそ活用したい『選択制確定拠出年金』』
 経営・税務・・・ 『マイホームを売った場合等の所得税優遇措置』
 経理・財務・・・ 『「経営者保証に関するガイドライン」が平成26年2月1日より適用開始されました』
『業績連動型賞与制度/産前産後休業の保険料免除』





 今月の特集

中小企業こそ活用したい『選択制確定拠出年金』


 確定拠出年金(日本版401k)は、公的年金に上乗せされる部分における新たな選択肢として、平成13年10月に導入されました。制度導入から約13年、会社が掛金を拠出するタイプ「企業型」の加入者数が約465万人、実施事業主数18,393社(平成26年2月末・速報値)、運用環境の改善もあり制度導入の動きは加速しています。ただ、確定拠出年金と言うと、将来の年金債務を軽減したい大企業のための制度というイメージが強いのではないでしょうか。

 今回は、中小企業こそ活用を検討したい『選択制確定拠出年金』の仕組みを中心にお話ししていきます。

1.日本の企業年金制度等の概要

 日本の公的年金制度(国民年金、厚生年金)を補完する企業年金制度には、厚生年金基金、確定給付企業年金(DB)、確定拠出年金企業型(DC)があります。中小企業向けということでは、退職金の保全という位置づけで設立された中小企業退職金共済が代表的です。それぞれの制度の概況は、図表1のとおりです。

【図表1】各企業年金制度等の概況

 厚生年金基金は、昨年6月に成立した「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」により、今年の4月から(1)新設が認められない、(2)5年間の時限措置として特例解散制度の見直し(代行割れ基金の早期解散のための方策)、(3)上乗せ給付の保全のため、他の企業年金等への移行について特例を設けるなどの改正がありました。

 厚生年金基金の多くが解散に向かうと言われている中、加入者には少ながらず痛みが伴うことになりそうです。



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マイホームを売った場合等の所得税優遇措置

 平成26年4月1日から消費税が5%から8%へ引き上げられました。

 この引上げに伴い、一時の税負担の増加による影響を平準化し、また緩和する観点から所得税の住宅税制も変更されました。今回はその変更点を踏まえ、住宅を譲渡した場合等の課税方法や優遇措置を確認していきます。

〔1〕住宅等を譲渡した場合の所得税

 通常土地や建物を譲渡した場合は、事業所得や給与所得とは切り離されて税金が課税されます。これを分離課税といい、所有期間に応じて短期と長期に区分されます。

 譲渡年の1月1日における所有期間が5年以内であれば分離短期譲渡所得(所得税30%)、所有期間が5年超であれば分離長期譲渡所得(所得税15%)といい、取得後短期で譲渡した場合は長期に比べ2倍の税金がかかり負担が大きくなります。

 自分が住んでいる土地建物等を居住用財産といいますが、居住用財産を譲渡した場合でも上記で述べたように税金がかかります。

 しかし、誰もが所有し得る居住用財産については通常生活を営む上で必要不可欠なものであるため、税法上多数の優遇措置が設けられております。

〔2〕居住用財産を譲渡した場合の軽減税率

 最初に、居住用財産を譲渡した場合の譲渡益に対する税率が通常の税率より低くなるという措置をご紹介します。

 この特例の要件として所有期間が10年超の居住用財産を前提としているため、通常譲渡した場合は分離長期譲渡所得となり15%の税率が課されますが、この特例を適用した場合、譲渡益が6,000万円までは10%の税率となります。

〔3〕居住用財産を譲渡した場合の特別控除



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「経営者保証に関するガイドライン」が
平成26年2月1日より適用開始されました

 経営者保証に関するガイドラインとは、これまで金融機関に連帯保証を求められていた経営者の個人保証について、以下の一定の要件を満たせば、個人保証を免除・解除することができるものです。

 すでに金融機関から個人連帯保証書を返却されている経営者も多数いらっしゃいます。

 この制度が創られた背景には、経営者保証には経営者へのモラルハザ−ドを防ぎ、信用補完として資金調達の円滑化に寄与する面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、早期の事業再生等を阻害する要因となっているなど、保証契約時・履行時等において様々な課題が存在します。

 これらの課題を解消し中小企業の活力を引き出すため、中小企業、経営者、金融機関共通の自主的なルールとして本ガイドラインが策定されました。 詳細は経済産業省のHPをご確認ください。

要件
(1)法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと
(2) 多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等
(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円〜360万円)を残すことや、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
(3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること

 などを定めることにより、経営者保証の弊害を解消し、経営者による思い切った事業展開や、早期事業再生等を応援しています。



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業績連動型賞与制度

 賞与制度は次の理由から、企業の規模を問わず活用されています。

1. 月例給と比較して夏季・冬季に支給される賞与額が大きく、業績貢献度に応じた支給額決定を行なうことで、モチベーション効果を高めることができる。

2. 賞与は月例賃金と比較して、経済環境、経営環境に連動した増減がしやすく、短期(1年以内)の人件費コントロール、労働分配率の増減に利用しやすい。

業績連動型賞与制度設計の考え方

 小規模企業で採り得る最も単純明快な業績連動型賞与制度の設計方法を例示すれば、次の通りとなります。

1. 会社の営業利益から一定割合の賞与原資を確保する。
(例えば、株主・会社・社員で営業利益を分け合う考え方に基づいて、営業利益の一定割合を原資とする。)

2. 社員の人事考課点の総計で、賞与原子を除して、「人事考課点1点当りの賞与額」を算定する。

3. 社員個々の人事考課点に「人事考課点1点あたりの賞与額」を乗じた額を社員個人別支給額とする。



産前産後休業の保険料免除

平成26年4月から免除期間拡大

 今まで出産育児に関し、社会保険料免除は「産後休業が終了した育児休業開始時から」が対象とされていましたが、産前産後休業中も保険料が免除されるようになりました。

 対象は平成26年4月30日以降に産前産後休業が終了する方です。但し3月にかかった分は対象にならず、保険料は4月分から免除となります。

 条件は産前産後休業期間(産前42日、産後56日)のうち、妊娠出産を理由として労務に従事しなかった期間の保険料が本人、事業主とも免除されます。

手続き方法

 保険料免除を受けるには「産前産後休業取得者申出書」を提出しなければなりません。提出は産前産後休業期間中に行ってください。

 出産前後の提出時期で提出する書類が違ってきます。

1.出産前に保険料免除申出をした場合
2.出産後の保険料免除の申出をした場合
3.産休終了予定日前に産休を終えた場合




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