会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第123号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『私的経営管理法則〜私的な経験を普遍化すれば何かが見える!〜』
 経営・財務・・・ 『経営者の嘆き…雨なのに傘がない』
 経理・税務・・・ 『貸倒損失は早くても遅くてもダメ』





 今月の特集

私的経営管理法則
〜私的な経験を普遍化すれば何かが見える!〜

一流の経営者はその人なりの経営哲学を持っているものです。経験から得た経営のエッセンスを、ある種の公式や数式に落とし込むことができれば、説得力を増します。

「売上の80%を20%の上位顧客で稼ぐ」というパレードの法則はあまりにも有名です。

私的に経験から学んだ経営管理の法則を整理してみると、色々な事が見えてきます。思いつくまま幾つかの経営管理の法則を並べてみました。自分なりに儲かっている会社・儲かっていない会社の共通項を整理してみると、違った目で会社を見ることができると思います。

ぜひ皆様も自分なりに頭の整理整頓をしてみませんか。まとまりましたら是非当社までメールをください。メールを出す


1.1人あたり売上総利益は1千万 円以上を目標に

売上総利益÷社員数=1千万円以上を目標

※注意※
社員数・・・パート・アルバイトの人数は、全労働時間/年間会社労働時間かパート・アルバイトの雑給総額/社員平均年収で換算した社員数

1人当たり売上総利益1千2百万円超の会社で赤字はほとんどないが、800万円以下で赤字会社が急増します。

中小企業の対売上総利益人件費率はどんな業種であれ、ほぼ50%です。1千2百万円の50%は約600万円。人件費に600万円程度支出できる会社は相当余裕があり、働いている社員のモチベーションも相当高いといえます。逆に、1人当たり800万円程度の会社の人件費は約400万円。ここに、通勤費や会社負担の法定福利費等が入れば、平均月収は賞与年2ヶ月分としても、(400万円−80万円)÷14ヵ月として、23万円程度の給与しか出せません。それでは優秀な社員も集まらず、モチベーションも上がりません。もちろん給与が全てではないですが、付加価値が低いか、社員の労働生産性が悪いか、検討された方がいいでしょう。1人当たり売上総利益が800万円を切ったら要注意です。社員の棚卸が必要です。


2.原価+人件費+地代家賃は75%以内に押さえる

原価率+人件費率+地代家賃率=75%以内を目標

いかなる業種であれ、上位3位までの経費が75%以下に押さえ込まないと赤字経営に陥りやすくなります。
飲食業・小売業であれば、仕入原価・人件費・地代家賃の対売上比率が75%以内に押さえ込む必要があります。

[例]原価率35%、人件費比率30%、地代家賃10%と合計75%程度であれば、営業利益5%も可能です。その構成比が都心の繁華街で、家賃が15%程度と高額であれば、人件費か原価率を落とし、両方で60%程度にしなければ、経営は厳しいといえます。

余談ですが、焼肉屋と粉物「もんじゃ、お好み焼き等」がなぜ儲かるのかは、人件費が他の飲食より低額だからです。なぜ低額か?それは客が料理をするからで、高い板前さんや料理人が不必要だからです。フランチャイズや脱サラも多いのもこの理由です。


3.地代家賃×10<1ヶ月の売上高

新規出店の目安は家賃の10倍の売上が可能か否かがポイントです。

売上対家賃の目安は10%。この数字は江戸時代から家賃は3日分の売上で稼ぐと言われていることとほぼ符号します。
家賃30万円であれば、売上が300万円もあれば、そこそこ利益が出ます。家賃60万円で売上が300万円であれば、家賃対売上高は20%。原価率30%で90万円、人件費90万円として、3大経費で210万円。残り90万円で、水道光熱費・通信費・手数料・経理費・支払利息・減価償却費等をまかなおうとすると、経営が苦しいことはすぐ分かります。

小売・飲食業の新規出店を検討される際、家賃対売上高10%を目安にされると良いでしょう。


4.少額であれ固定的収入を確保する経営

経営基盤を安定させるためには、月々少額であれ、定期的な仕事があるかどうかが重要です。

売上の増減が激しく、高価な売買がある不動産業でも、忘れてはいけないのが、月々の安定的な収入です。確かに一戸のマンションを販売すれば、500万円の利益があっても、一戸のマンション管理料収入1万円がもっと大事なビジネスなのです。建売業者なら、プロパン設置による使用料収入3千円、100戸も建売販売すれば、月々30万円の固定収入が永遠に入ってくるのです。コピーのカウンター料、電話の基本使用料、パソコンの保守管理料等々、大きな不定期な収入よりも少額であれ、固定的収入を確保することが倒産しない会社づくりに最適です。一番倒産の少ない会計事務所等の経営のコツは、月々の定額の顧問料で定額の家賃と月額給与をまかなうことです。月額顧問料が200万円、家賃40万円として、所長先生と職員の月給で160万円程度と大枠で経営判断をされれば倒産は無縁です。決算料・経営計画作成料・相続税申告・確定申告・税務調査等の臨時収入で、それ以外の経費をまかなうという計算で充分余裕をもって経営ができます。このようにあらゆる業種でも、定期的に少額であれ、固定的収入を確保し、その範囲で固定費を賄えば、絶対倒産はしません。


5.快適な労働環境づくりが儲かる会社をつくる

儲かっているから会社が明るいのか?会社が明るいから儲かっているのか?卵が先か、鶏が先か、ではありませんが、儲かっている会社は物理的にも精神的にも「明るい」という印象があります。働いている人が生き生きと働いている会社は儲かっています。
では働いている人が快適と思える労働環境とはどのようなものでしょうか。簡単です。読者のみなさん自身が働いてみたい会社を想像されればいいのです。私なりに挙げてみます。

(1)経営者に私利私欲、公私混同の要素がない。

(2)物理的に明るい・快適な労働環境・日当たりが良く、電気も明るく、清潔、整理整頓が行き届いた環境

(3)人事や給与の分配が公平であり、透明性がある。働いたことが正当に報われる報酬体系になっている

(4)安心して働ける
病気・出産・育児・死亡・退職のセイフティーネットが整っている。

昨今、不二屋・ミートホープ・船場吉兆から飛騨牛まで、社員の内部告発による様々な不祥事が起こり、会社の破綻に至ったケースも少なくない。これらの会社の共通項は、社員が倒産しても構わない、会社にひどいことをされた等々つまり社員が快適ではなかったことです。


6.「仕事」と「作業」の区別をはっきりさせること

絶対に黒字経営が可能な方法とは、経費が全部変動費の会社です。売上が0円なら経費も0円。これを応用すれば、可能な限り固定的な経費を減額し、売上が増加すれば増加する経費をつくることが経営に大事かが分かります。中でも固定費の最大の経費は人件費です。

固定的な社員を極力減らし、多少高くても派遣社員や外注の方が、経営管理から見て正解だということが分かります。月曜日の雨の日、お客さんが全く来ないなら、アルバイトに時給の半額を支払っても自宅待機してもらった方が、経営的に儲かります。年間を通して、季節変動の激しい商売の場合、年間最低稼働量に合わせた固定社員を入れ、それ以上の変動仕事量は例え高くとも派遣や外注で対応することです。そのためにも、経営者は、「仕事」と「作業」の区別をはっきりさせ、「作業マニュアル」をしっかり作ることです。高い給与の社員には、判断や管理といった「仕事」をしてもらい、パート・アルバイト・派遣社員には、定型・反復・マニュアルに沿った「作業」をしてもらうことが必要です。

儲からない会社の口癖とは、「うちの会社の仕事はプロでないと難しい。素人ではできません」とおっしゃる会社です。儲かっている会社は、プロしかできない仕事と誰でもできるようになる仕事を区分しています。


7.(借入金−預金)=純粋な借入金は月商の3倍以内

中小企業の平均の売上高経常利益率は2%。経常利益÷売上高。現在一番低利である国金の貸付金利が2.55%、1億円の売上で経常利益は200万円。1億円の借金で支払利息は255万円。そこから逆算すると、55万円の金利を稼ぐためには、売上は2,750万円、月商の3.3ヶ月分にもなります。逆算すると、売上高の(1−0.33)、8.7ヶ月分の借入金があると、支払利息で経常利益が消えてしまうことになります。一番安い金利で8.7ヶ月なので、これが4%の金利になると売上の6ヶ月分になります。どんなに多くても月商の6ヶ月分、おおむね月商の3ヶ月分程度の借入金を目標にしたいものです。ただし、この計算には、借入金から定期預金、余剰預金を引いたもので判断してください。お金を沢山持ち、借金が多い会社も最近では多くあります。いつ貸し渋りがないとも限らないという経営者の心理が強いからでしょう。


8.固定資産÷(固定負債+自己資本)=100%以内

固定資産と長期負債、純資産の部との関係に注意します。

過剰投資や資金繰りの厳しい会社の特徴として無計画などんふり勘定経営と放漫過剰投資経営があります。固定資産を自己資本、資本の部で賄っていれば資金繰りは万全です。よしんば自己資本、資本の部以外でも長期の借入金や経営者から借入金で賄っていれば、そう資金繰りも忙しくはありません。これが固定資産を短期借入金や買掛金、源泉預かり金で購入したとなると、固定資産の回収は減価償却費であり、耐用年数の期間が回収期間となり、何年・何十年も回収にかかり、短期借入金の返済は1年以内とすれば、返して借りての繰り返しが資金繰りの前提となっています。返しても1回でも貸してくれなければ倒産という綱渡りの投資ということは小学生でも少し考えれば分かります。


9・経営の原点、利益が出て、在庫・売掛債権が増加していないか管理する

商売の原点は行商。行商とは、現金1万円で魚・野菜を仕入れ、それを1万5千円で売り、5千円の利益を得ます。次の日に再度、1万円で仕入れ1万5千円で売ります。この商売のコツは、売れ残った商品は捨てるか、タダでも売却することと現金取引であることです。その商売のコツは、現金商売と在庫を持たないことと商売が単純であることです。これが倒産や放漫経営と無縁なコツです。お金を残せない、経営管理ができない経営者は、現金売上、仕入代金の現金払いや日払い給与がお勧めです。


10.細かい経費よりも大きな経費から管理する

「安物買いの銭失い。」一見安く見えて、結局損をしている人が毎日溢れています。節約を奨励している経営者に多いですが、一つ例を挙げれば、電気を暗くしている店舗や事務所があります。暗いところで購買意欲が増加するでしょうか?また、仕事がはかどるでしょうか?顧客も働いている人も明るい方がいいのではないでしょうか?もちろんムダな電気は不必要です。また、コピー用紙の裏紙を使っている会社も多いです。これもムダな失敗コピーをなくすことは当然としても、1枚0.5円のコピー用紙を整理するのに時給2千円を超える社員を使用していることは矛盾ではないかということです。細かい経費の節減ばかりに目が行き、大局的見地からものごとや会社の経営状態を見ていくべきだと思います。細かい経費より大きな経費をまず管理し、段々細かい経費に目を光らせる。この順番を間違える経営者は多いです。


11.一番大事な経営の法則

▼「お金で買えないものが本当の価値」

情報通信の発達により、風紀上よくない人達にとって、私たちは全部鴨です。「社長 もうけ話があるのですが?」という電話。少し考えれば、もうけ話を人にタダで教える人がいるでしょうか?もうけ話は「未公開株」「金の先物」から「とうもろこし」まで色々あります。人にお金を預けて、何もせずに増えると考える方がおかしいと思いませんでしょうか。先日テレビで「詐欺師は大阪人を避ける」という話をしていましたが、確かに大阪では振り込め詐欺の被害が極端に少ないようです。大阪人は昔から商人の教育がされており、良い意味で大阪人はお金に対するコンプレックスが少ないこと、お金で見栄をはる人が少ないことだと思います。人間のプライドがお金では余りにも寂しいと思いませんでしょうか。ライブドアの堀江氏が「お金で買えないものはない」といって叩かれましたが、「お金で買えないものが本当の価値」ではないでしょうか?商売では、「信用」「ブランド」と呼ばれるものは、お金で買えそうで買えません。これらのものは、お金のためではなく、社会のために役立ちたい、良いものを社会に送り出したいという「想い」が創ったものではないでしょうか?

▼有名な経営管理の法則「80対0の法則」

イタリアの経済学者、ヴィルフレド・パレードは19世紀末、ヨーロッパ諸国の経済データを研究しているうちに、一定の法則があることに気がつきました。それは、「人口の2割が全体の8割の富を占有している」というものでした。これはビジネスの世界に負応用され、「少数の原因が多数の結果を生み出す」という普遍的原理として様々な経営管理方法に活用されています。

[例]「品揃えをどのように変えても、売れるのは上位2割の商品」
「在庫管理は売れ筋の2割を管理しておけば、8割の商品管理は可能」
「経費は上位2割程度をしっかり管理しておけば、8割の経費が管理できる」
小売り、飲食業では、「パレードの法則」は「ニッパチの原理」と呼ばれ、すでに常識になっています。





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経営者の嘆き…雨なのに傘がない

1.選別融資増加中、急げ!財務体質の改善

「全部の金融機関から手の平を返すように融資が全面ストップになった。」反対に、「金利1.8%でいいから毎日借りてくれとうるさい。」と会社によって金融機関の融資姿勢は正反対になりつつあります。しかも、この差が広がるのはこれから年末にかけてが本番です。年末までに「不動産業、建設業、運送業、内装業等」を中心にして、激しい倒産ラッシュが続くことは明白です。

新聞には「中小企業への貸し渋りはけしからん。」と金融副大臣から厳しい行政指導があったと宣伝していますが、行政が中小企業への融資促進を図るのなら、国金の無担保融資の拡充(無担保枠を2千万円から4千万円へ増額したと国金は言っていますが、実態は厳しい審査があり、申請そのものも会社に傷が付くと事前ストップさせています。)及び保証協会の80%部分保証から100%保証へ戻せばいいのです。問題は民間の利益を追求する金融機関が貸倒損失を恐れ、無担保・無保証のビジネスローン商品をほぼ全面ストップさせていることです。


2.金融機関の融資姿勢

ここ数年ビジネスローンという無担保、無保証融資の拡大を図った金融機関が、昨年の7月頃から本来の融資姿勢に変わった事に経営者、経理担当者も気づくべきです。中小企業への本来の融資姿勢とは、保証協会付き融資が本筋であり、業績も良く、規模も大きく、個人資産もたくさんある「上得意先企業」にはどしどし融資する、それ以外の会社には原則無担保融資は一切しません。その判断基準の一つに、企業格付があります。「企業格付」には社長の人柄など定性要因も加わりますが、80%以上は財務数値です。各金融機関独自の機密扱いで評価は各行によって多少異なりますが、概ね同様です。 また、「企業格付」とは『倒産確率』をスコアにしたものですから、情緒的な判断を出来るだけ排除すべく、財務数値のうち「差引営業収支と償還返済年数」が特に大きな要素として融資の重要な判断基準とされます。

「差引営業収支」とは、営業上の収入から営業上の支出を差し引いた金額で、通常「当期利益+減価償却費」ですが、「金融余力」と同じものです。ただし、当期利益を税引前利益か税引後利益かで変わってきますが、原則的には「税引後利益」の方が健全です。

また、「償還返済年数」ですが、(短期借入金+長期借入金−現預金)÷金融余力で計算します。

(例)短期借入金2,000万円、長期借入金30,000万円、手元現預金15,000万円、金融余力800万円の会社の場合の償還返済年数は、(2,000万円+30,000万円−15,000万円)÷800万円=21.25年 となり、償還返済年数は10年超となり、まず新規融資は困難となります。

格付が低く、『倒産確率の高い会社』に対して基準を超える融資をすることは、金融機関の内部統制上からもいっそう困難な時代に突入します。そのため、財務改革は急務なのです。


3.会社の対局をつかむ・・決算書の数字を大きくつかもう

細かい経営数字は経理担当者や会計事務所に任せて、経営者が押さえておきたい決算書の数字にはどんなものがあるのか?

まず、決算書には大きく貸借対象表と損益計算書があります。

損益計算書のポイント(4つの利益を見る)

(1)売上総利益
通称「粗利」で、粗利の正反対は原価率です。業界の粗利率と比較して問題がないか確かめてください。薄利多売か付加価値が高いのかを検討してください。売上総利益÷社員数で1人当たりの売上総利益を調べてください。1人当たり売上総利益が1,200万円以上あれば、超優良企業、700万円以下なら、生産性と付加価値に大問題。人件費倒産が起きます。

(2)営業利益
売上総利益−販売費及び一般管理費=営業利益ですが、営業利益は会社の基本的な利益を示しています。営業利益が0かマイナスであれば、ビジネスモデルが破綻しており、倒産一直線で、救いようがありません。ここでのポイントは、人件費と地代家賃です。人件費と地代家賃が販売費及び一般管理費のほぼ六割から七割を占めているからです。地代家賃の10倍の売上が上がっているか?人件費が売上総利益50%以内で収まっているか?等々を検討してください。

(3)経常利益
主に営業利益+雑収入−支払利息=経常利益ですが、通称「ケイツネ」と呼んで金融機関が重視する利益で、1カ年の会社の経営成績を示すものです。一部経営者に金利を経費と考えない人を見かけますが、支払利息も立派な経費で、金利を支払って利益が出るのか、金利負担が大きくないかと検討する必要があります。

(4)税引き後利益
経常利益+特別利益−特別損失−法人税等=税引き後利益ですが、最終利益ともいうべきもので、これが会社の自己資本増加額となります。


貸借対象表のポイント

(1)流動資産÷流動負債=流動比率
お金に困っているかがすぐにわかります。銀行は「お金」のあるところに安心して「お金」を貸します。流動比率は200%以上が理想的と言われています。銀行に足元を見られないように「お金」はたっぷりもっておきたいものです。
コツは決算期末に必要がなくともお金を借りておくこと。預金/長期借入金とすれば、流動比率は一挙にアップ。決算期を終えれば即返済すればいいのです。

(2)固定資産÷(固定負債+資本の部)=固定長期適合率
この比率が100%を超えたら、過剰投資とすぐ分かります。固定資産の資金調達は、資本と長期借入金で賄うのが原則です。固定資産を短期資金の流動負債で調達していれば「お金」に忙しい会社になります。そんな会社に金融機関は「お金」を貸しません。

(3)資本の部÷資産=自己資本比率
これは良く知られた比率ですが、限りなく100%に近い会社が優良会社です。資産を借金なしで購入していれば、倒産の心配はありません。業種、業歴によってもちがいますが、目標として50%、最低30%を欲しいものです。


■平成十九年度版中小企業の財務指標
・サ―ビス業 26.0%   ・建設業 21.6%   ・飲食業 16.9%
・小売業   19.5%   ・製造業 18.6%   ・卸売業 17.6%
・病院    36.6% となっています。

これら同業他社の比較経営分析をできるツールが (株)プロフィットより発売されていますので ぜひご参考ください。
【決算資金診断・金融機関格付】





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貸倒損失は早くても遅くてもダメ

貸倒損失が認められる場合

売掛金や貸付金が回収不能となった場合は、貸倒損失として損金に処理できます。
しかし回収不能かどうかの判断は様々で、税務上では通達で大きく以下の3つに分けて通達で細かく条件を定めています。

(1)会社更生法や特別精算・債権者集会での決定・書面による債務免除等法的に債権が消滅した場合。
(2)実質的に債権の全額が回収できないことが明らかになった時。
(3)売掛債権が取引停止後1年以上回収できないときや、回収のコストが債権金額より大きい時。


人情としては早く落としたい

売掛債権などは売上に上げて収益としていますから、どうせ回収できないのなら税金を払う前に損金として落としてしまいたいのが人情ですが、回収不能の条件を満たしていない場合は、税務上損金として認められませんからご留意ください。


遅い分ならかまわないのか?

逆に今期は赤字なので、回収不能が明らかとなったが、来期に落とす分には遅いのだから問題はないだろうと、そのままにしておいて次の期に損金に落とした場合はどうなるのでしょう 結論から言えばその場合も、損金としては認められません。
貸倒損失は、回収不能であることが明らかになった事業年度において損金処理することが出来るとありますので、明らかになった事業年度以外では損金処理はできませんので気を付けてください。


欠損金の繰越延長と同じ

これは税務上欠損金の繰越期間は7年です。
が、その後の事業年度で貸倒損失の処理を認めると、実質的に繰越期間の延長を認めることとなるからだと言われています。


税金よもやま話

◎「窓税」と「間口税」

中世のオランダには、窓の数を基準として税を課す窓税というものがありました。16世紀に、これが間口税という税になっています。一定の床面積の建築なら、間口が狭く奥行きが深いほど税額が低くなります。
間口税や窓税などは、外からの観察だけで簡単に税額を決定でき、それはまた「私有建築物の内部は、犯罪捜査の場合でないかぎり侵されることがない神聖なプライバシー空間」なので、徴税当局が建築物の中に立ち入らなくて済む課税方法がよいという国民的合意があったからとされています。
守秘義務のない会社の経理担当者に家族の内情をすべて開示することを義務付ける年末調整制度をもつわが国とは大違いです。


◎アンネの日記の温床

オランダの家は、うなぎの寝床のように細長く、奥行きの深い構造になりました。外から見ただけでは家の内部構造が分かりません。だから、建物の奥に秘密の隠れ部屋を作ることができました。
アンネの家族が隠れていたのはこうした建物の一つで、彼女はそこで日記を書き綴りました。
いまでもオランダを訪れると、運河沿いにこうした建物が隙間無く立ち並んでいる様を見ることができます。


◎他の国の場合

バルト三国にもイギリスにも同じ税がありました。フランスは、革命後の1797年に固定資産税として導入しました。ただし、 財産評価の手間を省くために、窓と戸口の数で課税する方式を採用しました。
シャンゼリゼや凱旋門近くの横丁に入ると立派な建物が広くない通りの両側に続いているものの窓数が少なく、塗りつぶされた形跡の窓の跡があったりするようです。
窓税導入時の納税者の対抗策のなごりなのだそうです。この税は、第一次大戦まで120年近く続きました。


◎わが国の場合

同じような税は、日本にもありました。江戸時代、三代将軍家光によって店の間口の広さに応じて税金をかける「間口税」が導入された京都の事例がよく知られています。また、田沼意次が町人に家の間口一間当たりで課税したことも、間口を狭くし奥行きが長い町家が各地にできた由来とされています。


(提供 ディリーコラム)


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