会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第111号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『サルでもわかる「伸びる会社・伸びない会社」』
 経営・財務・・・ 『増加する事業継承問題』
『敵を知り己を知る…まず同業他社の原価率、利益率を知る』
 dailyコラム・・・ 『dailyコラム無料配信のお知らせ』





 今月の特集

サルでもわかる「伸びる会社・伸びない会社」

《はじめに》

業種を問わず成長企業に共通する点は、「企業が進むべき明確なビジョンを持っていること」「権限委譲を進めていること」「オープン化・システム化・能力主義を導入していること」です。

私はこうした企業を、戦国の武将になぞらえて「信長型企業」と呼んでいます。戦国時代といえば、混乱と下克上のイメージや、殺伐とした風景が広がりますが、それは歴史に対する無知と誤解です。戦国時代は、歴史的に人口が2倍、国民総生産が5倍にもなったと言われています。むしろ、徳川時代などは、人口がほとんど変わらず、国民総生産はほとんど成長していません。つまり、戦国時代こそ『人も企業も大いなる成長をめざし果たした時代』なのです。現在の日本は、明治維新以来の歴史的転換期を迎えています。堺屋太一氏流にいうと「規格大量生産型から知価主義への転換」ですし、一般的には「付加価値産業の時代」または「IT革命の時代」とも言えます。

共通しているのは、『人間の無限の創造力が価値を生む時代』ということでしょうか。誰かに言われて作ったり、流通させたり、販売したりしているだけでは、価値を生むことはない。誤解を恐れず申し上げれば、『それだけでは先進国の労働力としての対価は得られない』ということです。それでは、付加価値型産業としての「伸びる企業」を見抜くポイントは何か? ということですが、答えは「企業の良し悪しは、トップに会えば5分でわかる」の一言に尽きます。中小企業の盛衰は経営者の能力が9割以上占めているのではないでしょうか?

しかし、私はこの仕事に入る前から「企業を見る目」を持っていたわけではありません。企業の経営数値を日々扱い経営相談をしているうちに、トップの身なりや考え方・経理の感覚・社員の扱い方・会社の雰囲気、トップの金銭感覚等、企業の成長性とは無関係と思われるものが、没落企業の間では驚くほど一致していたのです。同時に、成長企業の間にも共通点が数多くあるのに気づきました。そんな経験を積むうちに感じた事柄を、幾つかの独断と偏見も交えながら、ご紹介します。

もちろん、これらの法則に理論的な根拠があるわけでもなく、例外もあるでしょう。

しかし、幾多の財務諸表を数字で追うだけではなく、現場に行き経営者と会うほうが、はるかに企業の生きた情報を入手できます。

この間、“ベンチャービジネスの旗手”と呼ばれる若き経営者の多くは、上記の私の法則を見事にクリアされています。「今時の若者は…」といっている時代の中で、古い経営者が淘汰され、「熟年倒産」が頻繁におきています。この提言が、これからの勝ち組みを目指す企業経営者の琴線に少しでも触れれば幸いです。


企業経営に成功の法則はあるのか?

「企業の成功の条件とは何か?」逆に言えば、「成功している企業にはどのような特徴があるのか?」と言い換えてもいいと思います。以下、経験的に箇条書きしてみると、


1.きれいな会社は業績がよい。

具体的に言うと、掃除が行き届いているということです。トイレや机が乱雑になっておらず、整理整頓がしっかりしており、更に、電気が明るく、出されるお茶やコーヒーのカップ等が清潔であることです。

余談ですが、上品な受付女性のいる会社もこの条件に入ります。

《理由》

これらは恐らく、社員や訪問者・顧客が、気持ち良く仕事が出来て商談がしやすくなるのでしょう。また、物理的に明るい職場は、同時にみんなの心も明るくしてくれるのではないでしょうか。


2.社長が在社中と不在中とでは、社員の勤務態度が違う会社は業績が悪い。

ある会社は、去年12月廃業したそうです。あまりに粉飾決算がひどいので、2年前に顧問契約を破棄させていただいた会社ですが、社長が居るときと居ないときとでは社員の勤務態度の違いが大きく変わるので驚いた会社です。原因を私なりに色々と考えましたが、次のように整理してみました。

(1)社長の経営に対して社員のほとんどが疑問を感じているが、何か言えば個人攻撃されることが多く、何を言ってもダメだと思っている。

(2)全員が退社に向けてストップウォッチのスイッチを「ON」にしている。

(3)役員が何一つ役員としての自覚がなく、あるいは役員を単なる肩書きと考え、社員に何も言わないことで自己防衛を図り、本当は社員から信頼を無くしていることに無自覚である。

(4)社長がまず経営責任を取り、私利私欲を廃し経営情報を公開して、経営会議をしっかりと運営していく会社にならない。

(5)「社長が社員を信用していない」と、社員から見られている。


3.一定の規模にもかかわらず、システム化されていない会社。

自分には賞与がないので、夏季・冬季の賞与の支給日をぎりぎりまで決定しない社長がいます。

公私混同の冴えたるもので、「社長は社員に、まず気持ち良く働いてもらえるような会社環境を提供するのが、一番の仕事だ」と思えないのでしょう。業績が悪く、資金繰りが大変なときこそ、全社員の力を合わせて突破しなくてはならないのに、毎日暗い顔や社員にあたりちらす社長では会社経営などやめるべきです。そのようなときこそ、会社の経営状況を全社員に報告し、全員で改善を図る一方で、賞与を減額する前に自分の役員報酬を見直し、それでも厳しければ社員の賞与の減額や中止を求め、今後の経営計画を提出して、次回の期待を全員で達成していくことが必要です。

《対策》

まず会社の「年間経営計画」を作成し、次に、会社の年間予定表を作成することです。

年間予定表には、「年間の休日や夏季・冬季の賞与支給予定日・経営会議開催日・社員旅行予定日・その他会社に合わせた、納期や集金日等」を記入して全社員に配布していくことを勧めます。更に、各部署で細かい予定日を記入していくと良いと思います。

例)経理で言えば、「月次会計事務所監査日・経理締め日・年末調整資料収集日」等です。このことによって、各自の納期や会社の計画的な運営が可能ですし、社員の家族とのライフ生活も安定して、良い仕事をしていただけます。


4.パソコン化及びコンピューター化が遅れている会社。

現在、創業期間の長い会社ほど経営が苦しくなっています。先日も、長野の400年続いた企業が倒産しました。以前であれば業暦が長いことは、銀行・取引先等からみても信用が大きく価値あることだと考えられていました。しかし現在、多くの業暦の長い企業が、倒産の危機に直面しています。

バブルは戦後50年間、中小企業がこつこつと積み重ねてきた内部留保を一瞬のうちに吐き出させました。

バブル以降10年現在、内部留保をなくし、ゼロからの再出発が要求されています。多くの「業暦の長い中小企業」が直面している課題は、会社の保守的思考と機械化の遅れによる間接経費の水ぶくれによった意思決定の遅れと、固定費経費の水ぶくれです。業暦の長い会社ほど、社員の平均年齢が高く、福利厚生費やパソコン未導入による間接人員の多くを抱え、システム化されていない分、更に人員削減できない矛盾に直面しています。

「経理」に絞ってみても、

(1)ムダな振替伝票作成作業をなくす。

請求書・領収書から直接パソコン入力。請求書発行等をパソコン化することによって仕入単価等のデータベースが自動作成されます。伝票はパソコンで自動作成できます。
面倒な補助簿、仕入先元帳や得意先元帳もパソコンが自動的に作成してくれます。

(2)請求書発行等は営業等、誰にでも作成できる。

(3)余剰の間接人員を現場へ移動させることによって、業績アップに繋げる。

間接費削減の中心は、経営陣が、「企業にとって何が必要な情報なのか」を

明確に認識することです。税金の申告のための会計情報・営業支援のための経理情報・経営管理のための経理情報、それらを整理し、その中で優先順位をもう一度見直し、過去の経験を前提にせず白紙で企業経営を考えることです。

私の顧問先で、社員がわずか20名の時代から、現在150名の時代になっても、経理が1名で充分処理できる会社があります。また、7店舗から11店舗へ規模を拡大した会社で、経理が4名から逆に3名に減員された企業があります。
共通しているのは、パソコン会計・販売管理の導入は無論ですが、何よりも「ムダなことはしない、必要な情報を思いつきで決めない」そして経営陣が、きちんと存在しているということです。


5.嫌な事を先送りしたり・逃げたりする経営者のいる会社。

経営者は言うまでもなく、船で言えば船長であり、飛行機であればパイロットです。乗客の命を預かる身であれば、社員及び家族の生活を守るためには、時には嫌な事でも率先して、行動したり・発言したりしなければなりません。嫌な事から逃げるようでは経営者をやめるべきでしょう。

厳しい事を言ってくれる人から逃げ、チヤホヤする仕入先の接待に、いそいそと行く経営者がたまにいます。

しかし、「厳しいことを言う得意先の苦言に耳を傾けること」は、様々なアドバイスをタダで受けられ、得意先の信頼を得ることができるのです。そして、接待を受けた場合、接待した仕入先は、その接待交際費を、仕入代金に上乗せしているのです。経営者は、これらの事を自覚すべきです。


6.仕入先には横柄で、得意先にはペコペコと、人によって極端に態度が変わる社長のいる会社。

このような社長を社員が信用するでしょうか。たとえ仕入先であろうと、逆に大事な得意先であろうと、ビジネスの世界に上下はなく、あくまで対等なビジネスパートナーであることが原則です。うわべだけのおべっかを使い、そのストレスを仕入先や社員に吐き出すような社長など、いずれ、仕入先・得意先は勿論のこと、社員からも相手にされなくなるでしょう。


7.やめた社員の悪口を言ったり、やめると言った社員へ極端にひどい態度を取る会社。

このような手の平をかえすような社長のもとに、まともな社員が育つハズがありません。辞める社員が前向きに退社し、残った社員が退社する社員を気持ちよく送り出すことによって、会社に対する求心力が生まれます。成功している会社には、退社した社員が訪問したくなるような雰囲気があります。


8.家族が意思決定しているのに、企業化しようとする会社。

『企業は3人から始まります。』このことを言うと、「3人」を人数のことと勘違いする人によく出会います。「2人ではだめなのですか。」とか、「10人だから企業でしょう」と言う人もいます。どちらも間違っています。例え2人でも、外部の人を入れて3人で、「経営会議」という形で意思決定を実施している企業は立派な企業です。逆に言えば、社員が100人いようと、意思決定を夫婦2人でやっている企業は「家業」です。

「家業」の会社は、普遍的なシステムがいくら入ろうと、最終意思決定の段階で、第三者からしてみれば理解不能となります。例えば、役員でいくら経営会議をしていても、「最終意思決定は夫婦でなされている」と感じる第三者がいれば、そのような会社の意思決定を第三者に了解させることなどできるはずがありません。それは、事実がどうのこうのと言う前に、関係の構造がそうなっている以上、不可能なのです。なまじっか「企業」と考えず「家業」に徹するのも一つの会社のあり方です。一番よくないのは、「家業」を「企業」と錯覚して経営することです。「家業」であれば、社員に余分な経営参加意識をもたせず、報酬と義務・権利を明確にしていくことに徹すべきなのです。


9.夢ばかりで現実が見えない社長のいる会社

ベンチャービジネスに多い社長ですが、「夢が先行し、現実に置かれている環境が見えない経営者」では、人・物・金など集まりません。成功している企業の経営者は、その業界で最低5〜8年の実務経験を持っています。どんなに簡単そうに見えても、どのような商売も上には上があります。自己過信せず、謙虚に業界で実務を積み、独立されることをお勧めします。また、成功している企業は、最初の3ヶ月で黒字経営に変わっています。3ヶ月やって黒字に転換しないのであれば、原因を追求し、タラレバではなく客観的に経営持続の判断をすべきです。

最後に、「初期の段階で成功された企業」でも、3〜5年後にがっちりした経営陣を形成できず、創業社長が1人で何でも意思決定しなくてはいけないようでは、企業の成長は止まります。3人以上の第三者による経営陣体制をつくり、経営会議を中心に企業の意思決定を行い、経理の公開・企業のシステム化を追求することによって、全社員の創造力の活性化が可能となります。


10.その他独断と偏見

◆ 社長がコンピューターを使えない企業は将来性が少ない。
コンピューターは今では電話と同じようなものです。電話も使えない社長では企業の未来もないでしょう。

◆ 平凡な社長は総論を話し、優秀な経営者は各論も話す。
総論ばかりで、具体的な方針・判断を出せない経営者であれば、このスピードと自己責任の時代を生き残れないでしょう。

◆ 優秀な番頭のいる会社はリスクが少ない。
確かに優秀な番頭のいる会社は保守的になり失敗も少ないでしょう。しかし、同時に時代の先端でビジネスをやらないことの理由付けになってしまいがちです。うまく番頭を使いこなせる経営者が優秀なのではないでしょうか。

◆ 社長が著名人との親交を唐突に匂わせる、もしくは強調する時は要注意。
これは、自分を大きく見せる為に有名人との交流をひけらかすことでしょう。信用力のない若い経営者ならまだしも、社会的経験を積み重ねた40歳を超えた経営者では恥ずかしい限りではないでしょうか。

◆ 業績不振の原因を景気や政府のせいにする社長の会社は、景気が回復しても業績は回復しない。
いつの時代も他人や社会のせいにする経営者では先が思いやられます。戦争中も戦後の焼け跡にも大いなる企業家は常に存在したのです。

◆ 質問したら怒りだす社長の会社は負け組。
自分の都合の悪い話になると突然怒り出す経営者がいます。中には失敗体験を聞くのがイヤな経営者もいます。自分や会社のことを問題指摘してくださるありがたい諸先輩の方々の話を冷静に聞き、企業経営に活かせないようでしたら、イエスマンの集団にすぎず、この厳しい市場競争には耐えられないでしょう。

◆ トイレのきれいな会社が成長するとは限らないが、トイレの汚い会社は必ず破綻する。
象徴的な言い方ですが、清潔感にあふれた会社は社内や社外に好感を持たれます。気持ち良く仕事ができるのは原則ではないでしょうか。社員の机や社用車が汚く、出されたカップが汚れたりしていたら気分が良くなるのでしょうか。また、それらが汚い会社の商品やサービスがいいとは誰も思わないのではないでしょうか。





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『増加する事業継承問題』

月次定例経営会議の目的の1つである【後継者育成の役割】が近頃一段と増えています。60歳前後の経営者と30歳前後のお子さん+社長の片腕の古参役員+会計事務所の経営監査担当と税務監査担当の5名前後の経営会議です。

定型的な経営会議システムとは、毎月定例日に前月実績と年初の予算より以下の資料を定型的に提出し、(1)予算・実績差異分析…異常値の総勘定元帳による原因報告 (2)経過月実績+未経過月予算による正確な決算予測 (3)正確な税額予想 (4)経過月実績+未経過月予算による正確な予想実績資金繰り表 (5)同業他社診断+金融機関格付行うものです。以上の経営数値を毎月報告・吟味することで、後継者たるお子さんに以下の効果が現れます。

(1)決算書を理解できるようになる…毎月、予算・実績差異分析、予想決算により、損益計算書は無論のこと資金繰りや税金のことも自然と理解できるようになります。

(2)予算・実績差異分析により、会社の異常値発見、問題点を見つける能力が育ちます。

(3)数字に強くなる…原価率・人件費率・地代家賃が何%以内でなければならないか等数字で会社を理解する力を養えます。

(4)会社の業態、業種の特殊性、自社の歴史、業界での強み・弱みが理解できます。

(5)総じて親子では喧嘩になるか、言いたいことも言わない関係が、他人である会計事務所が入ることによって、経営数値という客観的なものを媒介として、会社の長期見通し、会社の経営とは何かを学ぶ場が作れます。


◆事業承継の前提…まず調査から始めます。

1.会社の株主・株価評価…名義株多く、実質的株主の確定作業が必要です。

名義株の所有者【別表2の記載等参考に】に名義株の確認書をもらい、別表2等を変更、新たな株主名簿を作成します。

2.会社の株価評価…土地・建物の時価評価等により株価評価

会社の株価評価は税務上多くの問題を起こします。中小企業のほとんどは同族経営ですので、同族関係者の株価評価は、純資産価額がほとんどだと思います。未公開株は相続しても、売却もできず、経営権の喪失にもつながり、処分できず、多額な相続税負担で担税力がなく、何の準備もなければ、相続税負担で後々後継者が苦労します。

株価評価をし、相続税対策の立案、納税資金確保のための生命保険等の活用準備等が必要です。

3.事業承継…後継者の決定が必要です。

長男が代表取締役で本業を承継し、他の兄弟がいる場合は、兄弟の共同経営かそれとも、のれん分けの別会社による分社独立か等の将来像を決定する必要があります。

親が元気なうちは何とか兄弟仲をまとめることが出来ますが、本当に仲よくやっていけるのか検討することが必要です。後継者が1人なら問題ありませんが、兄弟が多数いるとなかなか難しいことが多いようです。検討点は以下です。

(1)会社や業種・業界の将来性があるかどうか

(2)兄弟の年齢差や性格

(3)会社の規模…20人以上の中企業では兄弟仲良業務分担し、協力しなければなかなかやっていけません。

(4)年上の順番で役員体制…代表取締役を次男、平取締役を長男 等、長幼が狂うとうまく行かないケースが多いようです。本人達が良くても、配偶者・子供達レベルで関係が難しいようです。


4.上記の決定後、役員変更、未公開株の相続時精算時課税制度等を使って、株の贈与や譲渡を行います。

代表取締役が51%以上の株を所有するのは当然のことと言わなければなりません。


5.後継者に代表権を渡す時期について

取引先・金融機関等周りの利害関係者に了解がつき、後継者が引き受ける覚悟があれば、1日も早く代表取締役を交代すべきです。いずれ遅かれ早かれ交代するのであれば、1日も早いことに越したことはありません。ここで、いつも躊躇される経営者の方が多いのですが、心配であれば、株を過半数持ち、実印は後継者に渡さず、日々の業務の移行として、代表取締役を譲ればいいのではと思います。親は先に逝くのです。子供に残せるのは、教育とのれん、信用と技術・商品力等です。

ここではお金は何の価値もありません。お金が価値だと思っている経営者は、子供達に会社を継がさず、金利生活をさせればいいのです。商売は何であれ、ハイリスク・ハイリターンだからです。



『敵を知り己を知る…まず同業他社の原価率、利益率を知る』

国民金融公庫より1965年以来、小企業の経営実態を客観的に把握するために、【小企業の経営指標】が発刊されています。これは、中小企業の中でも比較的資料が少ないといわれている小企業について、幅広い業種から多くの企業を調査対象として作成されています。【494業種区分30,255社】

また、この統計数値は、国民生活金融公庫の融資対象であった企業であり、最新の決算書分析に基づき、当期利益と自己資本がともにプラスである企業【黒字決算かつ債務超過でない優良企業】のサンプルから抽出されており、極めて信用性が高い経営数値と言えます。経営者は、自分の会社が同業他社と比較してどうなのかを確認する必要があります。今回は膨大な経営数値より原価率・利益率に絞って紹介します。あらゆる商売の基本は、原価率と粗利と最終利益率を知ることから始まります。経営者、経理担当者の皆様が、自らの経営の現状を客観的に把握し、今後の経営戦略を展開していく上での判断材料として活用ください。

《資料》 「国民生活金融公庫総合研究所編」(株)中小企業リサーチセンター発行 より





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dailyコラム最近の記事より

『自社株贈与の相続時精算課税 こんな事業承継税制はいらない!』

事業承継をスムーズに行うためには、後継者を決めるだけでなく、経営権の基盤となる自社株式の多くを後継者にもたせることが重要です。このような趣旨から、事業承継税制の一環とし、平成19年度税制改正で創設されたのが「特定非上場株式の贈与の特例」です。

この特例は、従来の「相続時精算課税制度」を拡充したもので、中小のオーナー経営者が、自社株式を次期後継者となる子供に贈与する場合、贈与する親の年齢を引き下げ、非課税枠も2,500万円から3,000万円に引き上げたものです。

この特例の活用で、早い段階で後継者となる子供に自社株を贈与し、権限を与え、相続時に起こりがちな遺産を巡る紛争を回避できると説明されていますが、本当にそうでしょうか、検証してみましょう。

(1)4年後の高いハードル

贈与後4年経過時点で、次の要件を満たしていなければなりません。(1)当該株式の贈与を受けた子供は、その会社の代表者に就任していること(代表者は一人)、(2)発行株式の50%超の保有、かつ、議決権も50%超であることです。

4年後に、この要件を満たすことは至難です。株価によっては多額の納税資金が必要な場合もあります(税率20%でも)。また、4年経過前にどちらかが死亡した場合は、その死亡時点で上記要件を満たしているかどうかを判定することになっています。そして、4年後この要件を満たしていないときは、この特例が取り消され、暦年課税の贈与申告に修正しなければなりません。非課税枠最大3,000万円を使った後の修正申告では、1,220万円の追徴になります。

(2)各種の特例計算が適用できない

この自社株贈与の特例を適用すると(1)小規模宅地等の課税価格の特例計算(課税価額の最大80%の減額)、(2)特定事業用資産の課税価格の特例計算(課税価格の10%の減額)の適用ができません。

本当に、これで事業承継対策の税制と言えるのでしょうか。


『外国人の雇入れポイント』

在留資格のチェックをしましょう。

日本国内で外国人の方を採用するには、その方が就労を認められているかどうかの確認をする必要があります。入管法(出入国管理及び難民認定法)に基づき27種類の在留資格が決められています。

27種類の在留資格を大別すると3分類

(1)在留資格で定められた範囲で就労が認められているもの・・・外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、投資、経営、法律、会計事務、医療、研究、教育、技術(システムエンジニア、自動車設計技師等)、人文知識、国際業務、(通訳等)、企業内転勤、興行、技能(外国料理のコック等)、特定活動(技術実習生、ワーキングホリデー)

(2)原則として就労が認められていない在留資格・・・文化活動、短期滞在、留学(大学、大学院等)、就学(各種・専門学校等)、研修、家族滞在、但し、留学、就学で在留している方は予め入管で「資格外活動の許可」を受けていればアルバイトをすることは可能です。

(3)就労に制限がない在留資格・・・居住者、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者、(但し、短期滞在の資格の方は許可が必要です。)

就労が認められているかの確認方法

在留資格、在留期間の確認は外国人登録証明書、パスポート面の上陸許可、就労資格証明者等により確認します。

日本における外国人受入れの国の基本方針は「専門的技術分野の受入れは積極的に行うが単純労働に従事する者の受入れは慎重にされたい。」としています。

就労が認められていない外国人の雇用は入管法により事業主に罰則もありますので、適切に行う必要があるでしょう。


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