会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第127号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『本格化する世界同時不況 中小企業のとるべき道』
 経理・税務・・・・ 『起算点と満了点期間とはなんでしょう 他』
 経営・財務・・・・ 『経営支援徒然帖 経営者の心がけ』





 今月の特集

本格化する世界同時不況 中小企業のとるべき道

新規事業は本業の延長上に設定する

「隣の芝生は青い」ということわざがあります。商売で言うと、自分の仕事は厳しく、他の業種は楽そうに見えがちです。しかし、ほとんどの会社の新規事業はうまくいきません。もちろん成功した会社もたくさんあります。例えば、事務機のプラスが進出したアスクルやサッシメーカーが進出した住宅産業等々です。これらに共通するのは、メーカーが小売に進出したとか物づくりの発展上に新規ビジネスを立ち上げた等々本業の延長上にあることです。

第一に、新規事業の難しさは、経営者が他の人に頼ることがまずあります。例えば同じ飲食業でも居酒屋から出発した会社が寿司屋を始めたら寿司職人が必要となります。寿司職人は居酒屋の社員が寿司を握れないことを知っています。そのためなかなか言うことを聞きません。会社の意思決定が届かないのです。

中小企業で一番肝心なのは、社長が全社員が辞めても会社を維持できる、維持するのだという強い決意と覚悟をもつことです。その経営者の求心力が会社を支えているのです。大工、飲食等、職人を使う会社には絶対に必要です。もちろん会計事務所は所長先生が1人でも事務所を維持することができることを皆が知っているので権威があるのです。

第二に、新規事業は商売の勘が働きません。慣れない分野なので勝手が分らないのです。長く下請商売を行ってきた中小企業の経営者の方々の夢は、最終消費者に完成品を売ることで、メーカーになりたいのです。しかし、商品・製品はできますが問題は売り方や価格付け、包装、マーケテイング等々、あまりに未知の分野が多く、費用も見積もれないのです。先が見えない商売になって失敗するのです。

第三に、現行の社員がついて来ないのです。社長が一生懸命やっても社員が今の仕事から抜け出ないのです。新規事業で赤字を出そうものなら不満たらたらです。本業に関係し、本業に還元できる仕事なら社員の納得も得られやすいのです。


低価格路線・・中小企業は生き残れない

世界同時不況の中、中小企業の経営も一段と厳しくなっています。ここで気を付けないといけないのは、素人経営者のやる手口として「安売り合戦」の参戦です。大企業ならスケールメリットも考えられますが、中小企業で安売りに走ったらおしまいです。理由は2つ考えられます。

第一の理由は、安売りに走ったら一時的に売上額がアップしますが、利益が出ないことです。100円のものを10円に値下げし利益を単純に維持するなら、10倍売上を増やさなければなりません。10円でも100円でも手間が同じなので、10倍社員が働くことが前提です。

第二の理由は、努力しないからです。売る方法や、商品力に自信がないため安売りに走っているのです。顧客のニーズに応え、不況でも売れるもの・必要とされるもの・費用対効果を出すことが必要なのです。

会計事務所で言えば、「不況こそチャンス」です。景気が良くて、会社が順調な時に誰が税理士を変えようと思うでしょうか。不況で資金繰りが厳しくなった時、経理を経営に活用するためのアドバイス・資金繰り支援・経営改善の支援・迅速な経営数値の提供等々、会計事務所の力が見直されます。

経営計画を経営者と一緒に立て、月次決算を行い、会社の経営上の課題・決算予測・資金繰り予測をし、常に先行して金融機関に資金調達の財務指導をしてくれる会計事務所が必要とされます。

そのため、記帳代行や税務申告程度の経理・財務知識では安売りになってしまいます。顧問先の経営の厳しさから、経費削減の一番に会計事務所の顧問料がターゲットになってしまうのです。先日、税務署の統括官と話す機会があり、法人から個人経営に変更し、税理士から青色申告会や無料相談会へシフトする零細企業が増加しているとの話を伺いました。会社が成長し、会計事務所も成長するというサイクルを確立しなければ、会計事務所も企業も生き残る道はありません。

高い品質・サービス「顧問先の成長」、この素晴らしいサービスならこの価格もやむを得ないというサイクルが必要です。経営会議は経営陣と意思決定する場に会計事務所が立ち会え、サービスの成果を経営陣に毎月アピールできる場をお金を頂きながらできる一石三丁の場です。


していい借金、してはいけない借金

最近また「貸し渋り」という言葉が氾濫しています。中小企業の経営者は、独立する勇気、自立心旺盛、冒険家が多いのか、借金好きな人が多いようです。

借金は原則を守っていればどんどんすべきでしょう。

では借金の原則とは何でしょうか?それは「リスクのないこと」あるいは「限りなくリスクのないこと」です。

リスクのないこととは、「店が繁盛しもう1店舗出店したい」「受注がとれ、仕入・外注、前途金の代金」「商品完成、広告宣伝費」等々です。現在で言えば、不動産業の「不動産値下がりによる買取資金」も入るかと思います。つまり、中小企業のリスクのない借金とは、「現在黒字経営で、その成功体験を拡大させたい」資金ということです。

現在赤字でニッチもサッチもいかない会社が、起死回生の新事業を借金して行うというケースは万馬券を購入するようなもので、絶対成功しません。何故でしょうか。余裕がないからです。車の運転も、あらゆるスポーツも余裕が必要です。力を抜くことが秘訣です。全財産を投入して万馬券を購入した人は本人が気づかなくとも形相に現れます。そんな鬼のような形相をした人を社会はしっかりと見ています。善意の人はその痛々しい姿に同情はしますが、一歩引きます。

また、悪意の人は、そんな経営者を利用しようと儲け話・出資話・協力を申し出ながら、ひと商売を打とうと考えます。そのため食い物にされて会社が破たんするのです。

赤字経営の場合、まず赤字の原因を突き止め、企業規模の縮小、固定費の圧縮、損益分岐点の引き下げから手を付けます。そして、その結果、赤字から黒字経営へ転換し、借入金が月商の3倍以内に収まった頃、その本業の成功体験を元に新たな新規事業やフランチャイズに参加する等してリスクをできるだけ減少させながら、事業規模の拡大を目指します。


小企業の資金繰り対策

20年前には、当座貸越という制度があり、一定の与信や担保提供しておくと、1千万円や2千万円の範囲で、小切手を切り、当座預金がマイナスになっても自動的に融資をしてくれる制度がありました。現在もその制度があるかもしれませんが、筆者の知っている範囲では現在新規の当座貸越は困難とのことです。筆者の会社も再三銀行にお願いしましたが、「現在当銀行は取り扱っていません」と断られました。小切手を使用している会社であれば、小切手振り出しごとに銀行の当座預金残高を確認しながら、小切手を切っているはずです。当座貸越の制度があれば、相当気楽に小切手を切れるはずです。金利も使った当座貸越金額だけを支払えばよく、ムダな借入金利もいりませんでした。

▼当座貸越に対応する対策 経営者 個人の定期預金

便利な当座貸越に対応する対策として考えられるのは、経営者個人の定期預金を作り、90%で自動融資してもらえる制度を活用することです。経営者は無論、奥さん、お子さん名義で定期預金を作り、それぞれ自動融資制度を活用すれば、800万円程度の当座貸越制度に近いものがすぐ作れるはずです。いざとなれば瞬時に800万円程度のお金が用意できるのであれば、年商5億円程度の規模の会社であれば、充分なはずです。


本体価格よりも ランニングコストに注意

セコイ節約は意味がありませんが、ランニングコストのことを考えることは重要です。

例えば、今ではどの会社でもパソコンが活躍し、プリンターを使っています。プリンターは本体価格よりも、トナー代の方が重要です。本体価格10万円程度のカラーレザープリンターのトナー代が5万円程度します。2回トナーを購入すれば、本体が買えてしまうのです。純正トナーではないと心配という方も多いですが、リサイクルトナーを使うのも一考です。また、コピー機も購入の際は、本体価格よりも、保守料・カウンター料を考慮すべきです。

また、失敗したコピーの裏紙を使用されている会社もあるようですが、紙づまり等で、人件費を使用していないかを考える必要があります。最低賃金でも、時間2千円のコストがかかり、1分33円がかかっています。コピーの修繕に10分使えば、330円です。現在コピー用紙は500枚で300円はしないはずです。

何かを購入するとき、本体価格・消耗品費・維持・保守料・投入時間という5つの判断要素を考えることが肝要です。


20対80の法則・・・パレートの法則で経費を管理する

有名なパレートの法則は、あらゆるビジネスシーンで応用できます。例えば、経費のコントロールですが、上位から2割の経費を管理するだけで、経費全体の8割が管理できると応用できます。

では、業種ごとに違いますが、その2割の経費とは何でしょうか。飲食・小売業であれば、原価+人件費+地代家賃+水道光熱費リース料+広告宣伝費など。これがサービス業であれば、外注費+人件費+地代家賃+リース料となり、個別的に、会計事務所であれば、人件費+地代家賃+コンピューターのリース料でほぼ8割の経費がかかり、建設業であれば、材料費+外注費+労務費でほぼ8割に達しているのではないでしょうか。建設業の経営環境が厳しいとすれば、固定的な労務費の支払いと納期管理、進捗管理、生産力のアップが根本的な経営課題と言えます。また、固定的な労務費を支払える固定的な売上の確保が中期的には経営課題だということが簡単に理解できます。景気後退期によく見られる、いらない電気を消す、文房具の購入を控える、水道に節水コマを入れる等はセコイ経営手法と言えます。効果が0とは言えませんが、まず8割の経費をしっかり管理することから始めることです。

私見では、経費のコントロール、進捗管理、生産力アップは経営者が笛を吹いただけではなかなかうまくいかないということです。2・3人の零細企業で、労働時間のすべてが経営者と一緒であれば管理もできますが、そうでない場合がほとんどと言えます。そうであれば、頑張った、頑張らなかった、かかった経費が自分の懐に響くという経営管理システムの導入が必要です。例えば、店舗別の損益管理をしっかりと月次決算し、その利益を一定の割合で還元するシステムにすれば、「材料のムダな廃棄」「アルバイトの不必要な勤務」「ムダな社員の増員要求」等がなくなるはずです。働く人からすれば、理想は会社が倒産せず、給与が高く、仕事が楽で、好きなことができればいいのですが、公務員でも厳しい昨今そんなうまい話はありません。一般的に平成2年のバブル崩壊以降、上記の3大経費のうち、原価・地代家賃が劇的に下落したと聞いています。バブル以降売上が3割以上下落している会社は多数です。そのような会社はつぶれていないとすれば、売上の下落=人件費の削減で乗り切ったという以外にはありえません。中小企業は社長の役員報酬や社員を減らし、給与を減らし、アルバイトや派遣でやっと会社を維持しているのが一般的な姿ではないでしょうか。

世界同時不況の中、社員のモチベーションアップ、効率アップ、経営戦略の見直し等が経営者に問われます。





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1. 起算点と満了点期間とはなんでしょう
2. もしも従業員が裁判員になったら
3. 「賄い」にご注意を

起算点と満了点期間とはなんでしょう

期間というのは、「ある時点からある時点までの継続した時の区分」といわれています。この期間は、さまざまな場面に登場します。例えば、人を雇った時の期間、あるいは、物を貸すときの期間などがあります。特に、税務における権利義務の発生・消滅に関する期間の計算は、とても重要です。

この期間の計算、すなわち、はじめの「ある時点」(起算点)はいつで、終わりの「ある時点」(満了点)はいつなのか、ですが、その原則的な取扱は民法に定められています。では、その取扱を見ていきましょう。


時・分・秒を単位とする計算の場合

この場合は、即時より起算点になります。例えば、今から(午前10時20分30秒としましょう)から2時間といえば、起算点は午前10時20分30秒、満了点は午後12時20分30秒となります。


日・週・月・年を単位とする計算

この場合は、初日が完全に24時間あるとき(例えば、「明日5月1日より3ヶ月間」というように初日である5月1日が完全な1日であるとき、つまり午前零時より始まるとき)以外は初日を数えません。例えば、平成20年5月5日午前9時現在に「今から3日間」といえば、5月5日は完全に24時間ありませんので、翌日5月6日(起算日といいます)の午前零時から計算し、5月8日(末日といいます)の午後12時(夜の1時)までの3日間をいうことになります。

月・年を単位とする計算の場合

この場合は、日数に換算しないで暦に従って計算します。そして、月または年の最初から期間を起算しない場合には、起算日にあたる日の前日を末日とします。例えば、平成20年5月5日午前9時に「今から3ヶ月間」といえば、平成20年5月6日が起算日、暦で5月6日の応当する3ヶ月後の日は8月6日、その前日は8月5日ですから平成20年8月5日が末日となり、その午後12時(夜の12時)が満了点になります。これが1年でも計算は同じです。

なお、末日が祝日・日曜等の休日にあたるときは、その次の日を末日としています。また、最終の月に応当する日がないときは、その月の末日としています。


税務における期間の計算

税務における期間の計算に関する定めは、国税通則法に定められていますが、その取扱は、民法の定めとほとんど同じです。



もしも従業員が裁判員になったら

来年、5月21日から裁判員制度の開始が予定されています。先ごろ、裁判員名簿に記載された方宛てに名簿記載通知が発送されたとの報道がありました。名簿に記載されると、裁判員に選ばれる可能性がありますので、準備が必要です。


仕事を理由に拒否できるか

裁判員法では、「その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがある場合」には、辞退の申立てができるとされています。ただし、辞退を認めるかどうかは、質問状等をもとに各裁判所が判断することになっています。


出頭日の取り扱い

裁判所に出頭する日は、会社を休む必要があります。労働基準法では、従業員が労働時間中に、公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合には、企業側は拒んではならないとされています。ただし、有給休暇扱いにするかどうかは法律上定められていませんので、各企業の判断によります。裁判所では経済団体等に対し有給休暇制度の導入を働きかけているため、大企業を中心に有給休暇を認めるとする企業が出ていますが、人材の少ない中小企業においては、負担は軽くはありません。なお、就業規程上、従来から公職執行時間を無給としている企業では、これに準じた扱いをすることも考えられるでしょう。

裁判所に通勤途中に事故にあったら

裁判員は,非常勤の裁判所職員ですので、通勤途中に事故にあった場合、国家公務員災害補償法の適用を受け、補償を受けることができます。裁判員候補者についても同様です。


日当は出るの?

裁判員候補者・選任予定裁判員については1日当たり8千円以内、裁判員・補充裁判員については1日当たり1万円以内で日当が決められ、旅費は最も経済的な経路で計算し支給されます。この日当等は、実費弁償的なものであるため「雑所得」として取り扱われますので、確定申告が必要です(年末調整を行うサラリーマンで、給与所得以外の所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は不要ですが、地方税の申告は必要です)。



「賄い」にご注意を

飲食店や企業等では、昼食等に、従業員に賄いや仕出し弁当を取り寄せて提供している場合があると思います。 この食事代は、福利厚生費等に計上しておくだけでよいというわけではなく、給与所得として課税される場合があります。税務調査で指摘され、追徴税額を支払ったというケースもありますのでご注意を。


課税されないための要件は?

(1)役員や従業員が「食事の価額」の半額以上を負担していること
(2)会社が負担した金額(食事の価額―従業員等の負担額)が、月額3千5百円(税抜き)以下であること

これらの要件を満たさない場合には、差額が給与所得として課税されます。

たとえば、500円の仕出し弁当に対し従業員が200円だけ負担した場合には、差額の300円が給与所得になります。また、従業員が半額の250円負担していたとしても、会社の1か月間の負担額が累計で3千5百円を超えてしまうと、会社負担額全額が給与所得として課税対象になります。


食事の価額とは

(1)飲食店の賄いや社員食堂のように自社で調理した食事を提供している場合には、食材や調味料等食事を作るのに直接かかった費用の合計額
(2)仕出し弁当等を取り寄せて支給している場合には、業者に支払った金額


課税されない場合もある!

(1)残業又は宿直若しくは日直をした者に対し、これらの勤務をすることにより支給する食事

(2)深夜勤務者に夜食の支給ができないため現金で食事代を補助する場合で、一食当たり300円(税抜き)以下の金額を給与に加算して支給する場合

(3)社内等での会議に際して供与されるお弁当の費用は会議費ですので、通常は給与課税されません。


(提供:デイリーコラム)





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経営支援徒然帖 経営者の心がけ

企業の急拡大は要注意

財務を少し勉強すればすぐ分かりますが、会社が急拡大すれば色々な矛盾が起こります。先日も、人材派遣業の社長から「先生、売上が昨年の倍に伸び、利益も倍に伸びたのに資金繰りが全然楽になりません。これは一体どうしたことですか」と質問がありました。当たり前ですが、売上と利益とお金は直接リンクしません。売上が3億円から6億円と倍になっても、売掛金の回収は早くても2か月後、それに対して人件費は当月支払です。最低、増加した売上分の2か月分の人件費が不足することになります。また、利益が増えると最低40%近い税金の支払いが発生しますので、その分の納税資金も用意しておかなければなりません。通常どのような商売でも掛けで仕入れて掛けで売るのが原則ですが、人材派遣業はそうはいきません。必要運転資金=売掛金+在庫―買掛金で自社の必要運転資金を算出しておき、資金調達可能か否かで商売の手を広げていくことが肝要です。お金があったらという「タラレバ」が会社を倒産させます。


社長は月次の決算書・試算表で この「経営数字」だけは押さえておこう

(1)前期・予算より売上は増加しているか
(2)前月より売掛金は増加していないか
(3)前月より在庫は増加していないか
(4)現預金残高はいくらあるか
(5)定期預金・定期積金はいくらあるか
(6)固定資産は増加しているか
(7)前期・予算と比較して売上総利益・営業利益・経常利益は増加しているか
(8)3大経費(業種によって違いますが)原価・人件費・地代家賃等は売上の75%以内か
(9)買掛金・未払金の残高は増加していないか
(10)支払手形は増加していないか
(11)借入金は増加していないか
(12)借入金の残高は企業実態から見て適正か

これらの経営数字を月次定例の経営会議・役員会等々で確認し、「異常値や問題点、危険信号」について顧問税理士や担当者に聞いてください。

異常値について、その発生原因を確かめることが大事です。

(1)原因が一時的なものか・・来月の実績を見て一時的か否か考える
(2)経営環境の変化や構造的なものか・・経営構造の抜本改革、企業リストラ、再構築を図る


資金繰り対策の第一歩・・・ 社長が資金繰りの責任を持つこと

社長の一番大事な仕事は、会社を倒産させないことです。倒産させないこととは、会社の資金繰りに責任を持つということです。

ダメ社長とは、資金繰りを経理担当者や長年の番頭さん任せにしている人です。彼らは本質的にリスクを背負っていません。本質的にリスクを背負っていない人が資金繰りに責任を持つことはありえないということをまず知るべきです。そこでは、社長の奥さんの方がリスクを背負っているのです。では具体的に資金繰り対策を考えてみましょう。

(1)金融機関に融資をお願いする。
(2)銀行に貯めておいた定期預金、定期積金を取り崩す。
(3)会社の遊休資産を処分する。
(4)社長個人の自己資金を使う。
(5)資本金の増資を実行する。
(6)社債(少人数私募債)を発行する。

まともに考えるなら、そう多くはありません。金融機関からの資金調達が困難であれば、増資も社債もさらに困難ですから、日頃の定期積金や税金対策とも連動した保険加入、社長個人の貯蓄が大事であると思います。ダム理論と呼ばれている「いざという時の準備」を社長は充分考えながら経営をしたいものです。


社員の関心は自分の給与や賞与とやりがい、任せてもらうこと

社長も一度は人に使われていた身。その時の自分を思い出せばいいものを社長となった途端そんなことはきれいさっぱり忘れ去った社長がなんと多いことでしょうか?

社員が働きやすく、能力も発揮できる会社の条件は何でしょうか? 誰でも簡単に思つくことを2つ考えました。

1.職場が明るい。
(1)物理的に明るい
  日あたりが良く、電気も明るい。
(2)人間関係が明るい
 ・会社が儲かっている。
 ・同業他社より若干給与水準が良い。
 ・経営情報が公開され、経営数値で業績賞与が支給される。
 ・報告・連絡・相談の風通しが良い。
 ・経営陣・管理職・社員の権限と責任が明確である。

2.社員が自慢できる「社長」や「会社」である。


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