株式会社ooyaビジネスクリエイトの大谷(おおや)です。 先日、ご支援先の事務所が、顧問先様や提携企業様を集めた「感謝の集い」なるセミナー&パーティを行いました。 80名を超える方々お集まりになり、大盛況でした。 当日のセミナーの講師は、ご支援先の先生の師匠でもあります松下政経塾初代塾長の「上甲 晃先生」でした。 上甲先生のお話は本当に素晴らしく、私もたくさんメモを取らせていただきましたが、「この人は凄い!」と思ったのは、70歳を超えた今でも、塾生宛のメッセージとして、1,400字を超える文章を毎日欠かさず20年以上も書き続けているということです。(最新は7,700余号でした) 書くネタを探すのも大変ですが、「書く」と決めたらやり抜く意志が、この方の強さというか凄みを感じさせます。 意志があればできないことなんてないのですね。 そういう意味では、講演後先生から直接伺ったのですが、「松下電器の電子レンジ事業部の営業課長だった上甲先生が、営業成績最下位の営業所を数年で全国1位にした」話などもその最たる例です。 転勤で、営業成績最下位の東京の某営業所を任された時、全国の量販店とは一切取引をせず、「ナショナルのお店」でしか販売展開をしていない松下の戦略を引き合いにして、「量販店中心の東京では、売れと言われても我々には売り先がありません」と成績不振の言い訳をする営業マンの意識改革のため、ある時、営業会議を営業所ではなく「東京タワーの展望室」でやったそうです。 最初の30分ほど「いいから、お前ら黙って下を見ておれ」と言って存分に眺めさせてから会議を始め、いつも通りの言い訳を始める営業マン達に、「お前ら売り先がないというのは本当か? こんなに人も店もあって売れないというのなら全部まわったんやろな!… お前ら売る気がないのか、売れないのかどっちや?」と凄んだのだそうです。 結果、数年かけて最下位から全国1位の営業所にしたそうですが、この例などは、環境は何も変わらなくても、意識が変われば結果は変わることの典型だなあと思いました。 高い目標を達成するには、 1.目標設定能力も、 2.目標達成能力 も必要ですが、最近とくに、 3.目標達成意欲 がことさら大事なように思います。 そういう私も、セミナー等で、「会計事務所業界は厳しい、厳しい…」と言い続けていたら、気が付けば私まで売れない営業と同じ思考になっていました。 私もスカイツリーでも上って、30分下を眺めてきたいと思います。(笑) ■2012年のまとめと今後の展望 本年は、私にとっても独立開業して初めての1年でしたので、今年1年は初心にかえって顧客獲得の考え方について書いてみました。 そこで、本年最後の今回は「2012年のまとめと今後の展望」としてお送りしたいと思います。 今から6〜7年前、私が会計事務所のコンサルティングを始めた頃、業界動向や伸びている事務所が何をしているのか調べるために、全国の事務所にヒアリングをしていましたが、その当時、売上7,000万円〜1億5,000万円くらいの事務所にうかがうと、必ずといって良いほど、
といったことをおっしゃる先生が大半で、マーケティングに興味・関心があったのは、その当時開業したばかりの、年齢的に言えば30代前半〜40代手前の「顧問先を獲得しなければばらない時期の先生」たちばかりだったように思います。 ちょうど税理士法の広告規制が撤廃され、インターネットによるマーケティングが会計事務所業界でも導入され始めた頃で、最近、業界を賑わしている先生方が、「ホームページを作ったら年間20件増えました」なんて言っていたのを記憶しています。 また、私自身も税理士会のいくつかの支部に、「講演させて下さいよ」なんてお願いしていた頃で、その時、支部の役員の方から「マーケティングというのは、結局他の先生のお客様をとったとられたの話なので、税理士会での講演はなかなか難しいですね」と言われ「この業界は何と危機感がないこと言ってるんだろう?」と失望したのを覚えています。 ところが、その後、急速に業界情勢は変わり、最初はやる気のある若手の先生がインターネットで顧客獲得するだけだったのに、「税理士は金はあるけど営業力がない」と見た他業界が、「インターネットで見込み客を集めて顧客紹介をし、紹介手数料を抜く」というビジネスを始め、更に、記帳代行その他の業務は「税理士以外」が受注して、決算申告という「法的独占業務」だけ、税理士に安くやらせるというビジネスモデルが出現してから、「税理士の下請け化」が一気に進み、今に至っています。 そして更に、大手税理士法人がその知名度・ブランド力を活かして全国主要都市で支店展開を行い、地方の優良顧客の獲得を画策したり、税理士事務所自体によるFC化のような動きも加速しています。 これらの動きは、資本力のある他業界や、マーケティングセンスのある事務所からしたらすべて「当然そうするだろうな」ということばかりなので、2013年以降もその動きは加速すると思います。 では、普通の会計事務所はどうすれば良いのか? ということですが、以前からずっと申し上げているように、自力で顧客獲得をするならば 1.特定業種に絞った顧客獲得(業種特化) 2.特定の強い分野を持った会計事務所の場合は分野特化 3.処理能力のある会計事務所の場合は、経理代行を含めた周辺業務の獲得
というような方向での生き残り方になるだろうと思っています。 このうち、3.の経理代行は、大手資本との価格競争・営業力競争になることが必至なので、多くの事務所ではゆくゆくは勝てないかなと思っています。 また、5.の会計事務所の営業窓口化は、私自身興味はあって面白そうなのですが、肝心の「法人顧客」に購買力がないので、経済が停滞している現在の情勢では難しいかなと思います。 ですので、多くの会計事務所が現在の規模で、現在の特性を活かして行うならば、1.の業種特化、2.専門性を高めた分野特化、4.監査&コンサルティング分野の強化、といった方向になるのかな? と思います。 そうすると、会計事務所の職員の方々に求められる人材も、 ・処理だけの人 ・監査までの人 ・コンサルティングまで踏み込む人 ・営業活動を行う人 の4つに区分されると思いますので、職員の方の採用もより細分化されると思います。 以上いろいろ書きましたが、来期に向けては私どもも上記のような活動を具体化するサポートを強化したいと思います。 これから年末・年始休暇もあります。しっかりと今後の方向性を見つめ直す時間に充てたいですね。
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