会計事務所と顧問先をむすぶCLUE 第108号

 ≪CONTENTS≫

 今月の特集・・・ 『経理業務はまだまだ改善出来る 経理のムリ・ムダ・ムラをなくす』
 経営・財務・・・ 『経営会議入門6〜中小企業は黒字経営が大事〜』
 経理・税務・・・ 『あぶない会社の見分け方 他山の石とする』





 今月の特集

経理業務はまだまだ改善出来る
経理のムリ・ムダ・ムラをなくす

経理業務の効率化は、お金をかけて高価な経理システムを導入すれば解決するようなものではありません。ちょっとした工夫と発想の転換でムリ・ムダ・ムラをなくすことが第一です。

今まで当たり前と思っていた経理の常識を捨て、業務の効率化や管理方法を見直すことで、経理業務の簡素化、スピードアップは可能です。


経理業務の検証と対策

【1】現金管理に時間が取られていないか?

実務をすれば簡単に理解できますが、現金の精算や管理はとても手間がかかる仕事です。現金は預金と違い、出し入れするたびに、現金出納帳を記入して残高を合わせないと管理できません。小口現金の精算なら、まず預金から小口現金を引き出し、社員の精算ごとに領収書をチェック、計算して現金を支払い、現金出納帳に記入する作業が必要となります。1人1人はたいした時間ではないかもしれませんが、社員数が多いと年間何百時間にもなります。

◆現金管理の効率化対策

精算業務の負担を減らすにはいくつかの方法があります。

(1)精算回数を減らす

例えば小口現金の精算日を毎月15日の1回だけと決め、その期日に間に合わない分は来月の15日に精算します。支払方法も現金ではなく、当月の給与計算で行い、非課税分の欄に精算分として給与振り込みと一緒にすればより効率化できます。


(2)法人クレジットカードを活用する。

一回の利用金額の条件を設定出来る法人カードがあり、明細書が会社に届くため、内容をチェックでき、不正も発生しません。仮払金精算に換えて、法人カードをもたせることによって精算事務負担を少なくしている会社も多いようです。


(3)社長の仮払金

実務上、一番やっかいなのは社長の仮払金の精算です。社員は早く精算して欲しいため、こまめに精算しますが、社長の仮払金精算の遅さに困っている会社も多いことでしょう。その場合、一番有効なのは法人クレジットカードを持たせることです。社長は社員と比べて金額も多く、接待交際費等必要な場合も多いでしょうから、法人カードで精算してもらえば、経理にカード会社から明細が届き、領収書が紛失した等でも一安心です。


【2】預金通帳の記帳、振替、給与・経費の振り込みに時間が取られていないか?

預金通帳の記帳ほど時間がかかり面倒なものはありません。都市部では銀行の支店数も減り、ATMも混んでいます。この待ち時間が馬鹿になりません。同じように振り込み等も銀行に行って行うのは全くムダな時間です。

◆記帳・振り込み効率化対策

(1)銀行口座を極力減らす

※銀行口座を極力減らしてください。ほとんど使っていない口座だが、また使うかもしれないと残している会社を散見しますが、口座を減らすのがムダを省く最大のポイントです。確かに、客が振り込みしやすいように、あえて主要銀行に口座を一通り揃えている会社も見かけます。同じ銀行の方が利便性の高かったのは過去の話です。各銀行間のネットワークも出来上がり、違いも振込料の負担ぐらいですが、その負担もムダな作業がなくなれば安いものです。振込料840円と630円の差額わずか210円の経費を削減するために、はるかに高い人件費を払っていることに気がついてください。

※複数口座のもつデメリットは、残高確認、記帳作業が必要となり、さらに支払口座へ預金残高を集中させる振替業務が発生します。原則として入金した都度こんなムダな作業が必要になります。

※資金繰りの不便
現在の資金残高を補足することが資金繰りの第一歩です。その上で、入金、出金状況と資金不足のタイミングを見極めることが資金繰りの日常業務です。複数口座があると資金繰りの面で非常に不便です。現在の預金残高は先月より預金が増減したか等は、複数口座だと瞬時に見れず、単一口座だとその銀行口座一つで資金管理が出来ます。


(2)インターネットの利用

現在ほとんどの金融機関はネットバンキング機能を持っています。低料金で、口座の残高確認、入出金取引確認、振込処理が簡単に出来ます。現金引出業務以外はすべて自社の、パソコンで処理出来ます。人件費が一番高いという認識があれば、銀行に出かけることが一番のムダだと気がつきます。


【3】帳簿の作成が二度手間になっていないか?

会計処理をパソコン会計で行っている会社で、まだ現金出納帳や各種入出金伝票を起票している会社があります。そうした会社で多くの場合、各担当者が手書きや表計算ソフトで各種伝票を作成し、経理入力担当者がそれを見て手入力している風景が良く見られます。これもムダで、伝票を書く人がそのまま原始証憑を見て、直接パソコンに入力すればムダな二重作業がなくなります。さらに、原始証憑を集計したり、伝票から入力すれば、それが正しいかを監査する手間が余分に発生します。

◆帳簿の合理化対策

(1)ダイレクトにパソコン会計に入力する

通帳や当座の照合表からダイレクトに入力します。ただし、その前提として、通帳や照合表に鉛筆で何かをメモ書きしておいてください。

複合仕訳も簡単に出来ます。計算機能もあり、貸借一致を確かめる。

例)

 役員報酬―――役員分を給与台帳から

 未払金―――給与台帳の支給合計金額

 給与―――社員分を給与台帳から

 源泉税預り金―――給与台帳の源泉税合計

 雑給―――バイト等

 住民税預り金―――給与台帳の住民税合計

 社会保険預り金―――給与台帳の健保・年金合計

 財形・旅行等―――給与台帳から


(2)会計ソフトを活用する 補助機能を活用し、ムダな集計業務をしないこと。


【4】ムダなファイリングを行っていないか?

領収書や納品書、物品受領書、請求書、営業日報、レジペーパー、請求書控等のファイリングにムダな時間を費やしていませんか?

ファイリング方法に法律的な決まりはありません。一度ファイリングをしたら、税務調査でもない限り2度と見ないケースがほとんどです。できるだけ簡素化することをおすすめします。

◆ファイリングの合理化対策

最も効率的な方法は月単位でまとめてしまう方法です。よく、支払の相手先別にファイリングしている会社がありますが、全くのムダです。仕入先別に必要な情報等滅多にあるはずもないですから、まとめて月別に請求書をファイリングし、支払っていない請求書だけを上に集め、月次試算表の買掛金・未払金残高と照合することが大事です。自社発行の請求書についても発行日順にファイリングし、未回収分と売掛金残高の一致を確かめることが重要です。スクラップブックに領収書を1枚づつ糊付けしている会社を散見しますが、失敗コピーの裏に領収書を糊付けし、月・年単位でとじひもで綴じておけば充分です。源泉税・法人税等の税金関係だけは別にファイリングしておけば、決算の時に再度現物確認しますので便利です。


【5】パソコンや会計ソフトを有効利用しているか?

最近では充実した機能を持つパソコン会計が安価で購入できます。しかし、パソコン会計の機能を充分使いこなしていない企業がまだまだ多いのが実状です。

◆バソコン会計による合理化対策

(1)補助簿作成機能があります。

ほとんどのパソコン会計には各勘定科目の内訳を管理できる補助簿作成機能があります。原則、決算申告書の科目内訳書が必要な科目に補助簿を作成しておくと便利です。売掛金・受取手形・仮払金・立替金・前渡金・出資金・貸付金・未収金等の資産科目、買掛金・未払金・支払手形・借入金・預り金・前受金・仮受金等の負債科目、雑収入、地代家賃・租税公課、雑損失等の損益科目等に補助簿を作成します。月別の補助残高一覧表と原始証憑の照合、監査もでき、非常に便利です。


(2)部門別管理機能があります。

ほとんどのパソコン会計には、部門別管理機能があり、部門別の損益状況がつかめます。表計算ソフトを使用して別管理されている企業も散見しますが、全くのムダです。会計処理ごとに部門コードを入力するだけで、部門別管理が出来るばかりではなく、複式簿記で貸借対照表との一致で検証されているので、部門コードの入力ミス以外に間違いが発生しません。せっかくの複式簿記の利点を活用せず、表計算で別集計する作業は全くのムダと理解ください。会計ソフトのデータをCSVで出力し、表計算で活用するという手順が正しい方法です。


【6】取引先への支払業務を集中させる。

支払日は通常、5日、10日、20日、月末等締め日との応答日で設定されているので、月何回も振り込み手続きをしている会社も多いことでしょう。ずっと続けているとそれが当たり前となっている会社も多いことでしょう。小さな会社ですと経理にだいぶ負担となっています。

◆支払の合理化対策

支払日を一定の日に集中させることも考えてはいかがでしょう。支払手続きが1回で済み、大きな合理化となります。ついで、月末資金を少しでも多く見せるためにも、5日、10日がいいでしょう。もちろん相手もあることでしょうから、取引先の承諾が前提となります。


【7】勘定科目の設定

勘定科目がやたら多い会社を目にします。勘定科目が細かいと仕訳の際時間がかかります。特に経理の初心者や新入社員の場合、勘定科目は何にするのか迷った経験者の方々も多いと思います。

◆勘定科目効率化対策

(1)勘定科目数の限度はあるか。

やたら勘定科目が多い会社もありますが、試算表または月次決算書は貸借対照表1枚、損益計算書1枚、製造原価報告書1枚が理想です。そうするとおのずと科目数が決まってきます。私見では、売上科目4、原価科目4、販売費管理費30科目数あたりが限度かと思われます。


(2)勘定科目はその科目を管理したいかどうかに基づいて設定することがポイント。

金額が少ない科目があったり、金額が多い科目で中身が管理しにくい科目をよくみかけます。諸会費・新聞図書費が年間数万円で科目設定されている会社が、雑費3,000万円となっていたりします。まず、貴社の金額で科目設定の有無を判断してください。次に金額が少額でも管理が必要な、租税公課・交際費・地代家賃・給与手当等は科目内訳書が決算で添付されますので、設定をしてください。つづいて、業種・業界特有で管理しておきたい科目は設定が必須です。例として、飲食業の水道光熱費を細分化した、電気代、ガス代、水道代等が挙げられます。運送業の場合は、ガソリン代や車検費用を車両費でまとめるのではなく、ガソリン代または燃料費として原価科目に設定することもありえます。何をどのように管理するのか、業界・業種で違います。経営管理目的を第一に、予算と実績を対比し、管理する観点から勘定科目を設定すべきです。


(3)勘定科目一覧表を作成して、勘定科目を自由に設定できなくすることも必要です。たまに経営者の中には、思いつきで、こんな勘定科目があったらいいなと勘定科目をたくさん作成してしまい、今度は見づらくなったという方がいらっしゃいます。経理の体系も経理の仕組みも理解されていないのでしょう。科目を増減させるだけで、過去のデータ、前期・当期比較が出来なくなり、税務署が異常値として把握します。経営会議で予算・経営計画を作成する段階で、何をどう管理するのかを決め、勘定科目一覧表に基づき予算を作成し、毎月経理処理していく仕組みが必要です。


【8】売掛金の管理、回収業務が負担になっています。改善策はありますか?

売掛金の管理には以下の業務があります。

◆残高確認業務

これは毎月の売掛金の残高が間違っていないかを確認する業務です。自社発行の請求書は明日の現金です。請求額100万円の請求書は100万円札です。毎月請求書控えの未入金分の請求額合計を計算し、月次試算表や決算書の売掛金残高と一致していることを確かめてください。売掛金実査…未入金の請求書金額を札束と考え、1枚1枚数えてください。それが一番簡単かつ間違いのない作業です。


◆回収業務

売掛金には回収作業があります。出来る限り回収作業に時間をかけない仕組みを作りましょう。

※預金口座振替
銀行が、販売先の預金口座から販売代金を自動的に引き落としてくれるシステムです。

※集金代行システム
カード会社やノンバンク等が販売先の預金口座から口座振替によって回収してくれるシステムです。

大口取引先のみの会社は別にして、回収業務をアウトソーシングする仕組みは、手数料等がかかっても人件費と考えれば安いものです。その他、売掛金を発生させず、現金入金後に商品を引き渡す方法や代引き、カード利用を進めることも、売掛金管理がなくなり大変便利です。


◆再請求・貸倒処理業務

売掛金は督促や貸倒処理業務が伴います。

一定のルールを作っておく。


(1)売掛金滞留(2ヶ月目)

再請求書送付。ムダな再請求書等は発行せず、元の請求書控えに『再請求』と赤インクのスタンプを押し送付。


(2)売掛金滞留(3ヶ月目)

再々請求書送付。


(3)売掛金滞留

内容証明送付。法的手続き開始通告。


(4)売掛金滞留

法的手続きをとるか判断。個別事情勘案し、交渉に入る。


(5)最終判断

法的手続きの開始か債権放棄手続きをとる。


経理の効率化・合理化はきりがありません。経理業務を可能な限り、定型化・標準化・マニュアル化し、ムリ・ムダ・ムラをなくし、判断業務としての資金繰り、経営計画、経営管理、財務等に経理の時間を割くことが、財務体質の改善、経営数字を活用した経営につながります。ぜひ貴社の経理業務を見直してください。





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経営会議入門6〜中小企業は黒字経営が大事〜

中小企業は黒字経営が大事

赤字の垂れ流しはいつか倒産に至ります。従業員やその家族、保証人になってもらった友人や親戚に多大な迷惑をかけてしまいます。「衣食足りて礼節を知る」ではありませんが、中小企業経営者の最初の経営目標はきれい事ではなく、【黒字経営】であるべきです。黒字経営を維持し、家族や社員、取引先、友人、知人まで周りのみんなが幸せを実感するのです。では、黒字経営を実現する道はあるのでしょうか?実現する道はあります。

以下の手順に従って、黒字経営の道を突き進んでください。


手順1
まず、社長が、絶対黒字経営を実行・実現することを決意することです。


手順2
黒字経営の青写真を創ります。

1.直近の損益推移表を用意します。

損益推移表

2.損益推移表の異常値を調査・検討し、来期に発生の有無を検証します。


3.来期の販売費及び管理費、固定費予算をつくります。


4.原価率を検証し、来期の実現可能原価率を決めます。


5.販売費及び管理費と原価率から来期の必要売上高をつかみます。

 来期の損益計画の青写真完成

平成19年度損益計画


6.損益計画から回収・支払条件、借入金返済、納税、設備投資を勘案して資金計画を創ります。

平成19年度資金計画


7.資金計画を検証し、来期の資金返済・調達の可能性を検証します。

(1)資金計画が無借金で廻る場合・・・無借金経営を続けてください。

(2)資金計画がショートする場合。

 イ)新規借入計画を立てる。

 ロ)資産処分、経営陣の資財提供、新規増資等の検討。

 ハ)現在の借入金の返済を延長してもらい返済額を軽減してもらう。

 二)損益計画を再度やり直し、利益を出すことを検討。

 ホ)最悪、銀行に借入金返済を猶予してもらう。→損益・資金計画の決定・・・会社再建計画も含めて。


手順3
正確な月次決算の励行

1.正確な月次決算を励行し、正確な会社の経営成績を早くつかむ。

2.1日遅れることは1日経営判断、決定が遅れる。


手順4
毎月・定時・定例の経営会議の実施

1.毎月1日も早く、経営会議を開催する。

2.経過月実績+未経過月予算から正確な決算予測を行い、赤字経営を脱却すること。

赤字予測の場合

【短期解決策】 難易度の順番を決めておくこと。
(1)役員報酬減額
(2)臨時的経費の圧縮・・・社員旅行・各種イベントの中止
(3)社員賞与減額
(4)経費圧縮案の立案と実行
(5)仕入単価の減額交渉
(6)遊休資産等の売却
(7)社員給与減額
(8)売上増加案の立案 単価交渉等

【中期解決策】
(1)新規出店・新規事業計画
(2)M&A
(3)業態変更
(4)廃業


赤字経営を脱却し、黒字経営に至る道は困難ではありますが、簡単とも言えます。自分の体と考えてみてください。毎年健康診断を行い、正確な体の数値をつかみ、自分の体は血糖値が高く血圧が高い等、A・B・C・D等のランクがついて、改善策・注意点が出されています。会社経営も同じことです。貴社の正確な健康診断とは、月次決算であり目標は経営計画です。比較してこのまま推移すれば大変だと、経理が経営数値を毎月報告しています。普通に考えれば、改善点を早急に実行すればいいだけです。改善策が見つからなければ、店じまいを早めにすればいいのです。健康と違って会社経営は命まで取られないのですから。採算のない無計画な会社経営は家族や社員、取引先、銀行等にも迷惑な限りです。経営計画のない会社、毎月正しく自社の経営成績を把握していない会社は倒産まっしぐらとお考えください。





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あぶない会社の見分け方 他山の石とする
〜あなたの会社は大丈夫ですか?〜

経営破綻する会社には何らかの予兆があります。ここに挙げた予兆はこれまで見聞してきた破綻企業の特徴を整理したものです。逆に言えば、このような予兆の兆しがないように経営すれば破綻しないということです。もとより幾つかの私見もあり、予兆即破綻とは言えませんから、フムフムという感じで読み捨てていただければ幸いです。

会社の破綻、倒産に至る道は、一定の法則があるように思えます。

* 倒産の予兆が現れる。倒産の予兆が現れる。
* 何の対応策もとらない、とれない。
* 倒産サイクルが始まる。


倒産サイクルとは

1.業績の悪化…可能な限り早期発見・適切な対策をとる。
2.間違ったリストラ…給与・経費の削減。特に電気をけちる。
3.優秀な社員の退職、社員のモチベーションの低下。
4.モノ・サービス・品質の低下。
5.売上・利益の更なる悪化。

業績の悪化は会社を経営していれば何度かは襲われる危機です。しかし、定時・定例の経営会議で、精度の高い決算・利益予測をし、倒産サイクルに入らず、経営陣が率先して経営の危機に立ち向かうことで、会社の経営体質が強くなった企業はたくさんあります。バブル崩壊後の不況を乗り切った多くの中小企業はその証です。そんな企業は社長がまず立派です。中小企業では、業績の善し悪しは、社長の資質に負うことが多く、社長の一挙手が理想となる存在であることが求められます。自分に厳しく、人に思いやりを持つことが経営者に求められています。逆に言えば、倒産する会社の社長は多くは人間失格な方です。


●こんな会社は危ない!●


1.社長をチェックする…社長は会社を写す鏡

◆経営態度

□社員を無能扱いする。社外で社員の無能さを公言する。

□社員を奴隷扱いする。退職した社員の悪口を言う。

□公私混同が著しい。

□ワンマン経営で、他人の話に耳を貸さない。

□仕事が嫌い。


◆私生活

□家族・家庭内が不和。

□会社の規模に比較して、生活が派手である。

□家族に会社の実状を話せないでいる。


◆性格・交友関係

□自己中心的である。

□派手好みで政財界人・有名人との交友関係を誇示する。

長年の付き合いのある友人がいない。昔の友人と友達付き合いをしない。過去義理を欠いたことがある。友人を利害関係者としかみない。


◆業歴

□本業以外の肩書きが多い。

□過去の勤務歴と現在の社業が一致していない。

□本業と副業の関係が何の関係もなく、繋がらない。

□過去に倒産歴がある。

□何しろ金儲けの話が好き。


◆健康状態

□最近入院した。

□精神的に不安定である。

□精神状態がすぐ顔に出る。


◆後継者

□後継者が不在である。身内を後継者にしたがる。


◆新社長の場合

□社長が外部から来た。

□交代理由が不鮮明。

□交代直後に決算内容が悪化。


2.決算をチェックする…多面的に見れば絶対ある破綻の予兆

□売上高の減少が3期以上続いている。

□借入金残高が月商の5倍以上になっている。

□売上高の増減と売掛金の増減が一致していない。粉飾決算の可能性あり。

在庫の回転率が上昇している。前期末在庫÷前期売上高 当期末在庫÷当期売上高と比較する。粉飾決算の可能性あり。

□減価償却費が前期と比較し、大きく減少している。

支払利息 ÷ 借入金残高の数字が前期と比較し、大きく上がっている。高利の融資可能性あり。

□流動資産−流動負債がマイナスになっている。

□期末現預金残高が大きく減少している。

□売掛金−買掛金がマイナスになっている。

□営業利益が3期連続赤字である。

□経常利益が3期連続赤字である。

□不自然な少額の黒字決算である。粉飾決算の可能性あり。

□仮払金、貸付金が増加している。粉飾決算の可能性あり。

□借入金が増加している。特に短期借入金。

□資金運用表で差引営業収支がマイナスである。粉飾決算の可能性あり。

□リース料が大きく増加している。架空リースの可能性あり。

□割引手形額が増加した。融通手形の可能性あり。


3.その他の兆候…有形・無形のシグナルがある。

◆社内の兆候

□議員の元秘書や経営コンサルタントと称する人物が出入りしている。

□給料を遅配する。小口の精算が遅れる。

□精神的にも物理的にも、会社の雰囲気が暗い。

□社員の入れ替わりが激しい。

□電話対応がぞんざいである。

□経営陣の在籍・不在で会社の雰囲気が変わる。

□経営陣の悪口や批判が横行している。

□起死回生の新規事業を起こそうとしている。


その他、多くの兆候が私たちの目の前に転がっています。多くの会計人や経理担当者は、イヤなことが多いかも知れません。あえて苦言を言い、嫌われ者になろうが大いなる志を持ち、会社は経営者の私物ではなく、社員は無論多くの得意先・仕入先・金融機関等の社会的公器であることを肝に銘じ、自ら仕事に誇りを持っていたいものです。


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